最初のPC-98の頃は、本体にモノラルのスピーカが内蔵されていたはずである。ビープ音の発出はあるが、まだインターネットも一般的でなかったので、あとはWindowsやゲームの効果音くらいで、音楽や動画の音声をPCで聴くというような使い方は無かった。
なので自分も、その頃のPC-98では本体スピーカで十分で、それ以上の物を求めるようなことはなかった。
だが次第にインターネットが普及してきて、少しずつではあるが動画の音声などもPCから発出する機会が出てくると、あるいはシミュレーションゲームの効果音なんかもステレオのスピーカで聴きたくて、よく見れば富士通のPCには振動板で音を出す小さなスピーカが付属していた。基本的にだいたいそれで問題なく音を聞くことはできたが、やがてすぐにSONYのアクティブスピーカという、数千円程度のアンプ内蔵のものを購入してそれを使うようになった。これはこれで快適でいい音だったのである。
ノートPCがメインになってからは、ノートPC本体付属のスピーカも使ったが、やはりそのSONYのアクティブスピーカを使ったし、もう少し小型の、SRS-M50という同種のスピーカに変更したりして、それを使っていた。その頃にはもう、PCで動画再生だとか、Web上でYouTubeなどの映像を見て音声を出力するのは当たり前になっていた。
ヨドバシで、BOSEのPC用の最高峰というスピーカというCMMを見かけたが、さすがに3万円かそれ以上の価格のものには簡単には手を出せず、しばらくはそういう環境で使っていたが、もう少し安価なBOSEのスピーカ、Companion II辺りを導入してそれを使い始めた。
だか結局、その数年後にはBOSEのCMMもやはり溜まったポイントを補助にして入手して、以来、PCのスピーカはBOSEのそれらで構成して今でもそれを使っているのである。
一度CREATIVEのそういうスピーカも使ってみたが、これは音質が違いすぎて自然な音にならず、使い続けるには至らなかった。
ONKYOのデジタルオーディオプロセッサも導入してみたが、直結してアナログで出力するのとそんなに違いは感じず、従来のままである。USBスピーカという選択もあるのだろうが、ノートPCでポートが少ないのもあるし、ヘッドホン端子で出力するので特に支障が無いので、そうしている。
周りに音が聞こえぬようにとか、繊細な音を聞き漏らさぬようにという点で、ヘッドホン端子にスピーカではなくヘッドホンを接続して聴くことも希にあるが、これはしばらくオーディオテクニカの製品、高価という程までは行かないが安価ではないほうの製品を使っていた。
使用頻度は少ないが、接続の切替が面倒であるのと、もちろんケーブルの制約があるので取り回しが良くないような状況で、好んで使うことはなかった。
インナーイヤー型のヘッドホンは、体内音が聞こえたりして不快だったり、長時間耳に付けていると外したときの違和感があったりと、そもそもそんなに気に入って使える物でもない。
ただ、つい先日、初めてBluetoothの完全ワイヤレスヘッドホンを導入してみた。
SONYのWF-C500で音質も良く快適ではあるが、しかしやはりインナーイヤー型ではあるために、久々に導入した最新の製品ではあっても構造上の特徴的なところは同じである。
接続は容易く、ケースに収納すると電源がオフになるので、自動的に元のBOSEのスピーカに出力が切り替わるなど、その辺便利な点も多い。無線と言うこと、あるいはUSBも同様に音の遅延を心配して避けていた点もあるが、まあほぼ気にならない程度のようなので、ヘッドホンとしてはこれが十分に使えるのではないかと思っている。