そのような訳で、クラウドストレージも当たり前に使うようになった。
自分がやりたいことの基本は単純で、複数台のPCでデータの同期を取ること、基本的にこれだけである。でも、それだけだとこういうクラウドシステムは持て余すので、クラウドストレージという特徴を活かして、データのバックアップ先とか、保管先とかという使い方もしていく。
こういう目的のための領域としては、GoogleドライブやMicrosoftのOne Driveのサービスを使っている。これらは、もちろん無料で利用できる範囲ではあってもきちんとしたサービスなので、十分に目的を果たすものである。Googleドライブは15GB、キャンペーンで取得した2GBを合わせて17GBの容量、OneDriveは5GBくらい? だったかな。
OneDriveはMSのサービスでWindowsの機能と融合しているという安心感は大きいが、たまに同期が失敗してPC間でコンフリクトするファイルが発生してしまうことがあったりするのは気になる。十分とは思うが容量も数GBでは写真の保存を今後クラウドにしていくとした場合は心許ない。無論、有料プランを使えばまたその点は変わってくる。
Googleドライブは、ドライブ内のファイルをストリーミングで運用できるので、同期を取るとしてもローカル側に容量の負担がほとんどない状態で使うことができる点が評価できる。また、ドライブがGドライブなどローカルのドライブとして認識させて使うこともできるので様々な点で都合が良い。容量も大きく、大きな不満はないけれど、これまで無制限だった写真の容量がカウントされるようになるなど、こういうサービスは仕様の有償化を含めて変更を受け入れざるを得ない。
WordPressでこのブログを構築するためと、AOURのWebサイトを公開するために、このXserverのレンタルサーバ領域を使っているが、容量が300GBもあって、それだけの使い方ではほとんど持て余す状態でもあった。折角借りているので、有効に使う方法として、この領域にクラウドストレージの仕組みを入れる方法があると知って、そういう使い方ができないかと模索していた。
それがNextCloudの仕組みである。
レンタルサーバは自分が使う専用領域なので、コントロールの自由度も高く、基本的にセキュリティが高い。Xseverは環境も良いので高速で安心感もあり、容量も十分で、全てローカル環境や他のクラウドサービスよりも安定したクラウドストレージの運用ができるのではないかと思ったのである。
だがしかし、こういうレンタルサーバでWordPressを動作させる手順の情報は腐るほどあるのに対し、NextCloudをインストールして運用していくノウハウはないわけではないが、極端に少ない。
レンタルサーバによっては、WordPress同様にNextCloudの自動インストールにも対応しているものもあるというが、Xserverはそうなっていないのである。
ただ、実際そういう情報を頼りにやってみると、インストール自体はさほど困難ではなく、難なくインストールが完了して使える状態、すなわち独自の大容量クラウドストレージ環境ができあがったのである。
せっかく容量があるのだからと、Googleドライブで運用しているデータファイルも何とかNextCloudにもバックアップ的に連携できるようになり、だいたい意図したとおりの運用ができるようになった。
レンタルサーバーは、最低限の利用でもそれなりの知識が必要であるため、ブログを始めたいという人でもWordPressを自分で構築して運用するという選択はそう多くはないと思っている。レンタルサーバを使う人のほとんどはWordPressが目的だったり、あるいは従来型のHTMLサイトの構築を目的とする人も居るとは思うが、それ以外の目的というのは、おそらく少ない。
あるいは、中・小規模の事業者が領域をレンタルして、自社のHPやブログを開設したりメールの仕組みを使ったり、商用サイトとして使ったりする場合もあるかもしれない。そういうニーズもある。その観点からすると、クラウドストレージも一つのそういう選択ではあると思うのだが、個人利用に至っては上記のとおりで、そんなに大量の容量を使い切ることは中々難しく、既存のクラウドサービスやブログのサービスを利用するという選択の方が一般的であろうと思う。
それでも、おそらく既存のサービスではなく自分で構築して自由度高く運用したいというニーズはあり、容量を活用する手段としてWordPressだけではなく、NextCloudのようなサービス構築の利用ということも、多くのレンタルサーバでサポートされるようになるのではないかと思っている。
NextCloudを使って
使い始めて間もない段階ではあるが、既存のOneDriveやGoogleドライブと比較しても、ほぼ遜色はない使い方ができるものだと思っている。オープンソースのシステムとしてここまで提供されるなら、今後はもっとユーザが増えていくものと思っている。
普及の鍵は、マニュアルや公式サイトの日本語対応、日本語による情報量だとも思っているが、中々それは進まない。ただし、NextCloudのアプリケーションとしては全て日本語対応となっているので、その点でも何か困るようなことはない。
常駐のアプリケーション、デスクトップクライアントを使って、ローカルのフォルダとの同期もできるし、アップロードしたファイルの共有も、Googleドライブのファイルとだいたい同様のことができる。拡張的に機能を増やせば、カレンダーやチャットなども利用できる。
もちろん、独自のOfficeアプリの仕組みやフォトストレージに特化した仕組みは乏しい部分もあるとして、自分としてはこれで、あとはストリーミング的な利用ができるようになると、Googleドライブと本当に機能的にも遜色のないストレージ機能になると思っている。