PCの画面比率の標準が16:9になってから、ノートPCの横幅も広くなったので、15.5インチサイズ以上のPCではノートでもテンキーを組み込めるようになり、そういうキーボードを持ったPCが増えてきた。数値の入力にはテンキーは必要だが、その分キーボードのメインキー位置のバランスが崩れたりするなど、好まない人も少なくない。
自分もその一人であって、ノートPCの本体キーボードとしてはテンキーは不要と思っている。必要なら、外付けのテンキーを使えば良いのである。
実際仕事の関係などでそういうPCを当てられることもあり、たまに使うこともあるのだが、頗る使いにくい。これはキーの配置バランスという点だけではなく、頻度高く使うキーが思うように押下できないほど小さいのと、それによりキーピッチが小さくなって、ミスタイプが増えるからである。しばらく使っていれば慣れるのかとも思ったが、とても慣れるようなものではない。ただ詰め込んだだけで、Enterキーでさえ、必要以上にキーを小さくしている。JIS配列派がUS配列のEnterキーが小さいと揶揄する以上に小さいEnterキーで、様々な入力作業に長い時間使うのは不可能である。
そういうキーボードと比較すると、普段からずっと使っているとそれが当たり前になって気にならなくなるものだが、いかにRealforceなどのきちんとしたキーボードが贅沢ではあっても作業に適したサイズ感や性能、打鍵感を備えているかが実感できるというものである。
その点と合わせて、JIS配列ということもあって変換操作に用いるスペースキーの位置がUS配列とも異なって、標準的な操作でさえも使いにくい。US配列である場合はスペースキーが大きい以前に丁度両手の親指共にスペースキーが使えるので、変換操作がし易いが、JIS配列の場合は、変換キーだとか無変換キーだとか、あるいはカナキーなんかもその周辺にあって、ミスタイプして変換操作に支障を来し、作業効率がずっと落ちるのである。
テンキー付だとBSキーも小指の先ほども無く、その横のNumLockを押下してしまいがちで、次のテンキー操作に影響が出るなど、本当にとにかく、そういう形のテンキー付コンパクトキーボードは一体何が利点なのかわからない。