AOUR211228

投稿者: | 2021-12-28
typing

AOURには、裏打ちと呼ぶ定義群を含めている。裏打ちとは、本来の定義を裏返したかのように、左右対称のキーを用いるもので、一方で打鍵しにくいものを代替するキー定義である。AOURはDvorak配列をベースとしているので、母音群は左手に集中し、子音群は右手に集中している。このことにより概ね左右交互打鍵が実現できているわけなのであるが、実装するATOKの制約からどうしても子音も左手側に設定している定義群がある。
こういう定義群を、本来の定義に加えて代替的に母音群を対象の右手側キーに配置するという方法である。文章で説明するとわかりにくいが、たとえば左手小指キーの代替として、右手小指キーを指定するなど、そういうことであって、ブラインドタッチがきちんとできていることが前提で、やってみるとそんなに戸惑うことはない。

AOURでは、左手子音キーは、ワ行、ザ行、パ行、ヤ行がある。また、このほかにシャ行、ジャ行、チャ行も左手子音である。シャジャチャ行については、拗音の裏打ちとして右手側に拗音母音キーを配置する代替入力の手段を設けているが、ワザパヤ行にはそれがない。
これを設定するには、二重母音や撥音拡張なども考えると右手側で最大15キーを使うことにもなるが、句読点キーはカスタマイズできないATOKの制約もあったりして、満足にそれができない。また、これらの左手子音キーの群がそんなに入力しにくいというわけでもない。
そこで今回は、二重母音や撥音節を持たない「を」のみ、代替入力、裏打ちを設定してみることにした。「を」は通常【ws】という定義なのだがこれに加えて【wl】というキーを定義に加えた。【s】と【l】は、指の位置で左右対称の場所にある。

このような裏打ちは、あくまで代替入力方法であるから、本来の本則をこれに変えるということは考えない。

ATOKのローマ字カスタマイズの定義数は最大で550と言われている。実際ほぼその数で上限に達してそれ以上追加できなくなる。AOURの今の定義数は、一部の記号類も含めて537であるので、もう大量に定義群を追加するようなことができない。
定義群を追加するためには、外来語特殊音用に加えている定義のうち、「みゃい」だとか「ぢゅん」だとか到底使うことがないであろう定義を削除して、その分の空きを利用したい。今すぐこれらを削除するわけではないが、選択定義(オプション)として約45の定義を指定し、将来の空きの確保に備えることにした。

今回は、そんな変更を加えて定義の番号を211228として、更新したのである。
ATOK定義、Google日本語入力用、DvorakJ用の定義を更新して、解説にはまだ加えていない。