万年筆に手を出した当初は、Pelikanなど海外製のものや、国産では以前から使ったことのあったSAILORを使っていた。その頃、MOLESKINEをよく使っていたがParkerやPILOTはインクが裏抜けするなどと言われていたので手を出さずにいた。
MOLESKINEはあまり使わなくなったのと、色彩雫のインクが気になって仕方がなかったので、ついにPILOTの万年筆にも領域を広げたのである。Cocoonやプレラも数本あるのだが金ペン、金ニブのものを並べてみた。
写真の、一番手前のはCaplessのマットブラックの細字である。コンバータは生産中止となったCon-20を使っている。
これは、まず目立たず、万年筆だということも気付かれにくいので持ち歩いて仕事で使っている。スケジュール手帳に書き込むのもこれだが、会議のメモや発言録を自由にノートに書くのに非常に都合が良い。しばらくインクはPILOTのBBだったが、最近色彩雫朝顔に変えた。ノートはマルマンMnemosyneであるが真っ白な用紙に朝顔の青が冴えるので書いていて気持ちが良いのである。ただ、たまにインクが乾きやすいこともあって、横置きするとか毎日使うなど少し気を使う必要がある。使い込んでいるため、ノック部分の塗装がだいぶ剥げてきているほか、軸にも幾つか傷がある。
その上のは、Caplessの青い軸の中字である。コンバータは、これも生産中止となったCon-50を使っている。プレラについてきたものを流用した。
マットブラックの書き心地があまりにも良いので、中字でもさぞかし良かろうと購入したもの。思い通りフローも書き心地も良好で、色彩雫の紺碧などを入れて大きめの文字で自由に何かを書くのに使っている。今は一時的に色彩雫の紫式部を使っているが、この後は更に色彩雫の深緑を使ってみてから紺碧に戻そうとしているところだ。
上から2番目のは、ELABO金属軸ブラックの中軟字である。コンバータは付属のCon-70を使っている。
Caplessの中字での書き心地が想像通り良かったので、日本語を書くのにより適しているというELABOを使ってみたいと思い購入したもの。デザインもシンプルだが高級感がある。金属軸のはCapless同様に適度な重さがあり、とにかく書きやすい。インクは色彩雫の月夜で、常にフローも良好。A罫のノートなどには中字は少しつらいと思うこともあるが、字幅が太い分見やすく書けるので気分によりこれを使って書く。ブログの原稿などを原稿用紙に下書きする時は、細字万年筆では役不足で、中字のこれなどが最適である。
一番上のは、Custom 74の細軟字である。コンバータはCon-70だ。
ELABOで知ったCon-70があまりにも良いコンバータだったのと、ソフトニブの書き心地で文字のアクセントが付けやすいことを知ったので、そういう組み合わせの1本を持ちたいと思って購入したもの。インクは、Parker QUINKのBBか、WATERMANのMysterious Blueを入れている。PILOT純正のインクより少しフローが絞られる分、より強弱がはっきりと表現される。細字はノートや便箋の罫に合わせて書くのに一番都合が良く、結局それくらいの文字を書くことが多いので使用用途が最も広い。
ELABO金属軸に比べるとずっと軽いが、キャップを尻軸に付けると軽すぎるということはなく、寧ろ適度な重さで快適に書けると思うことも多い。本格万年筆としては入門クラスなのかもしれないが、侮れない性能である。価格分以上の価値はあるように感じる。
最後に、真ん中のはELABO金属軸ライトブルーの細軟字である。コンバータは付属のCon-70である。
最初に購入したELABOの満足感とCustom 74の細軟字の書き心地の良さを組み合わせると最強なのではないかと思って入手した。想定通りの最強感は使い初めてすぐにわかった。多分、自分の使い方に最も適しているのがこの辺りなのだろうと思っている。インクはPILOT純正のブルーである。フローが良いので朝顔にも似た綺麗な青になり、強弱が表現される分更に万年筆らしい筆跡が出るので、この組み合わせも良い。今後は純正BBなども使ってみる予定である。