生成AIにRealforceを擬人化した画像を要求してみたら、こんなのを作り出してきた。
Realforce歴
Realforceを使うようになってから15年以上、各世代のモデルを使ってきている。無論そんなに全てのモデルを使った訳でもなく、自分の好みはこれ、というのがあるので、それ以外の性能のモデルは選んでいない。
概要を示せば、最初のRealforceは、86Uで、変荷重のUS配列、テンキーレス、これのアイボリーモデルと黒モデルを使った。R2世代はPFU Limited Editionの、45g等荷重US配列テンキーレスと、別にもう1台、変荷重のUS配列テンキーレスも使ってきた。さらにはテンキーの23Uも併用し、R3世代では会社用としてR3Sの45g等荷重JIS配列フルキーボード。R3は45g等荷重US配列テンキーレスである。R2以降のモデルは全て静音スイッチのモデルである。
こうして数えてみても、テンキーを除いても6台も、Realforceを使ってきている。古い世代のRealforceも故障して使わなくなったというわけではないので、繋げば問題なく使えるわけだが、新世代の新機能、新しい打鍵感がより快適であるので、基本的には当然ながら新しい世代のほうのモデルを使っている。
すなわち今は、R3のUS配列・テンキーレスを使っている。
少しずつ性能というか、スペックが異なるモデルであるので単純な比較という訳にはいかないが、やはり新しい世代のRealforceのほうが古い世代より少しずつ快適になっている。R3では、まだ使い始めて日が浅いというのもあるかもしれないが、打鍵感がより洗煉されているような気がしている。
同じ静音モデルでも、より静か、とでも言うべき音・打鍵感に至っている。キートップもR2やR1世代のブラックモデルはキートップも黒味が強いので、昇華印刷の刻印も見えにくいものだったが、それと比較するとR3ではかなりグレー味が強く、刻印の文字も少し見易くなっている。グレー味が強いと思っていたHHKB Pro2の墨色モデルと比較してもまだグレー味はR3のほうが強い。ただこれは、経年で自然と黒くなっていくかもしれないが、特に違和感もなく、この色で特に問題はない。
R3Sのブラックモデルは昇華印刷ではなくレーザー印刷であることもあって、キートップ素材が異なるのか、これもまた別の色味になっているが、同様に問題はない。
R3は無線モデルである。正確にはハイブリッドで、有線接続も無線接続もできる仕様となっている。折角無線機能があるのだからと、無線で接続して使うのが基本であるが、無線接続の場合はRealforce Connectアプリが使えず、設定などをする場合は有線接続に切り替える必要がある。
今のところ、USBケーブルもそこに用意しておいて、それを接続して切り替え操作を行う。アプリで設定するなどして、再び無線に切り替えるときは、ケーブルを抜くが、この時自動的にスリープになるようで、電源ボタン操作によりBluetooth再接続操作が必要になるようだ。
問題はそのスリープで、初期値では、アイドル時間10分で自動的にスリープになってしまう。10分という時間は意外に短く、自分の作業としては特にYouTubeなど動画を閲覧しているとすぐに過ぎてしまう時間なので、見終えていざ操作しよう、全画面表示を元に戻そうなどとESCキーを打鍵しても反応しない。つまりそのたびに電源ボタン操作でスリープから復帰させてやる必要があり、これが少しのストレスになっている。
PCをシャットダウンやスリープにして離席する場合などは、HHKBもそうだが無線キーボードは意識的にオフにするので、それなら30分くらいの設定にして、あまりストレスなくキーボードがいつでもつかえるようにしておいても悪くないかもしれない。
ヒートマップ機能というのか、よく打鍵するキーを色分けして示す機能があって、これはまた面白い。AOUR入力方式で打鍵しているので、おそらく次の画像のように、普通のローマ字入力とは異なる色分けになっていると思う。これを見ると、五つの母音、ASDFGのキーと変換操作に用いるスペースキーの打鍵頻度が高いことがよくわかる。
APCに関しては、R2モデルのPFU L.Eから使っているが、快適に使えるのは2.2mmのポイントであるように思う。個別カスタマイズもしたりするが、ひとまずは等しく1.5mmないしは2.2mmの状態で使ってみている。
これが0.8mmのポイントだとやはりすぐ反応するような感じで、これが軽い打鍵感とも言えるかもしれないので、これからは変荷重でなくこのアクチュエーションポイントの変更で対応するというのも面白い。ただ、そこまで厳密に違いを把握できているわけではないが、最も深い3.0mmに設定するとやはりしっかり打鍵しないと反応しにくいということがある程度感じる。
自分はストロークが深いキーボードが好みだと思っていたが、このAPCの機能で見る限りは、比較的浅めのポイントのほうが快適なのかもしれない。
無線接続は4台まで登録できるので、もう1台のPCにも接続設定をしたが、キーボード自体が重いのでそんなに持ち運んで別の環境で使うということは頻繁にはしないつもりである。
接続設定は、HHKBとほぼ同じ方法だった。接続待機状態にして、PC画面に表示される6桁数字を入力してEnterを押下するとそれでペアリングされる。HHKBは、無刻印モデルでもあるので数字入力に実は苦労したが、Realforceではそんなことはないものの、Enterキーを押下するタイミングなどがうまく行かず、最初は何度か失敗した。だが接続設定さえされてしまえば、その後は特に問題なく安定して接続される。
その打鍵感は、HHKB Hybrid Type-Sで感じたような軽さにも近い感覚で、これがまたR2モデルより快適に感じる。R2モデルの等荷重のはPFU L.E.であるので、等しく比較ができないものなのかもしれない。
打鍵が快適だとタイピングも楽しく、すなわち文字入力が楽しくできるので、仕事に置いても長文で何か書かなければならないとか、頻度高く、何通もメールに返信をしなければならないとかもさほど苦にならない。静音スイッチのモデルの打鍵感は、一人で自宅で作業している場合は自分だけのものだが、会社では周りの者にも聞こえているはずなので、これがどう感じられているかは気になるところである。
周りには同じRealforceを使っている人などは通常、ほぼ居ないのでその独特の音がどう思われているのか、あるいは特に何も聞かれないところをみると、特に気になってはいないということなのか、どうなのだろうというところ。
気にして聞いてみると、他人が使っている普通のメンブレンのキーボードにおいても、それなりにカチャカチャと煩い音が出ているということもわかる。仕事においては、キーボードの音を響かせる方が快適なのか、それとも静かに打鍵するほうが良いのかは、これは人の好みにもよるところかもしれない。
会社のノートPCでは、外付けキーボードを自分で用意するなどして使っている人が多いと気付いた。本体のキーボードではなく、市販のUSB接続キーボードという意味である。それを使うということは様々意味があると思うが、多くは本体キーボードで不満があるからということに違いない。そういう人たちの多くは、フルサイズ、フルキーボードを選んでノートPCの手前に置いて使っている。すなわち、理由の一つはテンキーが必要だからである。
また、他に考えられるのは打鍵感だったり、ノートPCのキーボードで気に入らない配列があったりということもあるが、これは一人一人考えが異なるので、どういう理由なのかはわからない。
自分の場合は、打鍵感という点もあるが、一番はCtrlキーの位置の問題である。自分はAの横にそれがないとダメだと思うのであって、自宅PCなど全てそういう環境で使っていた。ところが会社環境では制限がかかって、管理者でなければその設定変更ができず、ハード的にAの横位置がCtrlとなっているキーボードでなければ、そのような要望を実現できないということになった。
そういうハード的に位置変更ができるキーボードで、自分が満足できるものとしてはやはりRealforceしかなかったので、会社でもJIS配列のRealforceを使うようになった。
それにしても、なぜRealforceなのかということについても述べておく必要がある。
そもそも、自分も当初はそんなにキーボードの機構や種類について興味があったというわけではない。というのも、ノートPCでは外付けのキーボードが普通にUSB接続で使えるということを知らず、本体キーボードと競合するので使えないと思っていたので、特にPCの取扱店などで並んでいるキーボードに興味を持たなかった。あれはデスクトップの交換用キーボードなのだとか、自作する人用のPCパーツとしてのキーボードなのだと、そういう程度にしか思っていなかったのである。
ところが、あるとき接続してみたら普通にそのUSBキーボードが使えたので、ノートPCとの配置の問題はあるものの、ノートPC本体よりももっと快適な環境を作ろうと興味を持ち始めたのがきっかけである。
当初は、普通に近くの家電店などでも入手できる一般的なメーカーの数千円程度のキーボードを接続してみて、ノートPCにはないキーボード環境というか、ただそれだけでPCがまるで新しくなったかのような感覚を楽しんでいたが、どうせならもっとちゃんとしたキーボードがないものかと探し始めて、メカニカルのキーボードから、静電容量無接点としてHHKBにも手を出して、最終的にその標準的なUS配列のものを使いたいと行き着いたのがRealforceであったというわけである。
従って、Realforceは最初からこれと決めていた訳ではなく、様々試して行き着いた結果でもある。静電容量無接点は、メカニカルと違い、チャタリングと呼ばれる二重入力の現象が発生しない。その他、国産の製品であることだとか、耐久性が高いことだとか、無論打鍵感も快適であったので、しばらくは他のキーボードと併用もしていたりしたが,最終的にはRealforceばかりを使うようになってしまった。他のキーボードとも比較して、一番はこれだな、という感覚が養われていった。
静電容量無接点としてはHHKBも同じであるが、打鍵感が少し固い感じがあったのと、特殊な配列には慣れたものの、やはり独立したカーソルキーなどがないと使いづらいと感じる面もあったので、標準的な配列を持ったキーボードであるRealforceのほうが使い易かったのである。
ちょうどその頃からRealforceも他の著名なキーボードと同様に注目されて種々のモデルがリリースされ、カスタマイズをするというのではないが、自分の手に合ったモデルが選べるようになったというところもまた大きい。
自分としては、その頃、そういうキーボードの選択と共に、和文入力の方式の選択も見直しを行って、これはローマ字入力からもっと効率の良い方式としてDvorakベースの入力方式へATOKのスタイルファイルのカスタマイズにより実装し始めたということとも相まって、キーボード環境、和文入力環境を改善する、そういう一連の動きの中というのでもあった。
その独自方式、AOURは2007年の年明け頃から。キーボードは2005年頃から興味を持ち始め、Realforceは2009年頃から使い始めたので、まさにそういう時期であった訳である。
US配列を使うようになったのもこの頃からで、プログラマーやその他、パワーユーザの多くがUS配列を選択しているということを知り、自分もその辺は多分使えるだろうと意気込んで、US配列を使うようになった。実は最初のUS配列はHHKBであって、これが特殊な配列であった面もあって、普通のUS配列を使ってみたいとの考えでRealforcを選んだ面もある。
US配列はJIS配列と比較してキーの配置のバランスが整っているので、IMEのオンオフなど幾つかのキー定義をIMEのキーカスタマイズ機能で調整することにより、JIS配列よりも快適に和文入力ができる環境に至るのであるが、それでもJIS配列は日本語入力のためのものという意識付けが皆されているので、中々US配列で最適な和文入力を実現しようと考える向きに至らない。
ともかく、自分はその頃からUS配列派になって、以降のPCはBTOでUS配列のモデルにもしたり、購入するキーボードは基本的にみなUS配列のものとなって、それもずいぶん時間が経過したので自分は入力はUS配列で普通に使いこなせるようになっている。
Realforce以前に、静電容量無接点のHHKBを使っていたが、なぜそこからRealforceにしたのかと言えば、前述のとおりHHKBの特殊な配列では不便なこともあったからである。
それならもうHHKBを使うことは無いのか、多分無いだろうと思っていたのだが、その後HHKBも進化してHybrid Type-S、そして当初から気になっていた無刻印モデルにも手を出してみたくて、後になってその無刻印モデルのHHKBを入手して、今度はこれも使うようになった。キーボードとしては実はそのHHKBが初めての無線接続のものであり、それもそれなりに、有線との差異を感じないくらいに快適であったのと、打鍵感が当初使っていたHHKBとは比較にならないほど快適であって、その快適さがRealforceとはまた違った柔らかい打鍵感であったので、そのHHKBもまた併用して、気分次第などで使うことにしたのである。
しばらくHHKBからは離れていたが、その特殊な配列はまだ指が覚えていて、無刻印キーボードであっても難なく使えたのである。
初めてキーボードを見たとき、こんなに沢山のキーをどうやって覚えて使いこなすのだろうかと不安に思ったものであるが、使っているうちにやがて高速に入力ができるようになり、ブラインドタッチも習得した後は、もうどんなキーボードでも配列が同じなら使いこなせると思ってやってきた。
それから何十年か過ぎて実際その通りになっている。PCも何台も、キーボードも何種類も使ってきたが、もう自分にとってはキーボードは鉛筆などの筆記具と同様に、指の延長の一部かというくらいに、文字入力を媒介するものになりきっている。
Realforceキーボードは、普通のキーボードに比較すると高価である。自分としては、ちゃんとしたキーボードはそのくらいの価格がするのは普通だと思っていて、一般的にいう普通のキーボードは、何だか玩具であるかのようにしか思えない部分もある。
APC試し
RealforceのR2モデルの一部、R3、R3Sの全モデルにはAPCという機能が備わっている。
アクチュエーションポイントチェンジャーと言って、キーの反応点を調整する機能で、深く押し込んだ点で反応させるか浅い時点で反応させるかを、一斉又は個別に設定できるというものである。
R3/Sキーボードでは、0.8、1.5、2.2、3.0の四つの反応点を調整できて、R2では1.5、2.2、3.0の三つである。
R2で導入された当初は、ここまでの機能が必要なのかと思ったが、最近になってこれを調整してみると、ほんの僅かに快適性が増すような感じもあって、その設定を見直したりしている。
全体押下の深さが4.0mmのキーストロークで数値だけ見ると違いはありそうだが、0.何ミリの違いでもあって、敏感に体感できる人はおそらく少ない。正直なところ、自分も一番深い反応点の設定と一番浅い反応点の設定とで何となくその違いがあるように思う程度で、そんなに厳密に違いがわかっているわけではない。
一般には、しっかりと打鍵したい場合は深めの反応点が良く、高速に打鍵したい場合などは浅めの反応点が良いらしい。R3では初期値は2.2mmで、これがRealforceにおける標準の反応の位置ということになっていて、この反応点で満足できない場合に、設定を切り替えたり、カスタマイズした個別設定を使ったりする。
自分もその標準の2.2mmの反応点で十分満足できるのであるが、より浅く設定した方が軽く高速に打鍵できる気がして、浅い反応点にしたりしている。
全キー一斉に設定できるほか、キー個別に反応点を調整したりもできるので、変荷重を模して、小指キー側の反応点を浅くして、薬指が担当するキーはその次に浅くして、など自由に調整して、その設定をキーボード本体に記憶させておいて切り替えて使う。
結局一番良い設定はどれなのかは今のところは微妙ではあるが、この疑似変荷重型の設定が何となく、一番良さそうな気もしている。
それで設定してみて、一番しっくりと来るのがどれなのかというところである。実際にはそういう個別設定ではなく、等荷重的に一斉に全てのキーの反応点を同じにした方が、感覚的に調整しやすいのかもしれない。
キーボードと和文入力
初めてのキーボードは当時のワープロ専用機のキーボードで、こんなにたくさんのキーの打鍵を両手の指で自由に、しかもキーボードを見ずに打鍵できるようになんて一部のプロの人しかできないだろうと思っていたが、やがてローマ字入力でそれなりに高速に打鍵ができるようになると、自分もそのブラインドタッチができることが目前に迫ってきた。
キーボードを見ずに打鍵できるということは、キーボードから視線を外してもいいわけだから、例えばテレビを見ながらでも打鍵ができて、それで文字入力ができるのだという想像があった。まだその頃はそのようなブラインドタッチができるのが当たり前という時代でもなかったから、それができるのはPCやキーボードの利用においては憧れの領域でもあった。
ブラインドタッチは、ほとんど独学で習得したが増田忠氏の書籍でその方式で練習して覚えて、標準的なブラインドタッチができるようになった。今でもその方式を踏襲して、運指については自分は標準的なものだと思っている。
習得した当初からしばらくは周りでそのような技術を持っている者は少なく、割と重宝がられたり、希にはそれが凄いと思われたりもしたが、やがて多くの人がその技術を習得してきて、さほど珍しいものではなくなって来ると、ブラインドタッチ自体が珍しがられることもほとんどなくなった。
それでも、同世代で比較するとこのような打鍵のスキルを持っている人はそんなに多くないはずで、周りを見れば皆割とキーボードの盤面によく視線を落としながら打鍵しているので、その点はまだ、より若い世代の分類に入れてもらっても良いように思う。
それにしても当初はこんなキーボードでどうやって簡単に和文を入力するのかと不思議に思った。かな漢字変換という方式を知らず、1文字1文字、タイプライターで入力するような感覚で文字を入力しているのだと思っていたからである。それにしてはそんなに高速に入力ができるのだろうか、そのかな漢字変換を知ったときも、日本語の語彙は相当数あるのだから、これを全部辞書に詰め込んであるというような、そんな凄いことができているのかと疑問に思ったくらいである。
当時のワープロはそれでもずっと語彙は少なく、変換できる語、特に固有名詞などは中々変換が出来ずに皆辞書に登録してやる必要があったが、それでも普通に文章を入力したら変換候補が出て、知らない語や知らない表記などまで表示されて、寧ろこれで国語力も変わってくるとさえ思ったものであった。
US配列へ
自分はいつしかUS配列派となっている。JIS配列のキーボードも使わざるを得ないのでそれも使うが、自分が自由にできる環境においては全てUS配列であって、US配列以外では快適に入力できないと言っても良いくらいである。
なぜUS配列派なのか。一般的にはそもそもUS配列を使っていたから、US配列でキーボードを習得したから、会社のPCがUS配列だから、という理由をもっている人が大半である。だが自分は、US配列は後発で、そういう理由ではない。
キーボードの世界においてUS配列を使っている勢が、その利点を強調していた面もあるが、そういう人はいわゆるパワーユーザ、プロ的な人たちが多かったことで、自分もそのような領域に触れてみたいという欲求から、US配列を使うようになったのである。
初のUS配列は実はHHKBで、当時HHKBはUS配列のほうがメインであり、これを使ってみたかったという面も大きい。
様々心配はあったが、そもそも打鍵には少しの自信があったのと、基本的なアルファベット部分の配列は同じという点で、さほど大きな苦労はないだろうと、HHKBを使い始めたのであった。
最初の頃はノートPC本体のJIS配列と、HHKBを接続したときの切り替えを毎回行っていてそれが面倒ではあったが、基本的には記号の配列の違いなどもさほど大きな困惑には至っていない。キーの形状の違いは寧ろJIS配列のそれより歓迎すべきものであったので、そこは何も問題が無い。
一番の問題はIMEのオンオフ切り替えだと言われるが、これはCtrl+Spaceに割り当てることにして、以後今もずっとその設定である。この設定は、単一キーほどではないにしても、CtrlキーをAの横にした状態ではホームポジションからほとんど手を動かさずに切り替えられるため、寧ろ標準キーよりも便利であって、これはJIS配列においてもそのように設定して使うようになった。Windows以外のOSでもこれが標準の切替キー定義になっているものもあるようで、理に適っている。
US配列はEnterキーが小さいなどともいわれるが、これもホームポジションにJIS配列より近く、打鍵しやすい。頻度高く押下するキーなので、これもむしろJIS配列より良い。同様に訂正などでよく使うBSキーが大きいのも有り難いし、スペースキーが大きいのも変換操作で多用するのでこれもまたUS配列の利点であると思う。
後付けで気付いた点としてはそのせいでホームポジションがキーボードのメイン部分の中心になっていて、配置のバランスが良いという点もある。
記号の配列の違いも、全く苦にならない違いであるのは、自分がそんなにそういう記号を多く使わないからかもしれない。ただ、HHKBで当初覚えたときは、墨色モデルで刻印が見えづらく、少し苦労したかもしれない。
そのようにしてUS配列にはそんなに時間を掛けずに慣れて、使えるようになり、以来ずっとUS配列を使うようになった。無論今もUS配列のキーボードでこれを書いている。
しかしやはり、国内にはUS配列のユーザは少ない。
普通に仕事をする人、文章書き中心の仕事をする人はほとんどJIS配列である。プログラマーだとかそういう、どちらかというと理系の仕事をする人の一部でUS配列が使われているという印象であるのだが、上述のとおり、和文入力においてもUS配列は合理的な部分ばかりであると思うので、寧ろ万人がUS配列をもっと選択して良いと思うのである。
国内メーカーがどんどんPC関係から撤退している昨今、US配列にキーボードが統一されている方向などがあれば、メーカー側としても効率が良いのではないか。海外由来の機器が増えているので、少し先にはUS配列が標準となる可能性もないわけではないと思う。
また、かな入力のユーザも減ってきているので、そうなるとJIS配列である必然性も薄れてきている。
JISかな入力は、ワープロ専用機の時代など、キーボード黎明期ではむしろそのほうが入門に適していたこともあり、その入力方式のほうが標準だったと思うが、今はローマ字入力が圧倒的首位となっているので、かな刻印を不要と思う人が増えている。
キーボードにおいてもかな刻印が無いキーボードも少しずつ増えている。
ローマ字入力は、よく母音と子音と二つのキーを押下しなければならないので面倒だとも言われるが、その分習得すべきキーが少ないという利点、完全に習得してしまえばJISかな入力と入力速度の差はそんなに生じないことなどで、次第に普及して今はそれが標準になっている。おそらく、今の時代、あえて理解してそうするか、高齢者など一部を除いてはかな入力を新たに覚えるという意義はあまり無いものと思われる。
R3で1週間
Realforce R3を導入して約1週間が過ぎた。R2のキーボードも引き続き別PCで併用しているが、メインのPCではR3、無線接続である。
新しいキーボードはやはり快適なのか。古いキーボードでも快適ではあるが、新しいほうがやはり快適なのか。
現時点での結論としては、極めて快適であると言える。R2のモデルがPFU版という違いもあるかもしれないが、R3の同じ45g等荷重はずっと軽く快適に感じ、打鍵音もやはり同じ45g等荷重のHHKBにもにたコトコトという静音の感じで、これが快適である。これは個体差なのかR3だからの違いなのかまではわからないが、ともかく快適である。
静音キーはあまり好まないと言う人も少なくないが、自分はこのほうが快適である。周りへの配慮ができるという面もあるが、この静かな打鍵音は落ち着きがあって寧ろ高級感もあるように感じる面がある。
ただ、豊かな打鍵音で確実に打鍵したことを悟るという、そういう通常スイッチ派があってももちろんそれはおかしくはない。通常スイッチであってもそんなに煩いという程の打鍵音でもない。
無線接続である点に関して、接続の維持などに関しては特に問題はない。遅延なども自分の使い方の範囲の中では全く感じることはない。
ただ、当初10分でスリープになってしまって、動画閲覧時など頻繁に電源ボタン操作が必要だった点は不便であって、これを30分に設定することで、とりあえずその問題は解消している。
それにしても、新しいキーボードというか、打鍵感の良いキーボードの存在は、やはり嬉しい。何か打鍵して文字入力、文章入力を積極的にしたくなるものである。時期をほぼ同じくして会社用キーボードも同じスイッチのRealforceを導入したが、これもまた何か長文を入力したいと思うものの、そういう時に限って、そういう仕事が生じなかったりもする。ただやはり、そういう仕事の量の違いがあっても、目の前にRealforceがあるのだと思うだけで、やはりモチベーション的なものは十分に向上する。好きな筆記具を持ち歩いて、それを使うという、そういう感覚とだいたい同じである。
自宅においては、自分の裁量でこのような長文を自由に入力できるので、これはこれで引き続き、良いと思う。結果的につまらない動画ばかり見て時間を費やしてしまうよりは、生産性が高い。
独自の和文入力方式
これもまた何度も同様のことを書いている内容である。
自分はそもそも、本当に当初はかな入力で覚えようとしたが、ローマ字入力という方式があって、それが使えることを知り、ローマ字入力をするようになった。かな文字のローマ字への変換は、単純で、既に日常的にそういう作業をしていたので何の苦もなかったのが幸いしたかもしれない。
ローマ字入力で初めての、ワープロ専用機のキーボードを習得し、入力速度も次第に上がっていった。
やがて自分専用のワープロ専用機を使うようになってからは、更に打鍵に磨きもかかり、気付けばそれなりに高速に打鍵ができていたので、これもまた自分で習得してブラインドタッチができるようになった。
ブラインドタッチへの切替は、増田忠氏の書籍を参考にしてそれに基づいて練習したわけだが、打鍵する指を決めてやることと、あとはホームポジションの維持、それ以降はともかく1日少しずつでも練習するということであった。それで、割と短期間でブラインドタッチに移行することができた。
そうしてブラインドタッチでローマ字入力をすることが自分のキーボード入力のスタイルとして仕上がった。それ以上の入力方式があるというのは知っていたが、かなり特殊なことをしなければならない点がネックとなって、それ以上どうこうしようという気は、その時は起きなかった。
それから10年ほどが過ぎて、もっと効率の良い、少し特殊な方法を調べつつ、比較的簡単にそれができそうな、AZIKという方式を知り、それをATOKに実装して、その方式を使うようになった。
全てそのAZIKで、拡張入力というものを知り、普通のローマ字入力よりも、これだけでずっと快適になったのだが、再び様々調べているうちに、もっと効率が良いというACT、Dvorak配列ベースのそういう拡張入力方式を知り、これが実装できないかと探し始めた。
しかしさすがに配列全体が異なるものとなれば、その実装方式も特殊にならざるを得ず、AZIKのように簡単ではなかった。
それでも何とかATOKで実装する方法はないかと考えてみれば、もう一部の配列をATOKの制約に合わせてでも、それで実現するしかなかったので、ACTを参考にしながら、あるいはDvorak配列をベースにしながら、一部キー位置の置き換えなども行って実装方法を考えたのがAOURである。
AOURは、AZIK同様にATOKのスタイルファイルをカスタマイズする形で実装できる。後に、Google日本語入力など他のIMEでも実装する方法が考えられた。
そうして実装した独自の入力方式、AOURはやはり入力効率が良く、多くの拡張入力を備えてローマ字入力よりも17%程度の打鍵数減となっている。
打鍵数が少ないということは、かな入力の例と同様にその分高速に入力できるということでもあり、年齢に従い速度が低下してくるはずの打鍵速度にも一定の歯止めとなっているのではないか。
ともかく、その独自の入力方式を使うようになってもう15年以上が過ぎて、20年近くなって、完全にその方式でしか打鍵しない状況である。
基本的には行段系の入力方式であるから、ローマ字入力の柵から脱せない部分もあるわけだが、それでもいいとこ取りをしている面もあり、結果的に最も快適な方法が手に入ったと思っている。
入力方式の変更は、万人に勧められるものではない。ある程度キーボード入力のスキルがあって、方法を変更してでも快適に利用したいという人にしか向かない。
あるいは、全くの初心者にもAOURはおすすめしたい部分はあるが、全くの初心者は最初は普通のローマ字入力から入らなければこの先不便な世の中になっているので、まずはローマ字入力を習得してもらって、それで更に余裕があればこの方式を覚えて、移行してもらうということでなければ、習得のリスクは大きいのである。
製品の取説
誰もがその機械やデバイスを普通に扱えるようになると、そういう操作に関しての説明は省略されるのが普通である。車の取説に運転の仕方は書いていないし、自転車だって乗り方など書かれていない。パソコンのマウスだってマウスの基本操作など、もうどこにも書いていないし、キーボードも、打鍵の基本のことなんてそこには書かれていない。
つまり、キーボードはもはや誰もが何も見なくても普通に扱える機器に位置付けられている。
今時キーボードの使い方で困っている人は見たことがない。もちろん、標準的なものではない、特殊な機能に関してということではなく、普通の文字入力に関してという話である。普通のキーボードも普通でないキーボードも、たいてい、普通の人は普通に文字入力ができる世の中なのである。
その普通の入力方式は、たいていローマ字入力である。これも、キーボードにローマ字入力の一覧表などは付属していない。そういう一覧表は初心者向けのパソコンの基礎の説明部分の中に、あるかもしれないし、ないかもしれない。
既にPDFでの提供だけになっているATOKのマニュアルには、巻末にローマ字・かな対応表が付いている。少なからずこれからほとんど初めてキーボードに触れるという人、あるいは特殊な音の入力の確認のためだと思うが、それがある。
キーボードサイズとテンキー
だいぶ以前は、キーボードと言えばフルキーボードというのが当たり前で、これ以外のサイズのキーボードは、そんなに選択肢がなかったように思う。だが気付けば今は、フルキーボード以外にも、様々なサイズが出ている。
そもそもフルキーボードとは、メインキーのほか、上部にはファンクションキー、その右横にはカーソルキーやDELキーなどの部分、更にその右にテンキーが付いて、すなわち全てのキーが揃っているキーボードのことを指す。
それからテンキー部分を削ったものがテンキーレス、さらに矢印部分とファンクションキーを除いて最小限にしたのが、60%キーボードなどと呼ばれる。60%キーボードの代表的なものはHHKBである。
さらに今では、この最小の60%に1列追加した65%とか、そういう派生型のサイズも多く出てきた。
一体どのサイズのキーボードが一番良いのかは、その人の使い方にもよるところである。普通の事務仕事、広めのデスクで使うなどの場合は、テンキーのついたフルキーボードが一番良いと思う。数字入力には、その分量にもよるもののテンキーは必須、テンキーがあると格段に数字入力がし易くなる。
一方で、そんなに数字入力はしないが、ゲームやプログラミングなどが中心という場合はテンキーレスキーボードが良いかも知れない。もっと究極に、とにかく指の動きを最小限で完結させたいという場合は60%キーボードがその選択肢となると思われる。
フルキーボードは、メインキーが左側にあるために、正面においた場合は配置のバランスが良くない。通常右に置くマウスまで、右手の移動距離が大きく、作業によってはこれが疲労の原因にもなりかねない。
一方で、60%キーボード、HHKBはUS配列版ではカーソルキーがなかったりして、機能キーがFnキーとの組み合わせである場合が多く、相当使い慣れないと逆に不便を感じるかもしれない。
自分はつまり、テンキーレスのキーボードが一番良い選択だと思っていて、ここしばらくは自宅ではずっとテンキーレスのキーボードを使っている。数字については、上段の数字キーがあるので間に合うし、カーソルキーもあるので、一般的な作業においてもこれが便利であるからだ。
さらに、文字入力だけに集中したいような場合においては、HHKBのようなコンパクトな60%キーボードでも十分で、寧ろこれのほうが快適だと思うようなこともある。
テンキーレスキーボードでの不便は、もちろんテンキーが無いこと。60%キーボードでの不満は矢印キー・カーソルキーがないことである。
矢印キーは、その作業により必須であると思うような場合もある。ゲームなどでの画面遷移では必須で、これはFnキーとの組み合わせでのカーソル移動操作はかなりつらいかもしれない。
テンキーレスキーボードが最良であっても、やはりテンキーが必要と思うこともあり、このところ自分は独立したテンキーを別に用意して、それをテンキーレスキーボードの左側に配置して使うようにしている。
これなら、テンキーも使えるし、メインキー部分もバランス良くモニターの中心部分に配置することができるからである。
同じ使い方、配置をしている人は少なからず居ると思うのであるが、なかなかこれが標準化してこない。本来右手にあるテンキーを左手で操作するのは、新たな慣れも必要になってくるかもしれないとしても、メインキー部分が中央に配置されるキーボードというのは、多分、あっても良い。
すなわち、左からテンキー、メインキー、矢印キー、の部分の配置になっている、左手テンキーのフルキーボードである。このようなキーボードが、今はほとんど選択肢がない。
もしそのような左手テンキーフルキーボードが一般化したら、おそらく自分はそのキーボードを選ぶのではないかと思う。
そういうキーボードが一般化するというのは、大手メーカーや人気のあるブランドのキーボードでその形状のキーボードが発売されるということである。一般化すると、他のメーカーもその形状のキーボードを出してくるので、市場に一気にその左手テンキーフルキーボードが出回り、おそらくそれの便利さに気付いて多くの人がそれを使うようになるのではないか。
それまでは、自分は左手用に独立したテンキーをテンキーレスキーボードの左側に配置して使うことになると思っている。
さてそのように使うとして、テンキーも本当はメインキーボードと同様に拘りたい。たとえば今のところテンキーもRealforceを使いたいと思うが、かつてあったRealforceのテンキーは廃盤となっているようで、Realforceのテンキーを新たに使いたい場合は右側テンキーの普通のフルキーボードを選ぶより他にない。今はまだ廃盤前に購入したそのRealforceのテンキーがあるので、それを当面は使える。
また、メカニカルスイッチのテンキーならFILCOなどからそれが出ているので、それを選んで組み合わせて使うという方法もある。
要するに、今は、そのくらいしか良質なスイッチのテンキーがないので、何とかそれを選んででも、テンキーとメインキーを組み合わせて使うべきではないかと思う次第である。
文字入力の基本
これだけスマートフォンやタブレット端末が普及して、パソコンよりそれらを使う方が一般的になったとしても文字入力の基本はやはりハード的なキーボードであって、これはこの先も当面変わらない。以前から音声入力がそれに取って代わるなどとも言われていたが、入力の正確性や高速な入力ができることにおいては、やはり普通のキーボードのほうが格が上であるに違いない。
自分もまだフリック入力、フラワータッチでの入力は中々慣れない部分があって、スマートフォンでは長文入力は極めて難しく、何か文章をきちんと書かなければならない場合はPCのキーボードで打鍵してPCで入力しなければ効率が悪い。効率が悪いということは、満足に文章を書けないということでもある。
キーボードなら何でも良いというわけではない程に、様々な好み、様々なカスタマイズがされているものであるが、やはりそれ以外のデバイスで完全なる入力をすることは難しいのである。
キーボードでの文字入力は、要件にもよるがそれなりに高速に打鍵はできる。単純比較なら1級程度の速度も出ると思う。なので、長文入力においてもそれが苦になることはない。
キーボードを覚えたての頃は、周りに同様に打鍵できるという人は少なかったので、重宝がられたり、驚かれたりもしたものだったが、今ではキーボードを使えるのがむしろ当たり前になっているので、それで驚かれるというようなことはない。
ただ、同年代の平均からすると、ややそれなりにキーボードはきちんと使えると思っている。自分の年代では、きちんと正確な打鍵をマスターしている人は少ないイメージで、ブラインドタッチもあまりできないという人が少なくない。学校ではきちんとタイピングを習わなかった世代である。
今の子供らは、タイピングは習うと思うが、ブラインドタッチまでは習得しない。スマホやタブレットなど、キーボード以外の入力環境もあるので、キーボード打鍵ではそこまでスキルとして求めないということらしい。
もちろんそれはそれで構わないのであるが、キーボードを使った入力のスキルにおいては目標となるのが、そのブラインドタッチであるわけなので、ただ文字入力ができるということだけではなくて、そこまで目指してほしいものである。
無線キーボード
マウスと同様に、一般にはキーボードもUSB又はBluetoothの無線接続がもはや当たり前になっているのであろうけれど、自分はこれまでほとんど有線接続のキーボードばかりを使ってきた。RealforceがR2世代まで有線モデルしかなかったというのがその主な理由である。
マウスの時と同様に、無線にすると電池持ちの問題だとか、あるいは反応に遅延が発生するのではないかとか、接続が切れることもありそうだとか、Bluetoothに至ってはWindowsが起動されていないと使えない仕様であるから、そのことでの不便がきっとあるだろうという危惧もあって、加えて愛用のRealforceが有線モデルしかなかったことが大きなきっかけで、つい最近まで無線キーボードを使うことがなかったのである。今でも業務用や会社などで使われるPCのキーボードは有線が当たり前でもあるので、その点もまたあった。
それでも、RealforceもR3シリーズになって無線接続のモデルが出てきたし、HHKBもHybridモデルで無線接続が出て、あるいはそんなに遅延などの問題は報告されずに快適だということなので、Realforceよりは先にHHKBを更新して、初めて無線接続のキーボードを使ったのである。
結果、やはり言われているとおり、特別の問題はなかった。最初のペアリングではただケーブルを接続する場合と異なり少し手間はかかったものの、接続・ペアリングさえできてしまえばあとは問題なく、普通の有線キーボードと同様に快適である。
そんなに複数の環境に接続して切り替えたりするわけではないが、それでも幾つか接続先を登録できるというのは便利であり、持ち運びも容易であるので、別の環境でももちろん使い易い。電池の持ちも、そんなに悪いというほどでもないように感じるが、放っておいて動画閲覧などしているうちに勝手にスリープモードになったりして、それで復帰のために電源ボタンを押したりしなければならなかったりするのは少し面倒ではある。
Realforceな1日
会社PCのキーボードもRealforceにしたせいで、Realforce以外のキーボードを全く触らないという日が続いている。毎日、キーボードの打鍵による文字入力は全てRealforceの45g静音スイッチなのである。
少なくとも現時点では、キーボードの最上級は自分はRealforce、あるいはHHKBだと思っているので、最良の環境を毎日それだけつかっているという感触はある。
世界には様々な打鍵感のキーボードがあると思うが、多くの人がこれを使ってこれが最良と評価をしているので、これが最良と言っても問題はなかろう。
その昔は、キーボードにより文字入力ができるというだけで、それだけで満足であって、キーボードの打鍵感よりも配列がどうというほうが気になったものであったが、様々使ってくるうちに、こっちよりはこっち、という選抜が進んできて、自分の中ではRealforceやHHKBの静電容量無接点のスイッチが最良になった。行き着く頂点と思って、現時点では間違いがない。これ以上の極上は、当面考えられないということである。
何がいいのかという指標は様々あるが、よく言われているキー打鍵音の静かさや指に吸い付くような感じということの他に、キーボードのブレがないという点もある。キーボードの表面を撫でてもカチャカチャという遊びがある、そういう音がほとんどしない。これは、キーボードのどの部分を押下してもきちんと押下されるということでもあり、詰まりはミスタイプがそれだけで少ないということでもあると思える。
一般的なメンブレンのキーボードは、この遊び部分が大きく、そもそもメンブレンは底打ちをしなければ反応しないので、どうしても強く打鍵しなければならない、そういう打鍵の仕方になってしまう。その分しっかりと打鍵ができるという考えもあるが、長期的に、あるいは長文入力という面で考えると疲労がより少なくなる、軽いタッチでの打鍵ができるRealforce/HHKBのスイッチはやはり、ずっと優秀である。
電池式
RealforceもHHKBも、無線接続の場合の電源は乾電池である。リチウムイオンなどの充電式電池ではない。これは長期使用を想定して、キーボードより先に電池が劣化して使えなくなることが無いようにということと、入手しやすさということが考えられているとのことである。
電池の持ちについては、良し悪し様々の意見があるところであるが、自分としては今のところその持ちは十分であると思っている。もちろん使い方に左右される分はあるとしても、頻繁に交換しなければならないようなことはなさそうである。
もちろんこれはどのくらい使うかという点によるところでもあるわけだが、毎日1、2時間程度かもう少し使う程度では、半月使って電池の減りは7%というところであるから、自分の使い方では2、3ヶ月くらいはこのまま使えるのではないかと思っている。
それだけ使えるなら、電池持ちが悪いという印象はない。自分の感覚では、月に1度くらいの交換ということになれば、少し頻度が高いかなという感じではあるが、まだ我慢はできる。それ以上の頻度ということであれば、やや頻度が高いということが言える程度である。
マニュアルにも、アルカリ乾電池使用時の目安として3ヶ月とあるから、概ねそれで間違いは無いと思う。余程、ずっと使い続けていたらこれより早く消耗するのは寧ろ当然ではある。
通常のアルカリ電池が良いのか、eneloopなどの充電式、ニッケル水素電池が良いのかまではきちんと比較はできないが、ここは基本的にはどちらでも良いような気がする。アルカリ乾電池より電圧の低い充電池だとそれより早く消耗する可能性もあるのではないか。ただ前述のとおり持ちは悪くないと思っているので、充電式の電池だとややコスト高ということになるかもしれない。
RealforceもHHKBも、使うのは単三電池2本であって、製品には富士通の電池が付属している。PFUが富士通系列だということに関連しているとは思う。
今でも無線マウスも乾電池式のものが多いのかもしれない。高価なマウスになれば組み込み済のリチウムイオン電池ということになる。
無線マウスが出た当初も、製品によっては電池の持ちが異常に悪く、すぐに交換しなければならないという点が大きなマイナス点ということで言われていたが、自分がそれらを使うようになって、Logicoolのマウスなどにしてからは、そんなに頻繁と言うほど交換しなくても大丈夫なほどの電池持ちではあって、特にそれを気にしたことはない。
ただそのこともあって、今でもキーボードもマウスも有線式のほうが良いという、そういう人も少なくない。頻度は低くても、いざ使おうとしたときに使えなくて交換作業を強いられること自体がストレスになるのだそうである。
US配列で和文入力
このテーマもこれまで何回も書いているが、それにしても、やはり和文入力・日本語入力のためにはJISキーボードが最高と思っている人がほとんどである。変換・無変換キーやIMEの切り替え操作ができるキーがあるから、というのがその主な理由である。
US配列には、それらのキーはないのだが、IMEにはそのようなキーを任意のキーに割り当てられる機能が備わっているのが普通である。ATOKはもちろん、Google日本語入力もMS-IMEもそれができる。
好きなようにカスタマイズして使えば良いと思うのだが、このカスタマイズをする事自体に大きな抵抗を持っている人が、やはり少なくない。
おそらく、カスタマイズをすること自体が面倒という考えもあるだろうが、それをすることによって、後で何か不具合が生じたり、元に戻せなくなってしまったりということを恐れているように思う。
初心者ならばそれで仕方がない。
意欲があれば、カスタマイズをしてでも、より快適な入力方式を使うということは厭わないくらいの人でなければ、US配列は使いこなせないのかもしれない。
自分はどうだったかと言えば、自分の初めてのUS配列はあの特殊な配列でもあるHHKBだった。本当に最初はその不便さも感じなくもなかったが、それはすぐに慣れて、US配列でも十分に和文入力ができるし、US配列の利点が活かせて快適な和文入力ができるのであるから、これならJIS配列より快適かもしれないと思って、以後のキーボードは全てUS配列のものを選ぶようになったのである。
文系の人というか、ライターなども含めて文章を書く仕事をする人でも、キーボードにこわだりをもつという人でも、その分野の人にUS配列ユーザは多くなく、たとえばRealforceでもみな大抵JIS配列のモデルを使っている。JISかUSかは、今やもう良し悪しではなく、「好み」ということに落ち着いているが、それにしてもやはりJIS配列のユーザのほうが圧倒的に多い状況に違いは無い。
RealforceはおそらくJIS配列のユーザが多く、しかしながらHHKBにまでなればUS配列のほうのユーザが多いというような状況であると聞く。
実際、自分もずっと、もう10年も15年もUS配列を使っていて、プログラミング的な作業はほぼせず文章入力が中心の使い方であるが、US配列のほうが快適である。普通のローマ字入力ではなく、独自の入力方式を使っているという面もあるかもしれないが、それでも配置のバランスとか、キーの形状、ホームポジションから打鍵しやすいようになっている面については、この上ない配列だと思うわけである。
とは言っても、自分も仕事ではUS配列は選べないので仕方なくもJIS配列を使っている。不便と思う面も逆にあるが、それでも基本的な部分に違いは無いので、そのほうであってもだいたい問題なく使えている。この作業がUS配列の自宅のキーボード環境で行えたらとは毎日思っていることではある。
周りのRealforce
会社で他にRealforceを使っている人も、実は居る。自分はつい最近まで、会社では普通のキーボードで我慢しようと思っていたほうなのであるが、どうしてもCtrlキーの位置が標準位置でしか使えない制限であることに我慢がならなくなって、その部分がハード的にカスタマイズ・変更できるキーボードということで探せば、どうしてもRealforceという選択に行き着くので、そうしたのである。
先人は、やはりRealforceのキーボードの打鍵感が好みだとか、単なるガジェット好きで私物周辺機器を持ち込むのが好みだとか、そういう人たちであって、もちろんその種の趣味はある人には違いないが、最初はここでもこれを持ち込むかと思って羨ましく思っていたものである。
だが上述のとおり、自分もいざRealforceを使いましょうということになった際に、最上級のRealforceまでは必要ないにしても、有線モデルで十分であるにしても、会社用としてはテンキーのあるフルキーボードでなければ少し不便なこともあって、R3SのJIS配列、静音スイッチを要件に、それに該当するモデルを選んだのである。
それまで、適当にあったフルキーボードを使っていたという点からスムーズに移行できることというのも、少し考えた。
先人は、テンキーレスで、思えばその先人は以前もRealforceを持ち込んでいて、割と古い、初代モデルの頃からそれを好んで使っている風である。特別、深くそれについての話はしていないが、もう使っているモデルを見ただけでそういう拘りがあるのだろうということがわかるので、それ以上の話をすることはほとんどない。
自分もついに真似をしたと思われるのは少し癪でもある。
会社でいざRealforceの静音モデルを使ってみると、他の人のキーボードよりもずっと静音であるということに気付く。他の人はこの打鍵音を聞いて、これは何のキーボードなのだろうと興味を持つのだろうか、あるいは特に、静音であるが故に気付かぬものなのだろうか。
Realforceは、自分はR2以降、静音スイッチのモデルを使うようになってから、Realforceはもう今後はこれだと思って全て静音スイッチのモデルを使っている。この感触が気に入らないという人も少なくないかもしれないが、自分は静音スイッチのモデルのほうが打鍵感も快適で、むしろ高級感もあると思っている。
Realforceをほとんど知らない第三者が、この人も自分もRealforceなるキーボードを使っているので、これはどんなキーボードなのかという問いがあるかもしれない。
そういう場合は何と答えるべきなのか。まあ自分で調べてもらえばすぐに回答はできあがると思うのだが、一言で言えば打鍵感が最上級なキーボードという説明になるのだろうか。自分の場合に限っては、Ctrlキーの位置をここに変更したいので、それを考えた場合の選択として、このキーボードになるのだという点だろうか。
良いキーボードのユーザ層
職業的に、多くの打鍵をする人というのはそれなりに沢山いると思うが、その全ての人がRealforceやHHKB、或いは耐久性の高いメカニカルキーボードを使っているというわけではないと思う。職業的に打鍵する人でも会社で支給されたPCの、一般的なキーボードを使っているという人のほうが寧ろ多いように感じる。
打鍵に拘りたいとか、このキーボードではダメだという一部の人が、私物などを持ち込む形でRealforceなどのキーボードを使っているのではないか。
一方で在宅勤務が主となっているような人は、自分でキーボードなどの環境を選択することができるので、こういう場合はより積極的にそのようなキーボードが選ばれる傾向があるかも知れない。
そういう良いキーボードの主なユーザ層は、そういう実務でキーボードを多用する人というよりは、ガジェット的なものに興味を持つ人だとか、PCの自分の環境をより改善したい人など、本務的にキーボードを多用するというよりは趣味的に多用するという人のほうが、ある意味多いのかもしれない。
自分もどちらかと言うと、もちろん後者の方である。生産性を求められる文章を書くのではなく、会社では一般的な事務用途として、自宅では趣味的な文章を入力するのに主に使うキーボードである。
しかし、どのような用途であっても文字入力をするからには良い環境を構築するのは決して悪い事ではないのであるから、最上級のキーボードを使うということは何も問題が無いのである。
1まとめ
キーボードによる文字入力は、今や手書き以上に文章書きの基本になっている。筆記具に拘るように、キーボードと文字入力の環境にも拘るべきである。
キーボードは、打鍵感の優れたものを選ぶことで、ストレスなく入力作業を行うことが出来る。一般的なキーボードと比較すると高価にはなるが、メカニカル機構や静電容量無接点の機構を持つキーボードの打鍵感が優れている。耐久性が高く、キータッチも柔らかいなど、ミスタイプが少なく快適に打鍵が出来るように設計されている。キー形状や配置バランスに優れたUS配列も選択肢としてある。
一方で和文入力をするためのソフトウエア部分にも拘りがあるべきである。WindowsではMS-IMEが一般的だが、ATOKやGoogle日本語入力など、もっと様々にカスタマイズなどができて変換効率も向上させられるIMEがある。究極的にはローマ字入力ではなく、もっと効率のよい入力方式を実現させることも視野に入れるべきである。
このような入力方式もさまざまな提案があるが、行段系の入力方式では拡張入力、二重母音等にもキー定義を割り当てて、打鍵数を少なくし、入力作業時の疲労の軽減に繋がるようにしたものなどが良い。
文字入力のためのIMEのほか、それを何のアプリケーションで書くのかということにも拘りはあるべきである。最も一般的にはワープロソフトとしてWordが使われるが、古くから使われている一太郎のほうが機能的には高く、文章を書くための環境が様々一気に構築できる。さらには、高機能なテキストエディタを使えば、配色やキー定義、画面構成などがだいたい自由にカスタマイズできるので、自分に最も都合の良い環境が構築できることになる。
一太郎は和文で書かれる文書の作成に特化した面があり、我々の文化に馴染みが深い。既にワープロ専用機の使い勝手を求める向きはないとしても、その方向性としては共通点が多く、無理に何でも舶来の文化に合わせないためにはこの選択が望ましい。