異なるPC間でデータを授受したり共有したりするためには幾つか方法があるが、最も原始的でわかりやすい方法は記録媒体によるやりとりである。古く、ワープロ専用機やその頃のPCの時代ではフロッピーディスクだったし、それがMOやハードディスクになり、USBメモリ、SSDなどと移り変わってきた。
媒体の付け外しなどの手間は大きく、当該媒体とPCと1対1の関係だが単純でわかりやすい。
そのうちに、NASという方法も一般的になった。これだとPCが同じネットワーク内にあれば、複数のアクセスも可能で、HDDなどの媒体より高度な管理ができる。
そんなネットワークストレージを本格的にデータセンターに持って行くという形式が、いわゆるクラウド、クラウドストレージであって、今はクラウド経由でデータを共有したりクラウド側にデータを置いて管理してもらうという方法も一般的になってきた。
OneDriveやGoogleドライブその他、いわゆるクラウドストレージと呼ばれる領域は、だいぶ前から当たり前のように使っているが、それでもオフラインの時はどうするのかとか、本当に安全と言える領域なのかという点で、やはりローカルに保存する利点のほうが大きいと思っている。これは当初も今も、基本的には変わらない。
PCを起動する時は当然のようにオンライン、すなわちネットに接続した状態で使うので、オフラインの時、というのはあまり考えなくても良いのかも知れない。しかし、絶対にオフラインにはならないと言い切ることはできず、そういう場合にオンライン側にしかないようなものはアクセス自体が全くできなくなってしまう。オフラインでも使えるように、ローカルにコピーが保存されるような仕組み、あるいはローカルとクラウド側とで同期する仕組みになっているのが最も安心ができる。
安全性とかセキュリティに関しても、他のユーザが勝手に入り込めないようになっているのは当たり前だが、システム上で勝手に共有状態になっていないか、クラウドの管理者側がデータを閲覧できるようになっていないかなど考えると、あまりプライベートな内容とか見られては困るようなセキュリティ的なものなどは、安心してクラウド側に置くことは、まだ難しいかも知れない。
もちろん、有償無償を問わずに、そういう部分の管理は徹底しているとはクラウド管理者側のサービスでは主張するが、仕組み上それが自分の意志に反してできてしまうような状態に変わりはないので、クラウド側で管理させるデータの種類は、やはり限られてくるのであって、所有している全てのデータをクラウド管理というわけにはいかず、ローカル管理のままというデータとの併用ということになってくる。
そういうデータの管理が当たり前なのか特殊なのかわからないが、クラウドストレージの登場と利用によって、便利になった部分もある反面、ローカルとの併用で面倒になった部分も少なくないのである。