原稿を校正する時は、本文とは違う色の筆記具でマーキングしなければ目立たなくてわかりにくい。たとえばワープロソフトなどで作成して出力した原稿の場合、白い用紙に黒い文字の原稿を校正するのに普通の黒鉛筆や黒のボールペンなどでは、校正箇所を見落とす恐れがあるからダメだ。
仕事では、赤か青のボールペンを使って校正することが多い。どちらも黒文字本文の場合は目立つので見落とされることはない。校正というより添削をする場合、赤を使って大量に修正してしまうと元原稿を作成した人に悪い気もするので、遠慮してあえて青を使ったり、わざとあまり目立たないように鉛筆書きで直したりもするが。
自分で自分が書いた原稿を校正・添削する場合は、誰に遠慮をすることもないので、赤い筆記具を使う。これには、やはり赤鉛筆が良い。ボールペンでもダーマトグラフでもなく、削って使う赤鉛筆である。筆記したときの独特の柔らかさと朱の色の雰囲気が優しい。
もしかしたら、仕事で他人の添削や校正でも赤鉛筆を使う場合は嫌みにならないかもしれない。もう少し赤鉛筆の使用頻度を上げてみるべきか。
ところで、赤鉛筆は赤一色の赤鉛筆が基本であるとしても、反対側が青になって両側から削って使う赤青鉛筆(朱藍鉛筆)というのも昔からあって、これがまた懐かしく、良い雰囲気である。折角ならこれをうまく使いたい。
赤の部分は赤鉛筆なので、そういう校正や添削に使うとして、青の部分はどう使うのか。
青はかつての写真製版などで映り込みがないらしく、コピーで映り込まない蛍光ペンのような用途でコメント書きなどに使ったらしい。
結局使い方に明確な決まりがあるわけではないので、自由に使って問題はないと思うが、原稿などに書き込む場合は赤鉛筆の役割とは違う役割を与えなければならない。すなわち校正ではない注意書きや補足をする用途とするなど。他人の原稿の場合はコメントを書いたり、指示事項を書いたりするのが良いのか。自分の原稿の場合も、更に書き足すことがある場合のメモなどを青で書くようにするか。
実際、赤鉛筆の出番に比べて青鉛筆の出番は少ないことになる。赤青鉛筆も赤7:青3の比率のものもあるが、これは使われ方がその比率になる何か根拠があるのだろうかと疑問を持つものの、赤より使わないという以上の理由はないのかもしれない。
勿体ないので、なんとか青もそれなりに使いたいものだ。
余談になるが赤青鉛筆は色鉛筆なので芯は普通の鉛筆より柔らかい。性質も違う。電動や手回しの鉛筆削り機で鋭角に削って芯を尖らせると折れやすくなる。手動で鉛筆のほうをくるくる回して削るタイプの角度で削るのがちょうど良い。
ナイフで削るとさらに都合が良いように仕上げられると思うが、慣れていない自分にとっては少し技術が要るのと、会社の仕事の場などでは無駄な時間を費やしていると思われかねないのでやめておく。