小書き文字の配列を変更して、「pq」「pw」「pe」「pr」「pt」を空けたのは、ここに新たな定義を追加しようと思ったからである。追加するのは、gACT10で「やって良かった打ち」と呼ばれている配列の定義で、「っ」+「た」「ち」「つ」「て」「と」の拡張的な配列だ。
何故この定義群を追加しようと思ったかというと、一つは出現割合が比較的高いというのがある。「切手」「買った」「録った」「ナッツ」「もっと」「一致」など、「っ」+タ行の配列は結構たくさんある。
たとえばこれらは、現行のAOUR配列では「igzkd」「iazka」「lazkf」「gzkg」のように4~5打鍵で入力できるが、拡張的な配列(自分としては「促音+タ行拡張」と呼ぶことにする)にすると、「igpe」「iapq」「lapr」「gpt」のように、3~4打鍵で入力できるようになるのである。
もう一つの理由は、AOUR配列の拡張に当たってはATOKの配列定義の制約との戦いでもあるわけだが、この制約との関係で、あまり多くの配列定義を追加する余裕が少なくなってきていることがある。gACT10やJLODなど他のDvorak系配列では2音目に「き」「く」「つ」「っ」「ラ行」が付くような音の拡張も用意されているが、これらを定義する場合、それぞれの子音全てに対して定義を追加しなければならないためATOKの定義数の限界に達してしまうと思う。
促音+タ行拡張であれば、追加するのは5つの定義のみなので、まだ何とかATOKでもその余地があるのだ。
AZIKとACTをベースにATOKで実現できるDvorak系配列として考案し始めたAOUR配列であるから、少しずつ拡張して効率の良い日本語入力ができるようにしたいと思う。配列の拡張のアイディアは、オリジナルである部分はあまりないが、他の有名な配列において頻度が高いとされるような配列については、ATOKにその余地があるならAOURで実現してみたいと思うのである。