SKY配列とAZIK

投稿者: | 2007-01-08

キーボードの入力配列に詳しい人なら当然知っているのだろうが、SKY配列という日本語入力方式がある。ローマ字入力的でありながら、効率的な打鍵ができ、覚えやすい配列であるとされる。

この配列の存在を知ったのは、木村泉氏著「ワープロ徹底操縦法」を読んだときなので、もう10年以上前になるだろう。ローマ字入力、JISかな入力との比較では、実験した学生がもっとも最短距離で習得できたという。
当時は、その配列に触れる機会もなく、それ以上の興味が湧かなかったのであるが、今にして考えれば、これは実に画期的な配列だ。

詳細についてはリンク先などを参照いただければおわかりかと思うが、右手に母音と二重母音、撥音拡張を集め、左手には、ほぼ五十音図の順の規則に近い形で子音が配置されている。基本的には、母音の五つと、それぞれの子音の位置さえマスターしてしまえば、多分ローマ字入力的に最低限の日本語入力ができるようになる。さらに、二重母音拡張と撥音拡張を追加して覚えると、ひととおりマスターできることになる。
母音が一方の手に集中しているDvorak配列のようであることで、左右の手指交互打鍵の確率が各なり、それで入力がしやすくなるのと、日本語の音韻に出現頻度の高い二重母音や撥音の専用キーを用意することで、入力が効率的に行えるようになる。

自分は今、AZIKの配列でローマ字入力を拡張している。覚えた頃は全く考えもしなかったが、ある時思い出してみれば、これはSKY配列の思想に非常によく似ている。実際、調べるとAZIKの考案者の木村清氏は、SKY配列を参考にしたと述べている。
SKY配列は、全く独自の発想で、QWERTY配列とは無関係な全く新たなキー配列であるが、AZIKはQWERTYを元にして、それを拡張している。
SKY配列では母音が右手に集中している為に、二重母音や撥音拡張も右手の母音の同じ列に揃えられているのが覚えやすいと思う。

AZIKは、現行のローマ字入力の拡張である為に多少拡張キーが散在してしまうのだが、AZIKの最大の特徴は、既に周到しているローマ字入力の資産を最大限に生かして入力の効率化を図るということなので、それについては納得できる。

つまり、全く新たに覚えるのに覚えやすいとされるSKY配列を現行ローマ字を習得した状態で覚えやすい方式として考案されたのがAZIKであるとも言えるので、つまり、既にローマ字入力を習得している人が最短距離で入力効率の向上を行える可能性が高いのが、AZIKなのである。