原稿書きにおけるワープロとエディタ

投稿者: | 2016-02-27

ワープロかエディタか。こういう話になるとだいたいエディタが優勢ということで落ち着くが、何でもエディタが全て良いというわけでもない。
結局、最終的に目的とするところがテキストのみなのであれば、エディタのほうが都合が良い。得るべき物が文書というのならワープロソフトを使う方が良い。
ブログの原稿なら基本的にはテキストを目的とするので、エディタで問題ない。だが校正機能を使った編集や、校正のために印刷するステップを設けるなどワープロでしかできないことがあるなら、ワープロで書いた方が良い。文書校正や印刷はエディタでもできるが、ワープロのほうが便利だ。
テキストの内容や文書全体をパスワードで保護したい場合は基本的にワープロでしかそういうことができない。ただし、WZ EDITORなら暗号化テキストというのができる。これはこれで便利だが、WZでしか編集できなくなるのでテキストファイルとしての汎用性などの利点は損なわれる。
無論、エディタで原稿を書き、必要に応じてワープロ側へテキストを流し込むという手法も使えばいいとこ取りができる。つまり、そういう使い分けで良いのではないか。
もう一つ問題は、原稿書き作業はエディタが便利なのかワープロが便利なのか。
高機能エディタの特徴は豊富なカスタマイズができること。配色はもちろん、画面表示やキー定義についても相当細かく自分で好みに合わせることが出来る。ワープロはこれに限界がある。一太郎はそれでもドラフトモードやエディタフェーズがあるので、Wordよりは好みの環境を作りやすく、それで十分な環境とも考えられる。
等幅フォントを使って行番号も表示させ、書いた原稿の分量を把握するのはエディタでは得意技だが、Wordなどのワープロではこういうことは苦手だろう。一太郎なら行番号表示ができるのでその点ではあまり変わりはないが。
原稿用紙の設定や、小説などを書く際の縦書きについては、WZ EDITORなど文章執筆も十分に考慮されたエディタや、日本語の文書を作成することに注力を注いでいる一太郎ではそういう環境での作業も快適に行える。Wordは少しそういう部分は弱いかもしれない。
エディタでは、プログラミングを主目的としたエディタでは縦書きがサポートされていなかったり、原稿用紙の枠組みを表示させる機能がなかったりする場合が多い。成果品と同じ環境、手書き環境の再現、字数行数にこだわるなら一太郎か文章書きも考慮されたエディタであることが用件で、これに関してはエディタかワープロかという比較とはまた別の話になるだろう。
原稿書きは短時間で終わる場合は少なく、書いている時間はそれなりに必要であるので、見やすい画面であることも重要で、自分は特にそういう作業時の配色は濃色の背景に白文字などにするが、設定がしやすいのはやはりエディタである。一太郎でもだいたいできるが、Wordの場合は背景色を設定してしまうとそれが印刷にも反映されてしまうようなので都合が悪い。Wordは基本的に印刷用の環境をそのままイメージで再現して作業させることが基本なのだろうと思われる。
動作の高速性も、最近のワープロは十分に高速であるが、それでもエディタのほうがやはり処理は速い。ワープロが遅いというわけではないが、長文になったり図形やレイアウト枠などを多く含む文書だったりすると、文字の表示が少し鈍くなることがある。感覚としては遅いと感じなくても、それをエディタと比較すると、やはりエディタのほうが快適だ。
そういうことを考えると、原稿自体を書く環境としてはエディタが少し優位かと思う。
繰り返しになるが、エディタで書いて必要に応じてワープロに流し込んで処理をするというのが、面倒な面もあるが得策でもあるのではないかというのが答え。
この原稿も、WZ EDITORで書いてから一太郎で作成した校正用フォーマットのテンプレートに流し込み、文書校正機能を使って検証して更に印刷出力をして読み返して確認してからブログ記事にしてみることにする。