鉛筆で原稿を

投稿者: | 2016-04-30

画家は、スケッチのようなラフなものから何枚も習作を描いて作品を仕上げていく。文章などの物書きもアイディアのメモの段階から幾つものステップを経て次第に書き上げてゆくという流れではそれと基本的には変わらない。アイディア→メモ→下書き→清書、というのが一般的な流れだろう。
パソコンで文章を書くのが一般的になってきて、その様な作業プロセスは曖昧になってきている。最初から最後までパソコンの同じフィールドで作業ができてしまうためであろうと思う。メモや下書きの段階から清書、出版に至るまで、エディタ、ワープロソフトとあとは公表のためにブラウザ辺りがあればパソコン内だけですべて完結してしまうという意味である。
ワープロ専用機が普及し始めて初期の頃は、まだ少し違っていた。メモや下書きまでは依然として用紙を使うのが主流で、ワープロは清書マシン、印刷マシンであったし、それを原稿として、出版物などに対しては更にそのための清書が必要だった。
そういえば、今はあまり清書という言葉を聞かなくなった。どうせなら、こうしてブログを書くような作業についても、一度回帰して、手書きの工程を取り入れてみてはどうか。
アイディア、メモ、下書きの工程を紙と鉛筆を使って行うのである。用紙に概ねのプロットを作成し、それを原稿用紙やレポート用紙の類に下書きとして簡単な文章で書く。それを見ながらテキストエディタで入力して、それをデータとしてあとはワープロで仕上げを行うとか、ブログに投稿するとかというプロセスにしてみるのである。
このところ最近は、エディタで作成したものをワープロから用紙に出力して校正を行うという作業であったが、こうすると、入力する時に一度推敲できるし、更にこれを用紙に出力するともう一度校正・推敲ができる。
どういう効果が現れるか、ただ面倒というだけかもしれないが、そんなスローな作成過程を経るのも良いのではないか。鉛筆や用紙の類がそれなりにたくさんたまっているので、それらを少し消費する策としても悪くないかもしれない。