正直、当初GoogleからIMEがリリースされたと聞いて半信半疑であった。IMEなんてマイクロソフトのMS-IMEやATOKなど、大きな企業が本気で取り組まないとできないようなソフトウエアだと思っていたからである。無論、リリースされた時点でGoogleも巨大な企業であるわけだが、これら有名なIMEに匹敵するような日本語入力の仕組みなどできるはずもなく、まあせいぜい、こんなものかと感心する程度だろうと。
しかしながら、実際インストールして使い始めてみると、意外にも普通に使えるし、変換速度も精度も悪くない。そのうちにローマ字のカスタマイズ機能もベータ版に付加されて、やってみたら我がAOUR配列も実装できてしまったり、これは凄いなと思うようになった。
変換の精度ならやはりATOKと言われるが、実際通常の文章の入力がメインなら、そういう精度の違いなどほとんど感じない。辞書がWebでの検索語に由来するというGoogle日本語入力は多分、Webでこういう文章を書いたりするのに良いのだろうし、十分な歴史で鍛えられている辞書と変換エンジンを持つATOKは仕事などの真面目なテキストにより適していると言えるのだろうが、本当のところはMS-IMEだって使えないわけではなく、真っ当な日本語入力システムなら一応安心していいのではないか。
基本的には、もう好みとかそういう問題で選んだって良いのかもしれない。
では自分は何を選ぶのかというと、やはりこれが今後もATOKなのだろう。変換精度の良し悪しの実感はないが、広告どおりストレスなく入力できるのがATOKだからである。
そうは言いつつ、このエントリーのテキストはGoogle日本語入力で書いていて、ここまでほとんど何もストレスは感じずに打鍵し、入力できているのだ。AOUR配列が実装できたり、慣れ親しんだATOK型のキーバインドが使えるのなら、あとは変換に使う辞書がそれなりに鍛えられているか否かというあたりで決まるのかもしれない。