自宅外の万年筆

投稿者: | 2018-10-20

万年筆のインクは水性で、長期保存に向かないものであるとされているので、仕事の書類などで使うのは良くないだろうと思い、当初は使わずにいた。それに、キャップを回して金色のペン先の万年筆を取り出して堂々と書く勇気もなかなか出なかった。
手帳やノートなど私的なものへの筆記については問題なかろうと思い、100均万年筆の時期を経て、これならあまり万年筆とも気付かれず注目もされないのではないかと選んだのがPILOTのCaplessマットブラックであった。以来ずっと、今も愛用している。
手帳は問題ないとして、会議などで自分のノートに書くにも最初は誰が見ているだろうと随分気にしたものである。なるべく後で指摘されぬようにと、関係の薄いメンバーが集まる会議での使用が最初である。尤も、誰も人の使っている筆記具などに注目はしないはずなのだが。
最初の頃は、CON-20のコンバータで純正のブルーブラックのインクを使ったがインクの入れ方の問題なのか、更にこのコンバータは中が見えないのでちゃんと入っているのかどうかもわからず、時々インクが出なくなるということもあった。
そういう時は、細く出した水道水にペン先をつけてインクの導通を促してみる。水が混じるのでインクも薄まって良くない方法ではあるが、これでだいたい出るようにはなる。保管時の置き方も横になるようにして置いた方がインクが途切れることがないのではないかなど様々やってみた。
構造上、CON-40や50の他のコンバータを使うとしても、残量がほとんどわからないのは同じで、結局Caplessはコンバータよりカートリッジのほうが適していると思い、それからはカートリッジで使っている。カートリッジで使うようにしてからは、インクが切れない限り出なくなることもない。毎日少しずつでも使うようにしているせいもある。