数値を入力するのには普通テンキーが必要と思われているが、不要と考える人も少なくない。何しろ、キーボードの最上段に数字入力キーがあるので、それで入力することで基本的には問題がないからである。
文章中の数値入力などは、いちいちホームポジションから手を動かしてテンキーに手を持って行くのは煩わしいし、作業が長時間になると疲労にも繋がる。
しかし、余程数値を連続して、Excelなどに入力していく作業である場合はそういうメインキーの数字キーよりはテンキーであるほうがずっと良い。テンキーは場合により必要である。そもそもそういうニーズのためにフルキーボードにはテンキーが備えられていて、今でもフルキーボードがキーボードの標準である。
RealforceのUS配列、テンキーレスにはノートPCのキーボードに付いているような、NumLockで切り替えて使える代替テンキー機能がある。テンキーレスなのにテンキーがあるなんて一見ナンセンスなのだが、テンキーが不要とまでは言えないけれど配置場所などの事情があってテンキーレスを選んだ場合のテンキーのニーズなどを考慮してのものなのだろう。テンキーは不要ということではなく、あったほうが良いが無くてもいい、キーボードそれ自体はテンキーレスで良いのだが、というまさにそういう、一見矛盾とも思える考えに対応する機能が付加されているように思う。JIS配列のテンキーレスにはこの仕様はない。
ただ、やはり代替テンキーは使いづらい。NumLockのキーを押して切り替えてからでないと使えない。僅か一打鍵の操作なのだが、これが本当に煩わしい。テンキー操作を終えて使い終わるのにもう一度NumLock操作をしなければならない。ずっとテンキー操作ならそれで耐えられるかもしれないが、文章入力中にNumLockで切り替えて単純な数値を入力し、またNumLockで切り替えて元に戻すなどいちいちやっていられない。それなら最初からフルキーボードのテンキーのほうがまだ良い。
また、配列の関係で段で配置がズレているのもテンキーに関しては使いづらい。数字は、きちんと縦横整列していないとダメなのである。
つまり、テンキーは使う頻度は少なくても、数値入力には便利であり、条件が許すならテンキーは用意しておく方が良い。フルキーボードならそういう心配は要らないが、テンキーレスやノートPCなどにおいては、外付けの独立したテンキーもあると良い。