雑記2506

投稿者: | 2025-06-14

最近はこのように雑記を少しずつ書きためて、一つの投稿としてブログ記事にすることが多い。多いというか、ほぼそれである。

HHKBとRC1

コンパクトなキーボードとして、自分はHHKBもRC1も使っている。HHKBはPFUのHHKB Hybrid Type-S無刻印のモデルで、RC1とはRealforceのそれである。両方ともUS配列、前者は45g押下圧、後者RC1は30g押下圧のモデル。コンパクトと言っても、前者は60%のサイズで、後者は70%のサイズでキー配列も異なる。
このサイズ感のキーボードとしては、これまでずっとHHKBしか選択肢がなかった。静電容量無接点のスイッチであること、また無刻印のモデルであることが気に入っているであったが、カーソルキーやファンクションキーがないなど不便な部分もあって、RC1が出たときにこれだと思ってすぐ導入した経過がある。

そのような違いはあるが、結論としてどちらも最良なキーボードであることには違いは無い。問題は配列と、備えているキー数の違いである。このような文章を入力する際には、最小限のキー数でも全く問題ないが、それでもやはり独立したカーソルキーはあったほうが良いし、一般的なアプリケーションを使う際にはファンクションキーだったりそれらカーソルキーを使う必要もあるので、もう少しキー数は多いほうが良い。
なお、HHKBは無刻印モデルである点に関しての欠点はない。以前にもHHKBを使っていてHHKBの配列にはそれなりに習得できているのと、AOURの方式により入力するために、アルファベットはほとんど関係ない。無論、その前提としてブラインドタッチによる入力を行っているという面もある。

押下圧の違いに関し、どちらが最良とは中々決められない。45gを使っているときはこれが良いと思うし、30gを使うときはこっちの方が良いのではないかと思うからである。以前は、変荷重かずっと45gだけを使っていて、それが標準と思っていた。30gはそれからすると明らかに軽いので、全30gのモデルは慣れないのではないかと思っていた。だが実際使ってみるとこれが想像以上に快適で、少しの慣れは必要であったが、慣れてしまうとそれこそが標準であるような気もして、逆に、一般的には軽いとされる45gの押下圧でさえ重く感じてしまうのである。
ただ、45gが重いと言っても、それはしっかりと打鍵ができるという重さであって、重すぎて使えないというような重さではない。ただ、普段30gを使っていると、45gに切り替えるときちんと押下できずに抜けてしまう打鍵が生じたりもする。これは完全に30gのモデルの影響であって、その感覚に手指がなってしまっているので、しばらく、その切替が身体に浸透するまではミスタイプも生じる。

配列の関連で言えば、BSキーの位置の違いも、HHKBとRC1とでは混同する所で、影響が最も大きいのはこの部分である。RC1のほうが標準配列に近いので、感覚的に安心できるのはこのほうである。

そういう違いの問題を抜きにして言えば、今後はRealforce、30gのモデルを標準的に選ぶようにしたいと思うようになった。この軽い打鍵感は、一度味わうと本当に病みつきになる類のものである。例えばこのような長文作成作業などは、この30gであるほうがずっときちんと作業ができると思われる。
ただRC1の配列も、右Shiftキーが小さい問題があって、これは70%であるから仕方ないのであるが、カーソルキーとのコンビネーションで使う範囲選択などが、右Shiftキーを使う場合は非常にやりづらい。

単に押下圧の話とすると、万人に勧められるのは45gのほうで、30gは特に軽いキーボードを好むという場合だけである。30gのほうは、きちんとタイピングができない人にとっては軽すぎて使いづらいという感想を生むだけのような気もしている。

ブラインドタッチの頃

当時のワープロ専用機で色々長文を書く作業などをするようになって、そもそもキータイピングの速度向上と疲労軽減、何よりプロフェッショナルな境地に至りたいという要望から、書籍の独習でブラインドタッチを習得した。
それなりに高速に打鍵は出来ていたので、指の位置を覚えることと、あとはキーを見ないようにすること程度で、比較的短期間でブラインドタッチは習得することができた。

今の若い人は、スマホのフリック入力が主流なのでキーボードに触れる機会が少なく、ブラインドタッチができる人の割合も少ないという。一方で20代以上の人は仕事でPCを扱うことが多いために必須の能力として、できる人の割合が一定以上居る。
だがこのままでは世代が交替するにつれて、タイピングの相対能力は低下していくことが考えられる。文章は生成AIが作ってくれるので長文を書く必要もなくなり、キーボードの重要性も次第に失われていく傾向があるのかもしれない。

とは言っても、今の時代まだ十分にキーボードは必要であり、フリック入力だけでは何も出来ない。キーボード打鍵による文字入力は必須なのであって、鉛筆やシャープペンシルで文字を書くのと同様の、キーボードでローマ字入力ができることは基本的な社会スキルであるのだが、このことは実際あまり理解されていない。

ローマ字入力でなければならないかということには、その根拠はないが、それが標準となっている以上、避けては通れない。ローマ字入力を十分に習得した上で、それが不満なら新配列など他の方式へ移行することも可能ではある。ただしハードルは高い。
新配列への移行は、その習得期間から十分に習得が進むまでは従来の方式と比較してかなり速度が落ちてしまうので、それが元の入力方式であるローマ字入力に追いついて追い越すまでは、かなりの我慢が強いられる。

自分の場合もAOURを定義してから使い始め、最初は本当にローマ字入力の初心者のような速度でしかつかことが出来なかったが、これを諦めずに長期間続けて、次第に実用レベルから、当初の目標であった省打鍵・省入力が実現して、従来の入力方式に追いついて快適かつ短時間での入力作業ができるようになった。ローマ字入力より速くなったかというと、同条件での比較が難しいので、なんとも言えないが、相反的にローマ字入力ができる速度は低下してきたので、今ではAOURのほうが圧倒的に速い入力方式になっている。

速い入力ができると言うことは、それだけ、思考から入力までのプロセスが速いということであり、思い付いて文章化して、それが打鍵の思考により妨げられることがなく、話し言葉で語るように、文字入力ができるということである。文章書きのためにはこれは結構重要なことであるのだが、多くの人は自分は長文など書くことがないと思って、重要視していない。

US配列の頃

初めてのUS配列はHHKBである。標準的なUS配列のキーボードではなく、HHKBの、60%の特殊な配列が最初のUS配列であった。US配列を使いたいという面もあったが、それよりはHHKB、静電容量無接点のキーボードを使いたいという面から、当時のHHKBはUS配列しかなかったので、必然的にそれになったという点もある。
ただ、それに当たってUS配列とはどういうものかと調べて、自分も十分にこれは使えるだろうと思った。少なくともアルファベットの配列はそれまでのJIS配列と同じなのであるから。

HHKBを使い始めた頃は、まだAOURは完成していなかった頃であるから、AZIKか普通のローマ字入力を使っていた。ただ、程なくしてAOURに移行したので、ほぼ同時と言っても良いのかも知れない。丁度そのUS配列で、AOURはUS配列で使うときはこうで、JIS配列で使うときはこうで、と定義を少し分けて考えたかもしれない。AOURも、US配列とATOKと共にある。
その当時のPCはおそらく東芝のDynabookの普及品で、それに接続して使っていた記憶がある。それからその次はVAIOで、このVAIOの時はもうUS配列のモデルを選んでいたような記憶もあるが、20年近くも前のことになるので、定かではない。とにかく、丁度その頃からもうUS配列に傾倒して、US配列しか使わなくなったのである。

US配列を使ってみて、キー配列のバランスが良く、特にEnterキーやBSキーがホームポジションに近くて打鍵しやすいという点で気に入って、普通に使う分にはJIS配列よりもこっちのUS配列のほうが良いと思うようになった。
そうではあったが、会社PCは当然にJIS配列であるから、そことの共存は仕方の無いことである。
これほどUS配列は快適であるのに、JIS配列は国内では絶対的に優勢で主流である。だがそれは全体がそうなっているので、もう仕方がない。US配列のユーザーもその後次第に増えて来つつあるので、キーボードはJISかな入力ではなくローマ字入力標準で、US配列にもフレンドリーな新しい傾向を望むものである。

ATOKの頃

IMEのATOKとの付き合いはPCを使い始めた当初からであるので、もう30年かそこらになるはずである。ATOK以外のIMEは、ほぼ使っていないと言えるくらいに、IMEだけはずっとATOKである。
最初は、一太郎付属のFEPということでATOKを知り、それがもちろん他のDOSアプリケーションにも使えて、シェアもあり高性能ということで、まだPCを購入する以前からATOKを使っていこうと決めたのだった。その頃はWindows 95が出る少し前の、Windows 3.1の時代でまだ標準のIMEとしてMS-IMEはその位置が確立されていなかったと思われる。

一太郎付属のATOK 9の頃から使い始め、全てのVersionというわけではないが、ずっとATOKを使い続けた。辞書もワープロ専用機から移行しつつ、PCのIMEは標準辞書もカタカナ語も充実しているので次第にそのユーザー辞書の役割は減少していった。
だがやはり、ATOKを使っての一番の出来事は、AOURの定義であるのに違いない。それが2007年の当初だから、ATOK2007を使っていたかどうかはもう定かではないが、とにかくその時に使っていたATOKで定義をカスタマイズして仕上げ、以後少しずつ拡張を繰り返していくことになる。これが自分のATOKの最大限の活用だと思っている。

母撥音代替

AOURの定義に少し手入れをした。今回はGoogle日本語入力の定義のみ。
というのも、ATOKではその定義ができなかったからである。

新定義は、【-z】【-x】【-c】【-v】【-b】で「あん」「えん」「うん」「おん」「いん」とするもの。これらは母音キーと【x】キーで入力していたが、入力がしにくいので、別の割当が良いと思った。
本当は二重母音の、母音だけの二重母音「あい」「えい」だけの割当があってもいいかと思ったが、これらはさほど入力しにくいわけではない。母音と撥音拡張は同じ左手の小指や薬指だけの打鍵になることがあり、打鍵しにくい。

そこでこれらの割当をしようと思い立ったわけだが、ATOKは、【-】キーは句読点と同じ特殊キーという位置づけのようで、これを含んだキーに定義を割り当てることができないので、Google日本語入力だけの更新とした。

実はすでにGoogle日本語入力とATOKの定義とでは、割り当てている定義に違いがある。これはATOKの定義数上限550に対応するためであるが、Google日本語入力は確か1100くらいの定義ができるはずであるのと、句読点のキーにも割り当てができるので、このような定義の追加ができるのである。

今後もこのようなやり方で特定のIME向けにだけ拡張定義のルールを追加していけば、それぞれのIMEで違ったAOURに枝分かれしていくことになるが、今後についてはまだどうするか考えていない。

AOURのGoogle日本語入力専用版

AOURの今後について、ATOKでの定義がこれで限界なのはもうわかっているが、Google日本語入力ではまだ定義数に余裕があるので、もっと拡張ができないかと思っている。
母撥音代替でのやり方に基づいて、Google日本語入力だけ、さらに拡張定義を追加するという方法はどうだろうかと考えてみた。

もし大幅に追加するなら、ァク、ァツ音節の拡張のように、2文字目にクやツが来る音節の定義をア行だけではなく他の音にも拡大するというようなもの。これを3打鍵で入力できるようにして、3打件目は左手のキーの配列部分を活用する。
2打鍵目は、例えば子音と同段の右手薬指のキーを活用する。
これでおそらく200以上定義数は増える。

定義数はGoogle日本語入力ではおそらく問題ないと思ったが、その割当の並びを考えると、既に裏打ちなどの拡張で使われている部分と重なる。既存の拡張ルールを変えなければ完全に実装できない。
これではATOK版との互換性に問題が生じてしまい、不十分で、全く別の入力方式を開発するならともかく、それではあまり意味が無いと思い、このような定義の拡張はやはり現状では難しい。

それであっても、AOURの拡張はATOKの定義上限であってもそれなりに多い方だと思うので、これを十分に習得するだけでも十分に高速に打鍵できるというものである。

AOURの裏打ち拡充

AOURは、Dvorak配列をベースとしているため、母音が左手ホームに5つ並んでいる。子音キーの多くは右手側だが、左手側にも子音はあって、その場合子音キーも母音キーも左手になるので、打鍵しにくい場合がある。つまり、左右交互打鍵にならばい場合がある。
ヤ行、ザ行、ワ行、パ行がそれである。ヴァ行もそうであるし、シャ・チャ・ジャの子音キーも左手側にあって、左手だけの打鍵となる。

これを解消するためには、これら子音キーを右手側に持っていくか、これらの行だけ母音を右手にするという方法が考えられる。子音キーを右手に持っていくのは、既に割当があるので困難で、これらの行の音だけ母音キーを右手側のキーで代替させるという方法が考えられる。右手のホームの5つのキーに、左手側と左右対称に母音キーを配置するのである。
実は既に、拗音を含んだキーなどは「裏打ち」として、この方法によっている部分があるし、助詞の「を」も本則の【WS】だけではなく裏打ちの【WL】でも入力できるようにしている。
今回はこの裏打ちを拡張して、ワ行、ザ行、パ行、ヤ行のそれぞれの音を裏打ちもできるようにした。
ただ、既に反対側のキー定義の割り当てがあったり、使用頻度が低い場合もあって、全て裏打ちを設定する必要はない。二重母音や撥音節拡張なども、既存の定義があるために無理で、基本入力の単音だけの裏打ちになる。

ヴァ行は使用頻度が少ないし、下段のシャ・チャ・ジャの行は既に裏打ち的な定義が用意されているので、ワザパヤの行の音だけを裏打ち定義することにした。ワ行も、「ゐ」と「ゑ」は使用頻度が低いので裏打ちは設定しない。
裏打ちはあくまでも代替入力なので、本則入力は残したままにする。

また、ATOKの定義は上限近くまで使ってしまっているので、使用が想定できない定義や競合する定義も合わせて一部整理したが、最終的に上限ぴったりの550定義に収まった。
Google日本語入力やDvorakJの定義ではそういう制約は受けないので、競合さえ回避すれば問題ない。

そのような定義の変更を施して、これだけの変更を行うのは久々となるが、5/2付で更新するのである。

拡張定義や新しい定義は、定義をした直後は中々使えない。少しずつ意識して使っていくのであるが、ただ、イ段母音は本則【G】と裏打ち【H】は並んでいるので、これら2つが同じ割当となって無駄な部分もあるような気もする。

ワープロの頃

自分にとっての初めてのキーボードはワープロ専用機のキーボードで、ローマ字入力もブラインドタッチもワープロ専用機で習得した。現時点でもう40年近くも前のことである。
とにかく、キーボードというものをそれで初めて目の当たりにした。こんなに沢山のキーの配置を覚えることだとか、キーを見ずにタイピングができるようになるということはとても信じられなかった。

当初の数日は、キーボードに刻印があるとおり、かな入力を覚えたのだけれども、ローマ字入力の方法もあると知ってからは、すぐにそれに切り替えた。
元々、和文をローマ字で書き表すことには興味があって、手書きでローマ字の文章などもスラスラと書くことができていたりしたので、ローマ字には抵抗はなく、寧ろ興味深いものとして受け入れ、すぐに習得することが出来た。

ワープロ専用機では当時はかな入力のほうが標準であったが、以来かな入力は使わずにローマ字入力を練習してそれでキーボードが使えるようになった。
ただ、最初の数年は、キーボードを見ながら打鍵する、まだブラインドタッチができない頃でもあったが、それなりに高速に打鍵もできるようになって、ブラインドタッチはできなければ損だと思うようになり、自分で覚えて、ワープロ専用機でキーボードを攻略することになった。
また、それで更に速度も向上し、快適なタイピングができるようにもなり、当時はまだブラインドタッチができる人は少なかったので、それが少し自慢にもなったものだった。

Realforce 86U

自分がキーボード、Realforceを使い始めた時のモデルは86Uで、テンキーレスのUS配列、変荷重タイプのモデルである。その86Uは、普段はしまっているが、たまに引っ張り出してきて使ってみたりもする。依然として快適であって、故障などはしていない。この頃のRealforceは静音キースイッチではないが、実際これもまた悪くない。メカニカルではないものの、それなりにいい打鍵音であると言える。

Realforceは、キーボードに興味を持った際に知ったが、この86Uのようにアイボリー配色のモデルしかなく、黒いキーボードばかり選んでいて、PCなどの機器も黒いものが多かったので、その色合いで選びにくかったというのが実状である。また、先にHHKBで静電容量無接点のキーボードを使うようになったので、あえてRealforceを使わずとも、どういう打鍵感かはある程度想像出来たという面もある。
ただ、HHKBはかなり特殊な配列でもあるので、標準的なUS配列のモデルとして出た86Uも使ってみたくなり、これを購入してみたという面もある。

その後、同じモデルで黒配色の逆輸入モデル86UBも導入し、しばらくこの2モデルをそれぞれのPCで使っていた経緯がある。
有線接続のみ、静音でもない、LEDもない、今からするとレガシーなキーボードということになるが、それでも打鍵感は特に変わったという感覚も無く、まだずっと快適に使えるので、今後もたまに引き出してきて使ってみたりしたいと思っている。

ただ、ここまで使ってきて、やはり静音モデルでない打鍵音はそれなりに大きいし、30gでないキーがやや感覚の違いがあって、比べると新しいRealforceのほうがやはり良いのかも知れないと思う次第である。

キーボード環境

今のキーボード環境は、基本的に全てRealforceである。
Realforceは、東プレが作っている日本製の高級キーボードという位置づけになっている。耐久性が高く、静電容量無接点という特殊な機構を使っているため、メカニカルと違って重複入力が発生しないほか、静音スイッチで静かな打鍵感、45gや30gといった軽い打鍵感などが特徴で、JISもUSも標準的な配列で、特段の機能はないがキーボードに拘る人に人気が高い。

自分がRealforceを知ったのは20年近く前、様々なキーボード、メカニカルなキーボードを使い始めた頃だった。その頃の印象は、アイボリー配色のレトロで変哲のないキーボードということで、積極的には選ばなかったものの、Realforceが良いという人が続々情報を出しているので、静電容量無接点のキーボードとはどういうものなのかと、まずはOEMを受けているHHKBから使い始めた。
HHKBも良いキーボードだが、US配列で特殊な配列で、60%サイズで不便な面もあったので、標準的なUS配列のキーボードということで、ようやくRealforceを導入するに至った。

その頃、メカニカルの茶軸・黒軸のキーボードも併用して使っていたが、Realforceの打鍵感がより好みになって、いつしかRealforceばかりを使うようになっていた。
以来、20年近く、自宅のキーボードはずっとRealforceになって、最近は会社のキーボードもRealforceを持ち込んで使うようになったくらいで、その日1日、Realforce以外のキーボードには触れないというスタイルになっている。

最初のRealforceは、テンキーレスサイズのUS配列で、これがアイボリー配色のキーボードで少し古臭いようなイメージもあったが、打鍵感は最良で、ずっとこれを使った。やがて同じモデルで黒配色のタイプも入手できたので、それをもう1台のPCで使い、10年くらい後になってR2シリーズ、更に数年後にR3シリーズ、最近になってコンパクトなRC1というシリーズ、その間に独立したテンキーもRealforceを使うようになって、とにかくもうキーボードは全部Realforceである。

キーボードのキーを押下するときの重さ、押下圧はずっと標準的な45gのタイプか、30gも混じった変荷重タイプというのを使っていた。45gが基本なのでそればかり選んでいたが、RC1で30gを選んでから、この柔らかい・軽い打鍵感が病みつきになって、今後は30gのモデルを選ぶべきと思っているところである。

PCでの文字入力のためにはキーボードが必要であるということは誰もが知っていることなのであるが、どのようなキーボードを使うのかも大事だということがわかっている人は少ない。キーボードによって、文字入力が楽に出来るか否かが変わり、それにより疲労感や気分も変わるので、入力される文字・文章にも影響がでるということに気付かない人も多い。気付いたとしても、自分はそんなに長文を入力するわけではないから、とにかく文字入力ができれば良いのだと思う人も多いし、キーボードを選ぶとしてもどうやって選んでどうやって入手したら良いのかということを知らない人も、少なくない。

だがそれなりに、キーボードがどのようなものが良いかを気にするなら、ネットで調べると様々な情報があるので、どれが自分の好みに合うかということを知るヒントになる。
大きさと配列、打鍵感と機構、くらいが主要な要素である。家電店の店頭で見て触れるキーボードだけが全てではない。

Realforceは一つの選択肢に過ぎないかもしれないが、それでもこれだけのキーボードなので、十分に、万人に満足できる製品なのではないかと思う。

IME切替キー

IMEの切替は、JIS配列キーボードで標準的には半角/全角キーを使ってするのだと思う。自分はJIS配列の時は変換キーを使っていた。ATOKでは、最初から変換キーにそのトグル機能が割り当てられている。
だがUS配列では、標準でAlt+`というコンビネーションで、`がJIS配列でいうと半角/ 全角のキーの位置と同じであるとしても、これは少々使いづらい。そこで、US配列を使う際に自分はIMEの機能キーのカスタマイズでCtrl+Spaceに割り当てた。

多用するCtrlキーはそれ以前からAの横のCapsと入れ替えて使っているので、つまりはAの横のCtrlと親指で打鍵するSpaceで、ホームポジションをほとんど崩さずに切替えられる。この組み合わせは便利なので、US配列のために割り当てたがJIS配列のキーボードでもこの組み合わせでIMEの切替をするようになった。
他のOSの標準もCtrl+Spaceで切替というものがあり、この組み合わせはある意味スタンダードなのかもしれない。

PCで書く環境

PCで文章を書くことは少なくない。実際、この文章もPCで書いている。
紙と筆記具はこれで、という拘り、決まりを自分の中で持っているのと同様に、PCにおいての書く環境もこのように、というのもやはりある。
PCはこのようなOSでこのようなスペックで、というのに始まるかもしれないが、とりわけ書く環境ということになれば、その関連のアプリケーションと、それを使うためのインターフェースの関連ということになるのだろうと思う。

文章は、テキストエディタで書くことがほとんどである。ワープロソフトを使う場合は一太郎である。Wordは、自宅環境では使わない。JUST NoteのWord互換環境はあるが、それでなければならない時以外は使うことはない。
テキストエディタはWZ EDITORである。秀丸とか、サクラエディタとか、Meryもたまに使ったりするが、主として使うのはずっと以前からWZである。和文の文章書きにも対応するよう、縦書きをはじめとした各種の機能が備わっていて、その作業に都合が良いからである。秀丸やMeryも縦書き機能はあって、これが一つ文章書きのことを考えているという目安になる機能だと思っている。

ワープロは前述のとおり一太郎である。これももちろん、言わずと知れた老舗のワープロソフトで、「日本語ワープロ」と謳っているだけあって、これ以外で和文入力がきちんとできる環境のワープロソフトは今のところない。最もよく使われているWordも、Word流の和文環境を提供するようにはなっているが、ワープロ専用機から入った自分の感覚では、どうしてもその感覚に近い一太郎のほうがずっと使い易く、毎年のバージョンアップで和文・文書の文化に合うような改良が続いている点が、より好ましいと思うわけである。
すなわち、アプリケーション、PC環境は以前からずっとWindowsである。

和文入力のためにはかな漢字変換のためにIMEが必要である。
これも、一太郎の関係でずっとATOKを選んで使っている。Windows環境で使えるIMEの中では一番高機能で、特に辞書機能が優秀で、最近ではクラウドサービスとの連携でユーザ設定や辞書が共有出来たりする点も便利だし、効果の説明は難しいが変換エンジンについても誤変換がとにかく無くなるような改良が重ねられてきていて、気付かぬ部分で快適な入力ができるようになっている。
Google日本語入力も、たまに使ってみたりもする。変換エンジンがどうなのかは、どうように実感はないが、これも新語に強く十分に使えるIMEになっている。

これらのアプリケーションが、従来の環境で言えば紙、ノートなどに相当すると思うが、その筆記具に相当するのがキーボードやマウスなどのインターフェースということになる。先にマウスのことを言えば、一応LogicoolのMXシリーズのマウスを使ったりしているのであるが、実はマウスは拘りができるほどの選択肢があまりないような気がしている。無論製品としてはキーボード同様に非常に数が多いと思うのであるが、機能的にそんなに差が出るものではないような気がして、それでもガジェット好きがよく選ぶMX Masterなどをたいてい使っているような状況にすぎない。

キーボードは、紆余曲折とまではいかないが、様々使ってきて、製品としては東プレのRealforceのシリーズを使っている。打鍵感が良く、静電容量無接点という独特なスイッチを採用していて、メカニカルのようなチャタリングも起こらず、安心して入力作業が行える。静音スイッチで打鍵音も静かである。
大きさはテンキーレスのものか又は70%のRC1というシリーズで、配列はUS配列である。和文入力作業が中心なのにUS配列とはいかがなものかと思う方も多いかもしれないが、JIS配列はかな入力向けには都合が良いが、ローマ字入力などにはUS配列でも問題なく、キー配列全体のバランスから考えるとむしろUS配列のほうが合理的なのである。

Realforceのキーボードは押下圧も選べる。45gのものが基本ではあって、そのタイプも使うが、最近になって30gのキーボードの柔らかさがある意味ある程度病みつきにもなって、これがまた快適で良いと思って、その両方を使っている。
APCという、反応点の調整機能もあるが、だいたい2.2mmの辺りが自分の打鍵では一番良い感じであるので、そのように調整して使っている。

しかも自分は、ローマ字入力でもかな入力でもない。いわゆる新配列というもので、AOURと名付けた、Dvorak配列をだいたいベースとした入力方式を使っている。Dvorakベースでのローマ字入力に、二重母音や撥音節ほか、多くの拡張定義を割り当てた独特の方式を、現時点で18年くらいも使っている。通常のローマ字入力と比較して17、8%近くの打鍵数の削減が出来るので、つまりはその分高速に入力ができるということである。これが快適でたまらない。
このAOURの実装はローマ字入力定義のカスタマイズで実施しているが、ATOKはその制限も多い。それでもATOKの制限の範囲内で実現出来るように定義して、ATOKで使えるようにしている。Google日本語入力でも同様に定義のカスタマイズでAOURは使えるようになっていて、切り替えたときにはストレスなく同じ環境で入力ができるようになっている。

キーボードを使うに当たって重要なのは、キーボードをどのように使えるか、入力方式も然る事ながら、重要なのはブラインドタッチである。キーボードを見ずに打鍵する、キーボードのキーの位置を指で覚えて高速に打鍵する。AOURの方式もそれができることが基本になるが、普通のローマ字入力でもこのスキルは必要である。これができるとできないとでは疲労感の差も関係するし、何より入力速度に関係する。
ブラインドタッチができなくても、高速に打鍵することはできるが、視線の移動が頻繁で大きくなるので、入力効率的にはあまり良くない。
ブラインドタッチはキーボードを使う上で基本の能力である。ピアノの演奏で鍵盤を見ながら位置を確認するのが普通なのか、ピアノもブラインドタッチが基本なのか知らないが、両手の指でキーの担当を決めてきちんと打鍵することは重要である。これができない人は結構多い。

高速に入力ができると言うことは、思考の速度に近い速度で文字入力ができるということであるから、文字へ変換する過程で、思い付いた文章が失われることが少なくなり、長文でも苦にならず書けるようになるし、それが全てとは言い難いものの、文章入力のスキルもそれで向上すると思うのである。

PCの凄いこと

自分はかつてのワープロ専用機からの乗り換えでPCを使うようになった世代であるので、ワープロからPCへの変更に際して、PCが如何に凄いものかということを知っている。最初からPCがあって当たり前の世代では、おそらくわからないことではないかと思う。
単一色の液晶が、ブラウン管のモニターになって、フルカラーで表示が出来て、各部分は好きな色にカスタマイズができるということ、今はそれが当然であるが、ワープロの世界からすると全く異なるものであったのである。システムファイル、その中身を診ることが出来るのも、PC特有で、これはワープロにおいては絶対にできないことである。そのこと自体が何か利点があるかというとそうではないのであるが、出来るという事自体が凄いことであると思うわけである。
ワープロソフトとの比較においても、単語登録、これはIMEの分野であるが、それの上限が事実上ないとか、ローマ字のカスタマイズができるということも凄いことであった。無論当時はLにラ行を割り当てたりという小規模なことしかしていなかった。また、ワープロ専用機にはなくてPCのワープロソフトにおいては当たり前にあるという機能もたくさんあって、それは一々、凄いことなのである。

PCにおいては、ワープロというソフトウエアだけではなくて、表計算やらデータベースやら、そういうアプリケーションが多数、無限に選択して使えるということもまた凄いことであって、同じ種類のソフトウエアでも競合せずに使い比べができるというようなこともまた、凄いことであるように思えた。
すなわちPCがあれば、ワープロだけではなくて様々な用途に使えるということで、全体が、世界が開けるような気がしたものである。

そういう感動は、もうない。それが当たり前になってしまったからで、せいぜい、僅か2年前に初めてガラケーから乗り換えたスマートフォンでもPCでできていたことのほとんどができるということにまた少しの驚きはあるが、それはワープロ専用機からPCに乗り換えた時ほどの感動は全くないのである。

購入前時点でのXPERIA 1 Ⅶ

10年以上使っていたガラケーから2年前にXPERIAのスマートフォンに乗り換え、購入方法との関係もあり2年程度と決めていた買い換え時期になってきて、ちょうど新機種として出る1 Ⅶに乗り換えることにした。
前回は初スマホとして最上級モデルは使い余すだろうと思った面や単純に価格面もありつつ、ハイエンドと呼ばれる上位クラスのモデル、5 IVを選んだが、フラッグシップモデルはやはり性能が上でずっと気になっていて、今度買い換える時はそれにするということもなんとなく決めていた。
そうしたら丁度良い時期に、少し前から予測されていたとおりフラッグシップ 1の新機種が出たので、予約して購入することに決めた次第である。

現時点では予約段階だが、乗り換え、特にアプリの移し替えのようなものがうまくいくものなのか、どれだけ面倒なのかという不安はそれなりにある。その後色々調べてみたら、そんなにハードルの高い作業でもないのかも知れないと思うようになり、今ではただ発売日、予約の店からの連絡待ちの状態である。
移行は、写真データなどは概ねSDカードに保存してあるので問題はなかろう。電話帳データなどはSIMカードなどに保存されているのかよく知らないが、ショップで乗り換え時に移行作業はやってもらえるのではないかと思っている。やってもらえなくても、一旦SDカードかクラウド、Googleなどに保存しておきそこから復元したら良いのである。

今のモデルよりも一回り大きくなるが、今のモデルがやや小さめだったので、その点は画面も少し大きくなって見易くなるのは、小さな文字が苦手になった自分にとっては良い方向ではある。ただ重さは30gも重くなるので、ずっと持っていたら負担になるのではないかという心配はある。
モックアップを見に行こうかと思って、家電量販店に入っている販売コーナーを覗いてみたが、ちゃんとしたキャリアのショップでなければ発売以前には置いていないようで、無駄足を踏まされた。

2年前まで頑なにガラケーを使っていたのは、今にして思えば何の拘りだったのかわからないが、電話とメールができれば、ネットの関連は会社でも自宅でもPCがあるのでそれで十分に役がこなせるから、外でそんなにインターネットや通信を使うような場面が想定出来なかったのである。その必要性自体はそんなに変わっていないが、しかしスマホはあればそれで役に立って、しかもやはり何より周りは皆スマホであるので、もうこの世界からは様々、逃れられないと思うのである。
今までのどのケータイよりも、やはりスマホはよく使うようになったのは、これがつまりは小さなパソコンであるからに他ならない。アプリを使えばガラケーのFlashアプリとは比較にならない、何でもできる役割があるからである。

何より、ガラケーでは対応していない、対応が終了するサービスがほとんどになってきて、不便になったことがある。カメラはガラケーにもついていたが、扱い方は不便で性能もそんなに凄いものではなかった。無論クラウドサービスとの連携などもガラケーでは出来なかったが、それらは当たり前のようにスマホではできるしカメラも高性能で、これなら本当にガラケーから乗り換えて、これを使うのも当然と思えるように、そう思えるようにやっとやっとなったのが僅かに2年前なのである。

さて、発売日が近づき、予約店舗から連絡はあったが、発売日すぐには入荷できず、少し遅れるとのこと。どうしても発売日に入手したいというほどのものではなく、寧ろ少し置いて落ち着きそうになってからのほうが本当は良いとも思っていたが、それなりに早く予約も済ませたのに、すぐにその日には渡せないような、そんなに人気があるのか、体制が整わないということなのか。不満と言うほどではないが、どうなのかというような気持ちも生じた。ただ、そんなに何ヶ月も待たされるような状況でもないような感じではある。

過去の機種

思い出してみたら、現行のスマホ、XPERIAに居たる前、これまでケータイ(ガラケー)は8機種を使ってきたはずである。うち6機種は手元に残っているが、もちろんもう使うことはない。
多くの人は、それにそれぞれの思い出が詰まっていて、あるいはそれに写真が残っていたりして残しているというのだろうが、自分は残っているものを一通り見てみても、確かに使っていたという記憶はあるものの、それぞれに関する特別の思い入れのようなものは、ほとんどない。ただ過去の機種というだけのような感覚に過ぎない。

思いがあるとしたら、30年近く前、初めて使ったSONY製のストレートケータイで、これに電話帳として数々の連絡先が登録されて、着信があったらナンバーディスプレイのように誰からのものかすぐわかるなど、電話としての革新的な機能、もちろんその頃は既に当たり前になっていた機能が自分でも使えるということの感動くらいは、思いとしてある。
また、その次にiモード端末にしたときに、電子メールのやりとりがこれでできる、外出先でも電子メールのやりとりができるとか、これでiモードサイト、すなわちWebの閲覧ができるというのもまた、感慨深い思い出として出てくる。

だがその後の機種は、カメラ機能が付いたのも世間的には大きなインパクトだったと思うのだが、自分としてはそのカメラが満足出来るものではなくあまり感動はなかったし、あるFOMA端末で画面ロックの関係など故障や不具合が多く気に入らなかったとか、そういう断片的な思いが少しだけあるような、そんな感じである。
最後のガラケーは、10年以上も使い続けて、それで機種自体の愛着というか馴染みはあるものの、特別スマホに移行したいという気持ちがない状態が長く続いていたというだけで、その機種が特に気に入っていたというわけでもない。富士通製の端末で、指紋認証でロック解除ができたのは便利だったが、最後の方になると背面ディスプレイは見えなくなるし、それなりに傷なども増えて、限界も来た。
ただ後半機種どれも電池持ちは良好で、1週間程度は平気で持続し、スマホの比ではなかったのは良かった。

様々なサービスが、スマホがなければ使えず本当に不便になってきたので、もうそろそろ仕方なくスマホにするか、と移行したのが今から2年前である。カメラの性能が想定以上に良く、Googleフォトなどクラウドと連携して写真の管理が驚くほど便利なのが一番の好印象点で、またPC同様にほとんどのインターネット上のサービス、Webサイトの閲覧が問題なくできるという点で、持ち出し用PCといった位置付けになった。

ただスマホも、今後の機種変更では特に大きな思い出として残ることはないと思っている。と言うのも、スマホはハード的に機種固有の特徴というのは少なく、全てはAndroid OSだとか、それで使うアプリに依存するので、そのアプリに対する思い出や印象はずっと残ると思うが、それ以上ではないからである。

ケータイ転換点

ケータイを変えたり、持つようになったきっかけ、転換点は何度かある。いずれも自分はかなり保守的で後発のタイプである。
最初の転換点は、ケータイを持ち始めたときである。もちろんその頃には多くの人がそういう個人の機器を使うようになっていた時期であるが、自分もちょうど仕事が変わり外出先での使用も考えられたことなどから、携帯を持つことにして、CDMA ONEとやらが品質が良いらしいと聞き、また機種はそもそもSONY好きであったので、ほとんど迷わずにそれにしたように思う。
それから、丁度その直後か1年後くらいまでにiモードが爆発的に普及しはじめ、周りもiモードでメールのやり取りなどを始めたので、これも自分は少し後発になったが、同じくSONYの機種SO503iで、Docomoに乗り換えて使い始めた。これも一つの転換点と言えるだろうと思う。

ただそれから先は、しばらくはだいたい定期的に、1~2年で新機種が良く見えて、機能的な転換点などはないものの、数機種それで乗り換えていった。多少の新機能とか、見映えの良さ、スライド式ケータイが良いと思ったり、やはり普通の二つ折りケータイが良いと思ったりで、適時に乗り換えていったのである。
前述したとおり、最後のガラケーは、10年以上同じ機種を使い続けた。特別気に入ってというわけではなく、もう次は変える場合はスマホしかないという状況になってきつつ、スマホに変えなければならない理由がなかったので、変えずにずっといたのである。
そのうちに、DocomoからはもうガラケーはないからそろそろスマホにしろとDMもたくさん来るようになって、しまいには年齢的になのか知らないが、らくらくスマホ的な案内まで来るようになった。もう限界と思ったきっかけは、銀行系のサービスでスマホがないと様々な不便や不利が生ずることになってきたというもの。そういうことがあって、スマホにしても不便になることはないだろうと、それでやっと、2年前に初めてスマホに乗り換えた。ガラケーの普及率とスマホの普及率が逆転したのが10年近く前だろうと思うので、自分はかなり後発なタイプである。

ケータイカメラ

自分は中学の頃、お下がりカメラで色々写真を撮影するのが好きで使っていたが、とにかくお下がりだったので、バッテリーが消耗していたのかAEが効かず、その後、これもまたお下がりの一眼レフを使ったが、こちらもイマイチよくわからずに、完全には使いこなしたとも言い難い。
それでも一眼レフはやはりちゃんとしたカメラとレンズであるから、その写真の出来映えは満足のいくものではあったが、とにかく従来のフィルムカメラであるから、その写真がきちんと撮れているのかは現像してみるまで一切わからなかった。

学生時代以降、写真撮影の趣味からは遠ざかり、必要があればせいぜい、写ルンですで適当に撮ったりするくらいということが続いた。30年くらい前にデジカメ登場で、特に現像に出さなくても即時映像が手元に残るということで興味を持って使ったものの、画質などは全く一眼レフには及ばず満足できないようなものだった。
それからだいぶ経って、デジタル一眼レフが十分にカメラとしての機能を果たしているようなことを知って使うようになり、ここでようやく、カメラ、写真が自由に操れるということになった。
出来映えは最良で、ただカメラの大きさが持ち歩くのにネックではあったが、それは従来のカメラと同様なのであるから、全く仕方の無いことなのだろうとは思った。
無論、その頃にはケータイにもカメラ機能は搭載されていたが、カメラとしての使い勝手はとても悪く、画質もそれなりで、デジカメ同様に使う気にはなれなかった。

やがてスマートフォンが一般的になり、それにもカメラが付いているのは承知していたものの、この大きさの本体に付属しているカメラであるから、どうせそれなりのもの、あるいはできてもコンデジ程度で、一眼レフの画質には適わないだろうと高をくくっていた。
しかしやがて、と言っても最近だが、自分もそのスマホに切り替えることになり、そのカメラの写真の出来映えを見れば、最終的には一眼レフクラスのカメラに及ばない点も少なくないものの、最も多い日常の使用の場面では十分な性能と画質を誇っているし、何よりクラウドサービスと直に連携しているので、写真の管理がとにかく勝手が良い。
さらにスマホも高級機クラスになれば、画質も十分に高級コンデジクラスで、今ではそのようなカメラで映画まで撮影出来てしまうくらいで、特に拘った画像・映像を求めるのでなければ、もうこれを普通にカメラとして使っても全く問題ないと思って、スマホにしてからは専らスマホのカメラを使うようになり、従って、一眼レフのほうのカメラを使う機会はずっと減って、スマホのカメラで十分に満足しているような時代になった。

一眼レフでなければならないのは、レンズのボケを活かした画像だとか、連写、などだと思うが、逆に夜景や最新のAI的な機能を活用した写真・動画は一眼レフでは簡単にできない。あるいは、それのための機材を組み合わせるのにお金がかかる。
スマホのカメラは、その点そのような機能も組み込まれていて、夜の撮影でも十分に実用的な写真も撮れたり、AI機能を組み合わせた高度な撮影もできたりして、振り返ってみればフィルムカメラの時代ではもう全く考えられなかったような写真が簡単にできてしまうし、写真の共有も、DPEの時代から、自分でインクジェットを使って印刷するということを経て、今はクラウドサービス、SNSを使った共有が当たり前になり、これもまた面白いことになっていると思うのである。

RAW現像

そんな風に、フィルムカメラの時代から写真をやってきて、実際に暗室での現像やプリントなども経験した身としては、いまだに「現像」という言葉、作業には何だか特有の、特別の作業であるような気がしている。
デジタル一眼レフを使うようになった当初も、写真はほとんどRAW形式で撮影して、それを現像ソフトを使ってJPEGに出力するのが面白かった。当初はAdobe Lightroomを使ったが、バージョンが変わってサブスクになり、とても高価になったので、Canon純正のDigital Photo Professionalをずっと使っている。本当のプロでもない限り、純正のアプリで、基本的には十分である。

高級コンデジなどでもRAW形式での撮影ができたりするし、自分のはスマホのカメラでもRAW形式での撮影データが得られるのであるが、余程のことがない限りは、最近はJPEGで十分で、RAW形式で撮ることはない。そもそも、スマホのカメラなどは、普通の写真はほとんど失敗しないような仕様にもなっていて、あえてRAWで撮影しなければならないような場面は、あまりない。

ただ、やはり現像という作業には、特別感があるので、特別だと思う写真については、今後またそういう作業もしてみたいと思う。

スマホの初、機種変更

そういうわけで、いずれにしても発売から概ね間もなく、新機種への変更をすることができた。
上記のとおり、XPERIA 1 Ⅶである。スマホに切り替えて、2台目なので、つまりは初の機種変更でもある。
ショップに出向いての変更だが、様々手続があって、待たされた時間と合わせると2時間半以上も時間が必要だった。まずそれでだいぶ疲れた。様々な関係で、さらに続きの手続で後日も出向いて、1時間以上。ショップでの機種変更は一大イベントで、十分に時間を確保する必要がある。

ただ、機種間の乗り換え作業は思ったよりずっと簡単で、Google Oneにバックアップしていたのが、自動的に復元されて、あとはアプリのログインなどをし直す程度。データはSDカードがそのまま引き継げるので、基本的にはそれで問題はない。

この機種は、フラッグシップだけあって既に発売前からメーカーの試供などにより多くの人がレビューしている。言われているとおり、カメラはかなり高機能で、画質も十分満足出来る。前機種の5 Ⅳもそれなりにハイスペックで満足していたが、体感的にはそれよりずっと良い。今後まだ機能や結果を試していくのであるが、カメラのUIも前機種と違っていてわかりやすい。ただ、これは何らかマニュアルも欲しいところ。公式のマニュアルはPDFとしてある。
まだ手にして数時間で気付いたのは、前機種より音がずっと良い。スピーカーが高性能である。これも前機種だって悪いものではなかったが、それよりもずっとクリアに、自然に聞こえる。たったこれだけの大きさの機器でここまでの音が出るのは本当に凄いと、最初に思った。

ケースと本体の関係もあるが、電源ボタンは触れやすくなった分、違う手の部分で触ってしまう機会が増えた気がする。触れる度に、正しい指でない肌の部分というだけで振動が来るのは余計に思う。持ち上げるときにシャッターボタンを押してしまい、長押しになってカメラが起動してしまうという恐れもある。前機種ではこの部分がケースにより保護されて、簡単には押されない状態で使っていたが、今回純正ケースにするとその横部分はむき出しなので、そういう問題が生じる。

ハード的には少し重くなったのは感じるが、支障があるような重さの増え方ではないのは良かった。また一回り大きく、画面の縦横構成比もiPhoneのそれと同じであるらしいが、少し幅広になった分、自分としては画面は見やすくなったと思い、安心感が増した。

関連機器類充電器やモバイルバッテリー、ケーブル類などは、全てそのまま使える。Bluetooth接続で、ヘッドホンやスピーカーなども問題なく使えるだろう。

改めてスマホとカメラ

スマホでそれなりに使うのはやはりカメラ機能である。
ガラケーにカメラが付いたのが起源らしく、自分もカメラ付きケータイを手にしたのは多分20年も前になると思うのだが、ケータイのカメラはほとんど使うことがなかった。起動に手間がかかる、時間がかかる、画質が低いこと、撮った画像の管理性が悪いことがその理由である。
だがスマートフォンになれば、XPERIAの場合はボタン一つで起動できるし、他のスマートフォンでもアイコンをタップするだけで起動していつでもシャッターを押せる状態になって、十分高速に起動する。画質も、基準の一つとしての画素数ではもう十分過ぎるメガピクセルになっているし、コンデジの役割を奪っただけあって、コンデジで備わっていた機能と画質は全て確保され、また動画の撮影に関しても十分で、一眼レフとはスタンスが違うとしても、失敗しない、綺麗な写真が的確に撮影できる。撮った画像もGoogleフォトなどクラウドサービスとの連携で、一々メディアのやりとりをする必要もなく、全く便利である。
そんなことから、自分は最近はスマホのカメラでの撮影で十分に思っていて、一眼レフの出番があまりなくなってしまっている。

今回のXPERIAのカメラも、3眼で望遠まで十分な画角を確保していて、常に持ち歩いているので、常にレンズ何本も抱えて一眼レフを持っているのと同じようなことができるわけであるので、自ずと写真を撮るような機会も増えてくるというようなものである。