PCを使っていく以上、保存すべきデータファイルは必ず発生する。
ワープロソフトや表計算を使う場合は当然のことながら、テキストエディタ書いた原稿であったり、あるいは画像データ、写真のデータだったり、音楽のダウンロードファイルだったり様々である。
そんなデータは、通常はユーザ領域のMy Documentsなどに保存されるのが普通で、これはWindows 95辺りからずっとその基本的な仕様は変わらない。
多くの人は、たいていその場所にデータを保存して運用している。あるいはデスクトップに無造作に放置している場合もあるかも知れない。
自分の場合は、My Documentsの仕組みが提供される前から、My Doucmentsが標準ということになってからも長い期間、そこに保存するのを避けてきた。
理由は幾つかあって、一つはフォルダ名にスペースが入っていて、Windows 3.1の8.3のファイル名時代から使っている身として何だか不安だったことがある。また、起動ドライブと同じ場所にあれば、何か問題が起きた時に、そのドライブごと使えなくなる恐れがあったことだとか、標準で決められた場所には置きたくないという心理的なものなどにもよる。
当初は、パーティーションを区切ったDドライブなどに保存するようにしていた。
それはまだPCが1台だけで運用していた頃は基本的にそれで問題はなかった。データの本体はそこに置いて、適宜媒体にバックアップを取るくらいのことで十分だったのであるが、別の場所に配置したPC間でのデータ共有ということになると別の方法を考えていく必要が生じてきた。
それでも当初は、そのうちの1台のPCでだけ運用してもう一台のほうは予備機的な扱いでもあって、データの共有ということは余り考えていなかった。
データを共有し、適宜同期するためには、データの原本を一元化することやデータをどうやって持ち運ぶかということを考える必要もあった。
USBメモリや外付けHDDというのが一般的かも知れないが、都度持ち歩いて付け外しを行う必要があり、常用するデータなどは面倒である。しばらくは両方に同じデータを置いて適宜、そういう外部メディアに保存したデータと同期を取るようにもしていたが、これもかなり面倒臭い。
結果的にはNASを導入し、それを用いてデータの共有を行うようになった。
BaffaloのLinkStationやIOデータの機種を幾つか試し、当初はさほど位置的な重要視をしていなかった。NW機器の一つとしてLAN内に配置するという程度だったが、複数PCを本格的に使うようになってからはデータ共有、データ保管の手段として重宝するようになり、何台かのLinkStationを併用し、バックアップはローカル接続のHDDに行うという方式によっていた。
やがてGoogleドライブなど外部ストレージも一般的になってきたが、やはり外部に置くのは抵抗もあり、しばらくはローカル側のネットワークで完結するような仕組みにしていた。
NASも様々あって、通常の物だとずっと起動していなければならないので、ルータのUSBポートに接続したUSBメモリを簡易NASとして運用して、そこに保存していた時期もあったものの、USBメモリの発熱で劣化も早いような気もして、やがてその方法も使わなくなった。
Googleドライブの機能、連携アプリの機能が充実してきたのをきっかけに、愈々外部のクラウドに保存するという方式でも良いかと思うようになった。
しばらくは従来の方式と併用していたが、やがてクラウドを基本にするようになった。
Googleドライブでこういう連携アプリの機能が追加されたと言えば、それをメインにして、OneDriveも同様の機能があって、こちらはMSの純正の仕組みなので、嘸かしWindowsとも相性が良いだろうと思って、それも併用してきたりしていた。
実際、ファイルの同期は基本的に思い通りにできるようになっていて、更新したファイルが常に最新にもなり、安全なクラウド側へ保存されるので、そういう運用でありながら、時々ローカルのSSDなどにもバックアップを取ることで十分問題なく運用ができていた。
細かいことを言えば、時々更新がうまく働かずに、もう一方のPCで古いファイルを更新してしまって、どっちのどこが新しいファイルの更新箇所なのかわからなくなって困ることもあったりして、Googleドライブのほうが調子が良く、ドライブとしてマウントできたりストリーミングで運用できたりと便利なので、それに一本化したいとも思いながら、そういう運用をしてきたところである。
もちろん、プライベートなデータファイルなどはやはりそういうパブリックサービスのクラウド領域へ置くというのは抵抗もあって、別の体形での保存運用とせざるを得ない部分もあった。
Googleは15~17GB、OneDriveは5GBという容量で、自分がクラウド側で利用する領域としては基本的にそれでも十分なのであるが、写真データなどが増えてくると、今後はどうにも不足するような気もしていた部分はある。
そんな中、レンタルサーバを乗り換えて大きな容量のプランになったので、WordPressでブログをやったとしてもまだ大量に余裕ができることになった。そういう余裕部分の使い道を調べている過程で、クラウドストレージとして利用する仕組みが使えるということを知った。それがNextCloudであるが、インストールが難なく成功するのか疑わしい部分、情報が少ない部分もあったのでしばらく躊躇していたが、この度インストール・設定をしてみたら特に支障なく使えるようであったので、言わば自分で構築した形のクラウドストレージの環境ができた。
データ同期のためのアプリもあって、既存のクラウドサービスと同等の機能が実現できるので、基本的なデータ群はそこに置いて使うように切り替えつつあるところなのである。