823でインク充満

投稿者: | 2019-12-28

このところほとんどPILOTの万年筆ばかりを使っているが、カスタム823を使った時にペン先のスリット部付近や背面の空気穴付近がインクで充満している状態になって、今にも溢れそうな状態になっていた。幸い、インクが用紙に落ちたりするまでには至っていない。
普段、これまでそのようなことがないのに、急にスリットが柔らかくなってインクの排出・フローが良すぎるようになったのか、どういうことなのだろうかと考えてみると、手の熱でインクタンク内の空気が膨張したのではないかという想像に至った。
寒い時期は軸本体もペンケース内で冷えていることになるが、そういう状態で手に取ると手の熱が軸に伝わることになる。カスタム823はプランジャー式で本体内に直接インクを吸入するタイプである。すなわち、カートリッジやコンバータを使っている万年筆に比べて手の熱が直接そのインクタンク内にも伝わりやすい。インクの量が少なく空気が多く入った状態になっていると、内部の空気が膨張してインクを押し出す力が強くなり、ペン先からインクが溢れんばかりとなったと想像している。
所有している万年筆では、他にカスタム743がいつもペン先スリットからインクが溢れている。しかしこの万年筆はコンバータを使っているので、手の熱がいつも伝わって空気が膨張しているとも考えにくい。
こちらはペン先がSFMで柔らかいので、スリットが開きやすく、そもそもインクフローが良すぎるくらいなのではないかと思っている。
どちらも使い始めて数年しか経っていないし、そんなに強く筆圧をかけて書いていないと思うので、それでスリットが開いてしまったとか、そういうことではないと思っている。
カスタム823に関しては、尾栓を閉じたままにしてペン先へのインクの供給を抑えてやることでその対策になるのではないかと考えるが、尾栓を閉じてもその影響が出るまでにはしばらくかかると思うので、効果があるかどうかは分からない。
或いは、膨張する空気の量が少なくなるよう、タンク内にインクを補充して満タンの状態にしておくことのほうがこういう対策になるのかもしれないとも思う。