「日本語入力システム」という呼び名には最近違和感がある。「日本語ワープロ」も同様で、簡単に言えば国語と日本語の違いのようなものである。我々日本人の視点では言語の視点で日本語という場合はあるにしてもこういう場合は国語、国文、(英文・欧文に対する)和文というほうが理に適っていると思う。
文章をPCに入力する仕組みとしては、様々な呼び名がある。
・FEP(フロント・エンド・プロセッサ)
・IME(インプット・メソッド・エディタ)
・日本語入力システム
・かな漢字変換
どれもそれぞれ意味があって、同じ物を指す並列的な関係ではないのかも知れないが、自分として馴染みがあるのはIMEと日本語入力システムである。
FEPはMS-DOSの時代の入力方式のことをよくこう呼んだ。ATOKもFEPの一つであった。Windows時代になってからは専らIMEとか日本語入力システムと呼ばれ、変換の方式をかな漢字変換という。
日本語入力システムではない良い言い方はIMEというか、かな漢字変換というか、あるいはほとんど使われない和文入力というべきかであるが、それは相手に理解されるかどうかで決めることにしたい。
同様のことはキーボードの呼び名にも言える。
JIS配列のキーボードを日本語キーボードとか日本語配列という場合があり、またASCII配列のものを英語キーボードとか英語配列と呼ぶことがある。何も考えずにそれで良いような気もするし、相手によってはそう言ったほうがわかりやすいかと思って使うこともあるが、キーボードの配列には言語学的な性格はない。
日本語キーボードで英語が扱えないわけではなく、その逆も同様。JISとかASCIIとかの配列の規格の視点の方がより正確であるので、なるべくそう呼ぶようにしている。