一口に日記と言っても様々なタイプがあって、ビジネスダイアリーから連用日記、当用日記など、いざ選ぶとしてもどれが一番自分に適しているのかわからない。
この先何年も続けていく意志があるなら3年、5年、10年といった連用日記があるが、これは少し敷居が高い。そんなに先まで見通してずっと興味を持ち続け日記を書いていけるかどうか分からない。だが連用タイプの日記帳はそれなりに種類が多い。
毎日続けられるか分からない、不定期に書くというのなら日付のない日記帳もあるが、それは日記としては使いにくく、普通のノートで十分であって、日記ではないものの今も既にそういう方法でノートを使っている。
ビジネスダイアリーは1週間で見開きになっているものが多い。実用的だが、仕事の日誌向けというところもあって少し味気ない。個人用の日記帳としては1日1頁か2日で1頁になっているものがある。1日1頁になっているタイプの日記帳は、分量もたくさん書くことができるし、日々の頁のフォーマットがどうなっているかでどんなことをどう書けるのかという想像が出来て面白いのだが、これも今までは書かない日、書かない頁が無駄になると思って手を出さずにいた。
特に、明治時代からあるという当用日記は、その様式がもう確立していて、本文に加え天候や気温はもちろん摘記やら送信返信、その日の出納や来客、起床就寝などについて書く欄があったりもする。
それに合わせた事項をうまく使いこなせるのか疑問はあるし、1冊の重みが随分とあって、大して書くべき事、日々考えることもない状況ではこれも中々手を出しにくいと思っていたのだが、当用日記はこういうものだという見本的にあるのは悪くないかもしれないと思えば敷居が下がる。何より、縦書きができるのは魅力である。
そういう当用日記と言えば博文館新社というところが明治時代から発行しているものであるが、横書きのタイプがあったり、ハードカバーではないもの、2日が1ページのものがあったりもする。他社からも当用日記という名称で同様の物が発行されていて、たとえば高橋書店からは当用新日記という名称でほぼ同様のものがある。
博文館新社の当用日記と比較してみると、高橋書店のほうが日々の頁のフォーマットに書く項目が多いが、あとは概ね、基本的に同じである。どちらも上製本で長期間の保存に向いている。博文館新社のほうはケースが付いていたり、背皮のタイプがあったりなどもする。
紙の日記や手帳は始められる時期が決まっているのが難点である。今は来年の版が発売される時期であるが、たとえば今から今日から始めたいと思っても、たいてい来年の版しか店頭にはないのである。今興味を持っても始められるのは年明けになるので、その頃には既に興味を失っているという場合もありうるのである。
手帳同様に付録が充実しているのは面白いのであるが、時機を逸して書き込みたい場合に備えた頁などもあると良いように思う。