10年前にRealforceを使うようになって、自宅2台のPCでどちらもRealforceを使っている。これまでは、US配列の86UとUBでアイボリー配色と黒色の色違いの2モデルをメインに使っていたが、RealforceがR2モデルに代わってきていることもあって、新しいモデルに更新した。86U/UBも特に問題が起こってきたわけではなく、むしろ完全に手に馴染んで調子よく使えているのであるが、R2にしたらもっと良い環境ができるのではないかとそういう期待も込めて刷新することにした。U/UBはしばらく休ませ時々比較のために使う程度にする。
Realforce R2の黒モデルは等荷重45gのPFU Limited Editionで、静音もAPCも付いた全機能入りフラッグシップ型にした。その後少し置いて導入した2台目はアイボリー配色で、こちらは静音機能だけが付いたモデルの変荷重にした。
1台目のPFU L.E機でAPCよりも静音機能での打鍵の感じの良さが気に入ったので、2台目は静音機能だけ付いたモデルにしたが、APC付きでないモデルのスイッチ反応点はおそらく3mm程度の深さに固定されているので、その違いなのかやはりAPC設定2.2mmとは少し感じが違う。ただしこれも少しの時間使い続けて感覚をこっちに合わせるとそれで違和感はなくなって、静かで快適な打鍵が楽しめるようになる。
静音機能については、打鍵時の高音のカチャカチャという部分がしなくなり、シュコシュコという静かな音になる。人によってはこういう打鍵音ではなくやはりちゃんとした派手な打鍵音のほうが良いという人も多いようなのだ。Realforceの打鍵音はそもそも他のメカニカルキーボードと比較しても静かかもしれない。そういう従来のRealforceらしい打鍵音も悪くないが、自分はこの静音のほうが高級感とか品の良さを感じるので、むしろ静音のほうが良いように感じているのである。無論、音が違っても打鍵に与える影響はないはずである。
今のキーボードはだいたいどれも黒色配色のモデルがほとんどで、白色系のモデルは少ない。機能キーがグレー、文字キーが白(アイボリー)というように色分けされているキーボードは、企業用の業務用キーボードではそういうものもあるが、家庭用としてはこのRealforce以外ではほぼない。以前は、PC98他ほとんどのPCのキーボードがこういう配色だったが、PCやモニターが黒配色のもの中心となった今ではキーボードも黒色系なのである。
そういう昔ながらの業務用の配色のイメージが懐かしく、また業務ということがイメージされていかにも仕事が進みそうな感じもあるアイボリー配色は、Realforceでは基本であって、黒色モデルよりアイボリーを選ぶ人も多いのではないか。
Realforceの黒色モデルはキートップの昇華印刷刻印も黒なので文字が見づらい。基本的にはブラインドタッチができるのでほとんど支障はないが、記号や数字など手探りの確認が必要な場合もある。そういう場合にアイボリー配色だと昇華印刷刻印もはっきりと確認できるのでそういう利点もある。
白色系の樹脂は変色を心配していたが、10年使っても目立って変わるようなことはなかったので、概ね問題ないのだろうと思われる。
R2はAPCモデル以上だとFnキーとカーソルキーの組み合わせでAPC設定の他にボリュームコントロールができるのだが、静音モデルとノーマルモデルにはその機能はない。CtrlとCapsの入れ替え設定やキーロックなどはできるし、Realforceソフトウエアでの設定も可能ではある。
また、静音モデルとノーマルモデルでは、CtrlとCapsの入替用キートップと引き抜き工具が付属していない。機能的に入れ替えたとしても、表示はそのままで使わなければならないのは少し残念ではあるが、さほど大きな問題ではないかも知れない。
Realforce R2はAPCや静音のないノーマルなテンキーレスモデルでも2万円以上する。そういう付加価値的な機能が無くても十分に快適な打鍵感は得られる。今後もキーボードを選択する機会があったら真っ先にRealforceを考えたい。