筆記具を選ぶときは、必ず字幅を考えなければならない。細字とか太字とかいう、あれだ。鉛筆の場合は削り方一つでどうにでもなるのでほぼ関係ないが、それ以外の筆記具では購入する時に決めなければならない。
シャープペンシルでは、0.3mmとか0.5mmとかの数値で表される。ボールペンも一般筆記具の場合は同じ場合が多いが、万年筆と同様に細字・中字・太字、F・M・Bなどで表されることもある。
シャープペンシルでは、ほぼ0.5mmが標準になっている。鉛筆になれると0.5mmでも細すぎるように感じるが、0.3mmのものも一般によく使われているし、0.7mmや0.9mmとかそれ以上の太さの物もある。自分としては、だいたい標準の0.5mmのものを選ぶ。シャープペンシルの字幅としてそれで丁度良いし、標準なので選択肢も広く入手もしやすいからである。
学生時代、周りで0.3mmが流行りだした。真似してやってみようとしたが、小さく書けるのは良いのだが、後で見返すときに小さすぎて不便で役に立たなかったので以来標準の0.5mmばかりで、0.3mmは製図で必要なときに使うくらいである。0.7mmなども使ってみるが、太さを求めるなら鉛筆を使うので、シャープペンシルとしては0.5mmでいい。
ボールペンも数値で字幅が表されることもあるが、シャープペンシルのように厳格ではない。油性かゲルインクかなどでも、メーカーでも異なり、相対的だ。だいたい、細字クラスを選んでいる。0.3mmの極細ではなく、0.5か0.7くらいのものだ。このクラスのを選べば、だいたいどんな筆記の場面でも困ったことがない。太字のものを選んだとしても、特別太すぎるものというのはないので、だいたいどんな筆記にでも使える範囲になっているため、ボールペンの字幅は極細以外を選べば困ることはないと思っている。
いつも迷うのは万年筆の字幅である。国産品と舶来品、メーカーや製品、使うインクや書く用紙によっても違いがある。もっと細かくいうと、万年筆の中のインクの残量やその時の室温・湿度などによっても微妙に違いが出るように感じる。同じ細字と言っても全く異なることが少なくない。
何本も所有してみてある程度はわかる今となっては見当も付くようになってきたが、初めの頃は思い通りの字幅に当たらずに苦労した。
必要な字幅は、用途で考えてみるとわかりやすい。手帳は細字か極細、ノートは細字から中字、手紙なら細字から太字、宛名書きと原稿用紙は中字から太字、年賀状など葉書の添え書きは細字など。舶来品は国産品の同じ分類より一段太いのでそれも考慮して決めるなど。あとはそれの使用頻度なども含めて決めるが、自分としては特定の目的でというのではなく、利用範囲を広く見てだいたい細字から中字の範囲あたりのものを選ぶことにしている。
なお、万年筆では細字・中字・太字の他にも中細とか極細・極太、ミュージックやカリグラフィなど多数あるが、それは特にそういう目的がある場合に考えるべきである。