10年以上、もうずっとUS配列を使っているが、何がきっかけでUS配列にしたかは正確には覚えていない。HHKBを手にしたというきっかけもあるが、要は多くの人とは違った配列で、プログラマーなどPC入力に長けた人などが好んで使っているからという理由程度である。
かな刻印がないからという理由ではない。かな刻印がないというだけではJIS配列キーボードでも選択肢はあったし、実際FILCOのそういうキーボードを使ったこともあった。
US配列の利点は、キー数がJISより少なく見た目でスマートであることやEnterキーが近く打鍵しやすいということなどがある。括弧のキーが左右並びだとか、スペースバーが大きく打鍵しやすい、米国で使われているということで世界的な標準という感じもあり、グローバルな感じも悪くない。後になって気付けばキーの配置の関係でホームポジションが中央に来るためバランスが良いということなどもある。
長くUS配列を使っていても、使う機会の少ない記号の配列は実はまだ完全にマスターできていない。JIS配列のキーボードも使う機会があるせいかその記号配列とまだ少し混同する所はある。多分今後も完全に習得するようなことはないのだろうと思われる。
ただ、入力する機会は少ないので、その都度キーボードの刻印を確認するので問題がないが、Realforceの黒色モデルでは昇華印刷の刻印も黒文字なので確認はしづらい。
IMEの日本語入力切り替え、全角半角入力切り替えは、US配列だとAlt+`のキーでこれが使いづらいと言われているが、自分はATOKなどのキー定義変更でCtrl+Spaceにしており、これで慣れたので問題にはなっていない。
従ってUS配列の欠点は特に思いつかないのであるが、国内では標準でないことは明らかなので、キーボードそれ自体の選択肢もあまりなくユーザが特定の層に限られてしまう。
このことは、キーボードを使った説明の際にJIS配列のキーボードの配列でだけ行われるので、US配列で考える場合はそれに相当するキーに変換して考えなければならない。
US配列は、機能的には初心者から使っても問題ないが、サポートなどのことを考えると初心者向けとは言い難い。
ローマ字入力で一定のスキルを持った人なら、US配列への切り替えは大きな抵抗なくできるものと思われるが、JIS配列に慣れきっていると、記号の配列やキー形状の違いなどがストレスに感じるという人も少なくない。
とにかく今の環境が少しでも変わるのが嫌だという人は、これから別の配列にするのは難しいが、変わっても受け入れていくという意志があるなら、是非US配列も試すべきである。
US配列はまだ物好きの領域と思われがちなのが寂しいところだが、かつてワープロ専用機時代にはJISかな入力、ローマ字入力の他に親指シフトの人が居たり、寧ろ昔の方がそういう多様性に寛容だった。今はJIS配列でローマ字入力の人がほとんどでもあるように標準が一つに集中しがちであるが、入力に適した配列をもっと容易く選べるようになって良い。
自分はそう考えて、これまで積極的にUS配列に変えてきた。USBで外付けのキーボードをUS配列のものにしたし、ノートPCのキーボードは当初JIS配列のものだったが、カスタマイズでUS配列が選べるVAIOやThinkpadにしたりもしてきた。不便を感じたことはなくむしろ快適である。
なお、会社のPCは以前からずっとJIS配列でそれも使っているので、JIS配列だと全く使えなくなったというわけではない。