AOUR220712とその後

投稿者: | 2022-07-12
AOURの盤面図

前記事予告のとおり、AOUR220712を公開した。
今回は特定定義に関わる部分の修正で、使う「かも」を復活させ、使用頻度が低い定義を削除した。削除したのはATOK定義からのみ。だがこれは人によってはよく使うものなのかもしれないし、そんなことを言い始めたらキリがないので、特定定義は全て選択定義であるものと位置付けて、今後は標準の割当を含めて、ユーザが好きに登録削除をしても問題がない領域と位置付けていく予定である。

逆に、単音、静音~半濁音、拗音までの領域については二重母音と撥音節拡張も含めて基本として、今後はその部分については定着したものとして変更することはほぼ、ないものとすることとした。
しかし無論、絶対というわけではない。今後の状態次第である。

先月末から連続して4回ほどに分けて更新を繰り返してきたが、できればもうそろそろAOURは今回分としてはこれで更新を終了しておきたいところなのであるが、この辺はある意味気分次第というところもある。

草稿・ローマ字入力の誤解

JISかな入力との比較で、ローマ字入力は1文字入力するのに子音と母音と2回打鍵しなければならないから、絶対的に入力速度が遅くなる、と言われる。
ある意味正しいが、実際にはそうならない要素もあるので単純にそうとも言いがたい。
幾つか理由を挙げると、JISかな入力だって、拗音などの小文字や頻度高く使う助詞の「を」や句読点などはShiftキー操作を必要とするから同時押しでも2打鍵とも言える。濁音半濁音も、゛や゜を加えて押下するので2打鍵である。なので、ローマ字入力だけが2打鍵文字入力というわけではない。
ローマ字入力では数字はそのまま入力できるのに対し、JISかな入力ではモード切替が必要になる。拗音の「きゃ」などはローマ字ではkyaの3打鍵だが、JISかなでもきとShiftやなので3打鍵で違いは無い。

そういう、まずは打鍵数の優勢に関する誤解がある。いや、それでも確かにJISかな入力のほうが打鍵数は少ないが、圧倒的に少ないということはない。1/2ではないということである。
決定的なのは、JISかな入力は4段分のキーを使うので、もちろん習得しにくいという面があるほか、ブラインドタッチも独特の方法によらなければスムーズに行うことができないので、3段範囲のローマ字入力と比較して、本当に十分にJISかな入力をマスターしているような人でなければ、入力速度に差は出ない。
Realorceのタイピングの大会のような場でも、JISかな入力で上位に来る人ももちろん居るがローマ字入力の人の方が多く、JISかな入力に適わないということはない。

結局、様々な特徴の違いがあるので、条件を同じくして比較すること自体が無意味である。

しかし、おそらく親指シフト、NICOLA配列との比較においては、ローマ字入力の優位性はおそらく低い。親指シフトは、シフト操作もあって打鍵数的にはこれもローマ字入力同様に1音2打鍵とも言えるのであるが、かなは全て3段の範囲に割り当てられていて、その点では高速に打鍵ができる。十分に上達した場合は間違いなくローマ字入力より論理的には速いと思う。

いずれにしても、ローマ字入力も十分に上達した人との比較であれば、思うほどの差異は出ないものなのである。

またもう一つ、ローマ字と英語を同一視する間違った考えもあるようだ。ローマ字入力は和文入力に英語を使うことになるからけしからん、という考えである。
アルファベットは記号でしかない。かな文字を行と段に整理してその文字を指定する効率的な方法がローマ字であるのに、それをわからない人が少なくない、どうしてもかな入力したいがため、ローマ字を否定したい理由がそれである。