独自ローマ字配列(名称は考案中)

投稿者: | 2007-01-13

作ってATOKに実装してみた。(配列表や図は、最下部に掲載。)
一言で言うと、QWERTYのキーボードにDvorak風配列を被せ、ACT風に拡張した独自行段系かな入力配列。ATOKで実装できることを第一条件として、配列を工夫した。

  • ATOKで完全に実装できることを条件とする。
  • キーボード配列はQWERTYのままとする。(IMEオフ時はQWERTYのまま。)

具体的には、次のような特徴がある配列とした。

  • 概ねDvorak配列でローマ字入力ができるようにする。
  • シャ行はAZIKに倣い、DvorakのXを子音とする。(SHを使わない。)
  • チャ行はAZIKに倣い、DvorakのCを子音とする。(CHを使わない。)
  • ACTに倣い各母音上段を二重母音拡張とする。
  • ACTに倣い各母音下段を撥音拡張とする。
  • 撥音単独はAZIKに倣いDvorakのQ(QWERTYのX)とする。(NNも可)
  • 促音単独はAZIKに倣いDvorakの;(QWERTYのZ)とする。
  • 長音専用はAZIKと同一でDvorakの-(QWERTYの:)とする。
  • 捨て仮名入力用はAZIKに倣いDvorakのL(QWERTYのP)とする。
  • 拗音入力キーは、子音と同段の右手人差し指キーとする。
  • AZIK/ACTの各特殊拡張はオプションとする。

まず、Dvorak風にしてみたのは、QWERTY配列よりも打鍵しやすいと言われているからである。母音が右手に集中するため、打ちやすい左右交互打鍵が多くなる。ただし、Dvorak配列は、そのためのキーボード(選択肢が限られる。)を用意したり、常駐ソフトなどを使って配列を変更しておかなければならない。
このため、IMEのローマ字カスタマイズのみで実現してみることとした。従って、アルファベット入力時には元通りのQWERTY配列になるし、キーの字面で打鍵の綴りを覚えるのは無意味である。
このことは、キーを見ても無駄という事であり、タッチタイピングを出来る事が少しの条件になるかもしれない。更に、Dvorak配列をマスターしている人、また、ACTないしはAZIKを使える人も、有利にマスター出来ると思われる。

Dvorakiwiz

条件に基づいてIME(ATOK)のローマ字カスタマイズをする場合、Dvorak配列では右下にあるWVZが、QWERTYではカンマ、ピリオド、スラッシュとなり、このままATOKではこれらキーに定義を割り当てられないようなので、左上の3つのキーと取り替え、句読点の位置をQWERTYの場合と同じにする。
また、日本語では頻度が高いとされるK(カ行)の打鍵をしやすくする為、KとCも交換し、図のような配列をQWERTYに被せる形で、ローマ字を定義する。

ローマ字の定義は、Dvorakでの普通のローマ字割り当てを基本とし、ACT及びAZIKに倣い、二重母音拡張、撥音拡張をそれぞれの母音の上下段に割り当てる。(ただし、これら母音・撥音拡張キー単独では機能させない。子音の第1キーとしても割り当てる為。)
また、撥音、促音、長音の専用キー、更には捨て仮名(小文字)の第1キーも設定し、これらはAZIKでの相当キーに割り当てる。Dvorak配列でも、それらキーが概ね都合の良い位置にある。

シャ行、チャ行についても、AZIKに倣い、XとC(無論、Kと入れ替え後の)を子音キーとして割り当てる。SHやCHのHに相当するキーや、SYやTYのY等の拗音化キー無くして各行の文字が定義出来るからである。

さて、拗音化キーは、当初はY(QWERTYのT)のみとすることで考えていたが、確かにこの位置は打鍵がしづらい。そこで、ACTを参考に子音第1キーと同段の、右手人差し指キーを、拗音化キーとして用いる。ACTでは、右手中指キーの場合もあるが、前述のとおり、この配列では右手中指最下段は読点の為、例外となる規則を設けなければならない。そうするよりは、同指打鍵が発生する場合があるとしても、全て右手人差し指キーとしたほうが、自分としてはわかりやすい。

残るのは外来語などの特殊音の割り当てである。まず、ファ行及びヴァ行は、それぞれF、Vを当てることにする。ウィ、クァ、ティ、ディ等(撥音拡張等も含めて)は、WやKを第1キーとして、第2キーに、すぐその右横のキーを割り当て、QWERTYでWE、IO、KL、HJを子音キーとする。しかし、トゥ、ツァやドゥも第1キーはティ、ディと同じであるため、ここで例外が発生する。この場合は、第2キーを第1キーの二つ右隣とし、さらにそれでも重複する場合は、第1キーの直上のキーを第2キーとした。
また、これもAZIKに倣い、ウォーやフォーを、ウォウやフォウに代えて、これら外来語のウ段二重母音拡張とした。

その他、ACTやAZIKでいう特殊拡張は全てオプションとし、必要に応じて登録する事にした。

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上が配列の配置概要図(PNG)。配列一覧はこれ(OpenOffice.orgから作成したPDF)。