ノートPCをノートPCとして使う。
当たり前のことなのだが、普段はノートPCに各種の外付け機器でほぼデスクトップPCとして使っているので、自分としてはそういう使い方は珍しいのだが、本来、ノートPCはそういう機器を接続せずに単体で動作させることが目的になっているものであるのは言うまでもない。ACアダプタもUSB機器もディスプレイも何も接続せずに、本体の液晶画面に表示させてこのテキストを書いてみる。
そもそも、自分も以前はノートPCをノートPCとして使っていたし、今でも会社のノートPCは普段ノートPCとして使っている。基本的にそれで不満はない。ノートPCをデスクトップPCとして使うようになったのは、任意のキーボードを使いたいからという理由が一つ。Realforceを使うためである。もう一つは、大きなモニターで表示させたいからである。写真の作業をするためにはノートPCの液晶画面では物足りなかった。更に音声についても本体スピーカーはだいたい貧弱で、外付けのアクティブスピーカーを使いたかったからでもある。
最初のうちは、本体にキーボード、マウスをUSBで接続し、スピーカ-はヘッドホン端子に、モニターはVGA端子にと繋いで拡張を重ね、配置を考えてPCラックに置くようにもしたが、VAIOにはポートリプリケータという、いわゆるドッキングステーションがあって、それを使うとそういう周辺機器類の接続が行いやすいため、そういう構成に切り替えた。
買い換えのタイミングで、VAIOがもうポトリを提供してくれなくなっていたので、その後は今のThinkpadを使うことにしたのである。
Thinkpadは今でも数種類のドックが用意されていて、ノートPCをデスクトップ用途へ変更するのに役立っている。
VAIOからThinkpadへの乗り換えに関しては、他にも有線LANポートの有無だとかASCII配列キーボードが選択できるか否かなども理由としてはある。
さて、ここまでこのテキストを書いてきたThinkpadは、FHDの液晶である。外付けモニターと同じ解像度で、14インチという大きさではさすがに小さすぎるだろうと思っていたが、実際使ってみると、表示倍率100%でもエディタの文字入力はそんなに苦にならないが、メニュー表示などの文字は相当小さい。
液晶はIPSらしいが綺麗で、横方向から見ても見えなくなることはない。ノングレアのパネルでもあるので映り込みもない。
定評のあるキーボードも、言われているとおり打鍵しやすい。これはキーピッチとストロークが確保されていて、押下圧も適度に調整されているからである。トラックポイントについては慣れが必要であるが、普通のノートPCにあるようなタッチパッドもあるので問題ない。
Thinkpadは本体スピーカーも悪くない。外付けの本格的なものと比較しても、人の声質が変わることもなく、パワーもそれなりにあるようで、これは意外だった。これまで使ってきたDynabookやVAIOの本体スピーカーは、比べると本当にオマケ程度の品質かと思えてしまう。そういう品質の音しか出せなかったからこそ、外付けのスピーカーを使うようになった。
さらに、ここからはもう一台の別のThinkpadを使って書いてみる。こっちのThinkpadも基本的なところは同じだが、液晶が1600×900の解像度である。14インチの大きさでは、この程度がちょうど良い。外付けモニター環境にしたときのFHDと異なるので、接続したり取り外したりしたときは使ったアプリケーションのウィンドウサイズを調整したりする必要があるものの、そのくらいの作業は文句を言わないようにしたい。
ノートPCをノートPCとして使うと、必要なスペースは本当にA4用紙1枚分かそれよりやや大きいくらい。マウスを使わない前提なら本当にそれだけで済む。一つのマシンだけで液晶モニターもあり、キーボードもあり、インターネットもできるし動画再生や文書作成も可能である。持ち歩いて任意の場所でそういう作業をすることもできる。
当たり前のそれの何が良いのかわからないが、おそらくはパーソナル感みたいなものであって、自分の領域の作業空間が自分の領域内に全て収まっていることが、多分、デスクトップPCとは違った快適さになるのではないか。