ノートの様式には、横罫、方眼と無地がある。横罫は一般的又は文系的、方眼は理系的、無地は創造的な用途に向くと思われている。無論、実際にはそうでない用途に使っても問題ない。
自分もこれまで何冊もノートを使ってきているが、この中では無地が苦手である。用途として文字を書くのが主だが、無地は文字のガイドとなる罫線がないのでどのくらいの字の大きさでどう揃えれば良いのかわからない。字は大きくなり、大きさもバラバラになり、上下に波上に並んで見映えも悪く、自分で満足できる使い方が出来ないのである。
Webなどで検索すると無地で綺麗にノートを使っている例が探せるが、ああいう人たちはどうやって字を揃えて書けるのだろうと不思議でならない。
そうして書く字はそれなりに練習してみても、結局罫線がない環境ではダメである。ほとんど少しも上達していない。若いうちでまだ字形に癖が付く前でなければ、見違えるように上達するのは困難であるようだ。多分、今からはもうこれ以上字が綺麗になるということはないだろう。
そういう環境で書くと変な力も入る。万年筆は筆圧が要らないなどと言われるが、手の甲や腕に力が入りすぐ痛くなってくるので、それでまた苛々してくる。
無地ノートであることとは関係なさそうでもあるが、無地ノートを使うと顕著である。普段使っているMDノートの方眼だと、字の綺麗さは同じでも罫線の御陰で揃うので、まだストレスは溜まらない。
少し前に、コクヨの大人Campusの無地を買ってみたのだが、これは用紙としても万年筆と相性が良くないように感じる。カスタム845のような少し大きな万年筆になると、MDノートや方眼のProject Paperなどでは感じられないペン先の引っかかりのようなものが特に顕著で、万年筆が重く感じられる。裏写りなどがして使えないということではないが、用紙の滑面度やインクの吸収度との相性だろう。自分の感じにはこのノートはあまり合わなかった。
MDノートは見開き毎に使う万年筆を決めているので、それ以外の万年筆を使うときにこの無地ノートが使えるかと思ったのであるが、断念せざるを得ない。そういう用途には、これまで通り100均のProjectPaperで良い。100均でも国産の高品質である。