文章書きのためのキーボードとしてHHKB Hybrid Type-Sを使っている。白配色の無刻印である。これが、併用しているRealforceと同様に、とにかく快適である。一言で言えば打鍵感が良い。静音スイッチの打鍵音に高級感も感じるし、45g押下圧も適正で最良なのである。高価なキーボードを使っているという感触もあるし、プロフェッショナル感が更に増す無刻印を使っている満悦感もある。
そんなHHKBは、キーレイアウトが普通のキーボードに比較するとだいぶ特殊な部分がある。キー数はフルキーボードの60%程度、僅か67キーで全ての機能を割り当てているわけだから、コンビネーション操作が多くなっているのは仕方がない。
最も感覚を修正しなければならないのは、独立したカーソルキー(矢印キー)がないことである。
HHKBを初めて使ったのは15年くらい前になるが、その際には初めてのUS配列だったということもあり、使い慣れるまでには少々時間を要したように記憶している。カーソルキーに関しては、右手小指で押下する【Fn】キーと【[】【;】【’】【/】キーの組み合わせ。文章で書くとそうなってしまうが、キーボードの【Enter】キーのすぐ左横のダイヤモンド4つのキーとのコンビネーションでの操作である。
実際やってみると、そのカーソルキー操作自体はすぐに、感覚的にも理解できて使えるようになるのであるが、アプリケーションによっては、このカーソルキーと更に別のキーの組み合わせだったりする場合もある。例えば【Shift】キーとカーソルキーの組み合わせで範囲選択など、そういう組み合わせが増えると、既に【Fn】キーとの組み合わせが生じている中で、すぐに目的のキー操作が無意識にできるようになるにはだいぶ練習も必要なのである。
ファンクションキーも【Fn】と【1~0】などのキーとのコンビネーションになるが、ファンクションキー操作自体も【Ctrl】とのコンビネーションだったりするとこれが3キーの同時押しになるので、操作自体がやはり大変である。
そんな理由もあって、そういうキー操作を多用するような場合については、HHKBはやや難があり、自分はRealforceのほうを使うようにしている。HybridタイプのHHKBはBluetooth無線なので、またそもそも小型のキーボードであるので、取り回し、切替も楽ではある。
さらに、カーソルキーの操作に関連して【PageUp】【PageDown】【Home】【End】の操作も必要な場合があるが、この場合もまた少々大変である。やはり【Fn】キーとの組み合わせで、【l】【.】【k】【,】との組み合わせである。やはる文章でこう書くと全く関連性がなく覚えられなさそうと思うが、カーソルキーに隣接して配置されているのでそんなに難しい場所にあるキー操作ではない。
【PageUp】【PageDown】は、スクロール操作のほかにATOK変換操作で1文字確定などに使ったりするが、そういう操作で使うのにやはり【Fn】キーとどう組み合わせるのだったか思い出すために少し戸惑うことがある。
あとは、【PrtScrn】操作が【Fn】+【I】であることくらいを覚えておけば、通常使うキー操作はだいたい問題がない。
そのような、機能キー操作の特殊性はやはり特殊な部分があって、その辺の操作が煩わしいと思うことは多々あるので、Realforceなど普通の配列のキーボードとの併用は必要と思っている。
HHKBの作業の中心は単純な、このような文章入力の作業ということにしている。
なお、【Fn】キーは、Realforce R2にもあるが、こちらのキーはキーボード標準機能ではない機能への導入キーであって、必要に応じて使えば良いので問題ないが、HHKBの場合は【Fn】キーを使わないとキーボードの機能自体を使えないという違いがある。