インク色は青が好きなので、万年筆でもボールペンでも基本は青系の色を使う。黒はあまり使わない。しかし一般に最もよく使われるのは青ではなく黒であろう。万年筆に限って言えばブルーブラックなのかもしれないが、ボールペンの標準インク色は黒である。公式の書類などに使われるインク色もほぼ黒に統一されていて、青などは許容されているとは思うのだが黒以外は実際にはないと言っても良いほどである。
どうしてそんなに、皆黒を使うようになっているのかと考えてみると、黒は元々墨の色で、昔から標準的な文字色であったからではないか。そういう慣習が影響している。欧米は墨の文化ではなく昔からペンとインクだったはずで、黒が標準ではなかったのかもしれないが、古文書などでは黒インクのようであるから、黒が使われなかったということでもないのだと思う。それでも、欧米などでは黒以外の色も多く使われる。
ともかく、黒は日本においては一般的なインク色であって、あまり使わないとは言っても提出書類などでは一般的な慣習に合わせて黒を使うし、黒で書かれた書類も多く扱うので、実際使ってみてもその色に違和感があるわけではない。私的な書き物では使わないので、たまに変えて使ってみると逆に新鮮な感じがある。
万年筆も普段は青系色を入れたものばかり使うが、何本もあれこれ使うのでその中には黒インクを使うためのものもある。
一方、赤のインクも黒以上に使うことがない。とは言っても、使うことがないのは本文色として、メインの筆記色して使うことがないという意味である。注目色として、訂正したり付記したりするのには赤を使う。
これは多分、一般の感覚とズレはないはずで、黒や青をメインに使う人は多いとしても赤をメインの色で使う人は稀である。たまに見かけると、強い不信感さえ出てくるが、たまたま黒のペンを忘れたとか、あるいはどうしても赤でなければならない何らかの理由があるのだろうと解釈することにしている。
万年筆においては、原稿書きをしたようなものを訂正するのに、何本かあるうちの1本を赤で使うようにしている。訂正用として頻度が低いならあえて万年筆にする必要は無く、ボールペンや赤鉛筆でも良いのだろうが、これもいろいろ集めてしまった万年筆を活用するためと、同じくペンで書くのだから万年筆で訂正したって良いのだろうと思うためである。