10年ほど前、様々な筆記具に興味を持ったそのうちに行き着いたのが鉛筆で、片っ端からとまではいかないまでも、市販されている各種の鉛筆を手にしてだいたいそれがどんなものかということを比較しつつ、少し集めてきた。
普通の筆記用の鉛筆が基本だが、硬筆書写用の鉛筆やマークシート用の鉛筆など特定の用途のものなどもあって、最近では朱藍鉛筆などにも少し興味を持って、そういうものも使い始めたりしている。
意外にも、これまで色鉛筆には興味を持つことはなかった。自分としては、集めながら実用するということが基本なので、使う機会が考えられないものについては試すこと自体もしようとはしなかったからである。もらい物の、STEADTLERのカラト・アクゥエレル12色がだいぶ昔からあって、いざ必要となったらそれを使えば良いのだと思っていたこともある。
いつも文具店で見かけながら、最近、ふとこの分野も試してみようと思い立ち、今の新しいカラト・アクゥエレル12色を購入してみて、色鉛筆も鉛筆の分野の一つなのだと思って少し興味を持ち始めてる。それなりに選択肢も多いからだ。
多色かどうかということにはあまり興味はない。実際に自分が美術的にそういう使い方をするのならその辺は重要なのかもしれないが、それがどういうものか、あるいは日常で必要に応じて僅かに彩色を施したいときに使う程度なら、基本の12色セット程度でひとまずは十分ではないかと思うからである。
子供の頃、より色数が多い24色のセットなどが欲しかったというのはあって、時々何かの時に誰かからもらったりしたというような記憶も少しあるが、鉛筆同様にそれ以上の記憶はあまりない。
むしろ、サクラのクーピーペンシルのほうが記憶にある。着色用の鉛筆類としては当時目新しかったそっちばかりを使ったような記憶があるのだ。ある色ばかりを使ってその色が短くなったり、1本だけ紛失したり、電動の鉛筆削りで削ってとがらせてみたりとか、そういう他愛もないことばかりである。それで何を描いたかという記憶も曖昧で、つまり、きちんと色鉛筆を使ったことがないのだ。
単色刷の講座テキストのイラストなどを、淡く着色するだけでイメージがだいぶ変わる。せいぜい、自分はそんな遊び方くらいしか今はしていない。