PCのキーボードでの和文入力の方式の選択肢は少ない。今はローマ字入力がほとんどで、あとはJISかな入力があって、この二つでほとんど全てと言って良いのかも知れないくらいである。
かつて、ワープロ専用機の時代では、ローマ字入力、JISかな入力の他に親指シフト方式も一定のシェアがあったが、今は対応したキーボードなどもほとんどなく、使っている非とはかなり少ない。
実態としてはローマ字入力を使う人が約9割で、かな入力をする人は残り1割程度とも言われている。ワープロ専用機の時代は半々か、あるいはJISかな入力の人のほうが多いくらいだった。初めてキーボードに触れる人は、刻印通りに打鍵できる方式のほうが覚えやすいので、当時の子供や高齢者ではJISかな入力から始めたという人が少なくないのではないか。
一方で、覚えるキーが少なくアルファベットの配列も一緒に習得できるなどの利点で、最初からローマ字入力だった人もいるはずである。ローマ字そのものが苦手でない世代ならば、この方式のほうが利点が多いとされていて、パソコンの時代になってからは、JISかな入力よりローマ字入力のほうが主流になっている。
ケータイではケータイ入力、スマホなどではフリック入力もあるが、PCの分野では今後も当面ローマ字入力が基本になる時代が続くと思われる。今は、子供や高齢者などの初心者でもローマ字入力で始めさせるのが基本なのだろうか。
JISかな入力がほとんど使われないようになるのであれば、JIS配列キーボードにあるかな刻印が不要になってくる。ローマ字しか使えないのにかながあるのは寧ろ邪魔ということにもなる。今後はJISキーボードでもかな刻印のないキーボードが増えてくるのではないかと予想するが、ただ、JISかな入力もユーザがゼロになることはないので、ニーズとしても絶えるようなことはないかもしれない。
英語圏でも、QWERTY配列がほとんどで、他にDvorakなど他の配列もあるがやはり数は多くないと思う。
QWERTY配列キーボードでのローマ字入力、JISかな入力、それに親指シフトも加えた他にも、独自の入力配列は多く存在し、考案されただけで実装されていないものも含めると更に多い。割合としては目に見える数字に至らないが、そういう独自の入力配列を使う人の層もある。
選択肢としては、たくさんあった方が良いようにも思うが、収斂されていないとサポートする側が対応できないので、一つか二つの入力方式に集中してしまうのは仕方がないことなのだろう。
独自の入力方式の人であってもその入力配列しか使えないと不便であるし、そういう人は元々ローマ字入力など他の標準的な配列を使っていて変更したので、最初に覚えたローマ字入力などと併用できる。自分もその一人である。