長年キーボードでの和文入力をやってきて、様々思うことがある。
ワープロ専用機のキーボードに始まって、PC-98のキーボードから、DOS/V機の規格化されたキーボード、ノートPCのパンタグラフ機構から一般的なメンブレン、メカニカル、静電容量無接点と使ってきた。
基本的に、キーを打鍵することで任意の文字が入力され、それが変換キーで正しい表記に変換されるというのは、面白いものである。
手書きしか知らなかった子供の頃は、自分が書いた物が印刷物として活字になるのは嬉しいことで、それがワープロ専用機を使うことにより、手軽に同様のことができるようになって、今はPCではそれが当たり前になっているという事を考えると、進化も著しいものだと思う。
そういう文字入力・文章入力の為には、キーボードが必須である。キーボードを扱いこなせない限り、電子的な文字入力は一切出来ない。
ワープロ専用機で初めてキーボードに触れ、独習で覚えてローマ字入力もできるようになったし、ブラインドタッチもできるようになったのである。
その頃のトピックは、かな入力で覚えるかローマ字入力で覚えるかということだった。実は最初の最初はかな入力で始めてみたものの、ローマ字入力という方法があるということを知ってからは、すぐにその方法に切り替えた。
ローマ字での表記は、既にその頃できるようになっていて、アルファベットを使って和文を書き表すことができる面白い手段として興味を持っていた。従って、ローマ字入力の綴り自体は何の困難も無く並べることができたし、かな入力に比べて習得が必要なキー数も少ない。アルファベットも同時に覚えられて、モード切替無しにそのまま数字の入力もできるのであるから、ローマ字入力を使わない手はないのである。
これは今でも同じで、ローマ字入力は習得にかかる負担と合理性が優れている。
かな入力推進派は、2打鍵で1文字しか打てないことを揶揄するが、かな入力も多くのキーでShift操作が必要で、打鍵数が倍ほども違うわけではない。
かな入力は4段に亘っている約50のキーを全て覚えなければ使いこなすことが出来ない点などからすると負担が大きい。
もちろん、ローマ字入力のローマ字自体の概念とアルファベットがわからない世代、小学校低学年などにおいては、ローマ字入力よりかな入力のほうが最初の取っかかりとしやすい。かな入力がJISかなのように一つの文字に一つのキーではなく、新JISのように3段に収まるなどの工夫があれば、もっと効率的に入力ができるはずである。
そういう入力方式もあるが、普及していない。
結局自分は、当初からローマ字入力を使うようになって、ずっと使っていたが、途中で拡張入力という方法、AZIKを知り、ローマ字カスタマイズで実装していた。更に色々知る打ちに、Dvorak配列をベースとしたACTも知るが、それの実装が簡単にはできなさそうだったので、ATOKで実装できる方法を自分で定義した。それを、今も使っている。