テンキーレスキーボードはだいぶ前からあるが、今後はフルキーボードに代わってテンキーレスが主流になるのではないかと思っている。
デスクトップに代わってノートPCが主流になったことで、テンキーレスのキーボードが一般化した。最近のノートPCではワイド画面の影響もあり狭いスペースにテンキーまで詰め込んだものも多くなってきているが、詰め込み配列が使いづらくフルキーボードの負のイメージに繋がっている。
タブレット端末など他のQWERTYキーボードもたいていはメインキーのみで、キーボード=テンキーレスのイメージが定着してきた。
PCが使われるようになった時代には、マウスが一般的ではなく、配置的にキーボードの右側にテンキーがあるのは問題が無かった。大きなパソコンデスクで使うので、大きなキーボードでも問題が無かった。PCは当初は事務用機器であったので、数字入力の機会も多く、テンキーは必須だった。
マウスを使うのが当たり前の時代になると、テンキーの更に右側にマウスを置かなければならない状況は、仮にデスクが広くても使いづらく、バランス良く配置しても通常のホームポジションからマウスが遠く、疲労にも繋がる。テンキーの位置にマウスがあると右手の移動距離も少なくて済み、またメインキー部分をモニターの中央付近に配置できて都合が良い。
更に欲を言えば、テンキーレスキーボードからカーソルキー部分を除いてメインキー部分だけに縮減したコンパクトキーボードもあるが、これだと省かれるキーが多くなりすぎて不便を感じられることも少なくない。
テンキーが不要になってきたわけではないが、需要は以前より少なくなってきているのではないか。テンキーレスでも数字の入力が出来ないわけではない。私的用途のPCが増えたことで大量の数字入力の機会が必須だという場面は相対的に多くなくなった。
事務用途としては依然としてテンキーがあった方が良いが、ノートPCのようなテンキーレスに独立したテンキーを取り付けて使うというやり方も一般的になって、フルキーボードでなければならないということはない。
Realforceなど、高価格帯高級キーボードでは、必ずテンキーレスモデルが用意されるようになってきて、おそらくはテンキーレスの方の需要が高まっている。
依然として、安価帯キーボードではフルキーボードが主流であるが、今後は全ての価格帯でテンキーレスのキーボードが揃ってくるのではないかと予想する。
低価格帯では、幾つものモデルを用意することはコスト的に問題かも知れないため、これまでと同様に全部入れておけば文句がないという考えもあるかもしれない。
自分としてのおすすめは、テンキーレスキーボードで必要に応じて独立したテンキーを使うことである。独立したテンキーはキーボードの左側の邪魔にならない場所に配置できるし、不都合なら使うときだけ元通りの右側の場所に配置したら良いのである。USBポート一つを占有することになるが、それは仕方がない。
Realforceにも独立テンキーはあるのだが、旧タイプベースの黒モデルと白モデルの2種類である。黒モデルは良いが白モデルは白キー1色なので、フルキーボードと同じくアイボリーでグレーのキーと白キーのツートンであってほしいものである。