普通のキーボードは、キーの隙間に埃やゴミが入り込みやすいというのは誰でもわかるのだが、その対策は意外とされていない。多くの場合、使わないときもそのままになっている。ノートPCの場合は画面を閉じればその対策になるが、デスクトップなどの外付けキーボードの場合はだいたい使い終わってもそのまま放置されているのが実情である。
オフィスなどで大型のパソコンがOA機器として主流だった時代は、終業時に帯電防止も兼ねた本体ごと覆うOA機器カバーが掛けられていたりしたが、ノートPCも主流になってきたからか、今はどこのオフィスでもそんな光景は見掛けない。
自宅だと尚更、そんな対策はされていないのではないか。そのまま放置されて、そこに自然と埃が入り込んだりして次第に劣化していく。一般的なキーボードはそんなに高価なものでもなくなってきているので、あまり保護するということが重要視されない傾向にあるのかも知れない。
キーボードは、カバーで保護するというより、ブロアーやエアダスターで入り込んだ埃やゴミ、毛髪などを吹き飛ばしたり、キートップを洗浄したりというメンテナンスのほうはそれぞれの方法でされている。
自分もキーボードのメンテナンスは埃類の吹き飛ばしやキートップ部分をサイバークリーンやクリーナーで洗浄はしたりするが、キートップを外して洗浄することはしない。はめ込み部分が緩くならないかという心配があって、特に必要が無い限りは取り外さないようにしているのである。
そういう清掃することはもちろん必要であるとは思うが、なるべくそういう埃類が入り込まないようにする対策も必要である。
当初、自分は単純に新聞紙を適当な大きさに折り込んで、PCを使わないときはそれをキーボードのカバーにしていた。見映えは良くないが、自宅の部屋ではそれで十分である。その後は、100均などで売られているランチマットの布生地が大きさとして丁度良かったので、それをカバーにしたりもしていた。
最近では、テレビ画面を拭くための大きめのマイクロファイバーが、二つ折りにするとテンキーレスキーボードの大きさに丁度良かったので、それを使っている。ちょうどピアノの鍵盤にかかっている赤い布のようであるが、そののファイバー自体からも埃が出ることはある。
さらには、こういうカバーの方法だと、キートップの上にものを載せている状態なので僅かながらもキースイッチに負荷がかかることにもなるかもしれない。
キーボードのカバーと言えば、一時期はシリコンのカバーもよく店頭で売られていた。キーボードの形状をそのまま象ったカバーで、埃が入り込むのを防止しながら、そのカバーの状態のままでも打鍵ができるというものであるのだが、形状が決まっているので、メーカー製パソコンの規格キーボード専用のものしかなかった。
自分もVAIOのノートPCを使っていたときは、純正のキーボードカバーで保護していたのであるが、打鍵感が全く違うものになってしまって使いづらいこともあるので、そのまま打鍵するためには使わない。そもそも外付けキーボードで使うので、ただカバーとしてだけ使った。
メカニカルキーボードのFILCO Majestouch製品には、キーボード形状のPET素材カバーが付属している。これは常用するためのものというよりは製品保護のためなのであるが、形状がぴったり合っているし、使わないときのカバーとしても丁度良いので、これは役に立つものである。
高価なRealforceやHHKBなどには、別売り製品でキーボードルーフなるカバーもある。これはキーボードのキートップ部分をアクリル製のボードで覆うもので、カバーをしたときはまるでキーボードを専用のケースに入れたかのように見映えも良く、こういう保護の仕方も中々良い。
全てのキーボードに適したそういう製品があるわけではないが、何らかの形でキーボードに埃類がなるべく入り込まないような対策はしておくべきだと思っている。