HHKBのUS配列には、無刻印のモデルがある。キートップにラベルの刻印が一切ないモデルである。デザイン的に美しいことなどから、キーの配列を把握している人、ブラインドタッチができる人など、好んでそれを選ぶ人も多い。
自分も、最初のHHKBを選ぶとき既にブラインドタッチはできていたのでこれを選ぶべきかとも考えたのであるが、初HHKBでもあり、初US配列でもあったので、無刻印で全てやっていけるという自信はなく、墨色の刻印ありのモデルにしたのだった。墨色は文字刻印が黒なので見えにくく、見方によっては無刻印に見えなくもないので、丁度良いとも思っていたのである。もちろん、その後その点に関する不満はない。
しかしずっと、無刻印というモデルのことは気になっていて、数字や記号などはブラインドタッチが怪しい部分はあるが、アルファベットに関しては問題ないので、多分無刻印でも問題なく使えるだろうという気持ちは持っていた。
先日、機会があってHHKBを新調というか、追加購入することにしたので、白色の無刻印を選んだ。
使ってみた結果、タイピングに関しては何の問題も生じていない。無刻印であるから何かができないとか、そういうことは全くない。HHKBの配列は概ねわかっているということもあるが、基本的にはアルファベット部分での和文入力が中心になるし、Enterキーやその他制御キー、記号キーも位置を覚えてしまえば何の事は無いのである。ノートPCなら本体キーボードもあるし、自分については他にRealforceも併用しているので、無刻印に起因して何か困ることがあれば、別のキーボードを頼れば良いのである。長文入力はHHKBで、他の一般的な操作はRealforceで、というような使い分けもできている。
もちろん、多くの人は全ての操作をHHKBでやることになるので、そういう場合は特殊な配列とも言えるHHKBでは不安があるとも思うが、そういう部分を解消できる手段がある場合は、無刻印のHHKBという選択肢はあって良いのである。
ブラインドタッチができる人であれば、無刻印キーボードはほぼ使いこなせる。ただし、HHKBを一度も使ったことがないという人の場合は、他のキーボードとの違いの部分で少し苦労があるかもしれない。既に刻印ありのHHKBを使っていて、配列は習得しているという場合なら、無刻印HHKBでも何も問題がない。