ここしばらく、輸送経営シミュレーションのOpenTTDを毎日のように、少しずつ進めて2050年を目指している。
元々、A列車で行こう、シムシティ、The TowerなどもDS版でやって楽しんだことがあって、この種のシミュレーション的なゲームのみは、それなりに好きな部類である。
都市が勝手に発展していく楽しみがまずあって、道路が形成され、そこの区画に勝手にどんな建物が建って、最初に1000かそこらだった人口が約100年で何万人までになるのか。
形成された道路に停留所を作って、そこにバスだとかトラムだとかを走らせて乗客や貨物を輸送する。勝手に小さなトラックやバス、市電車両が動いていくのを見るのはただそれだけで楽しく、売上げもまた面白い。空港を建設して、その空港間に任意の航空機を就航させて流通の具合を見るのも楽しい。
特に鉄道に至っては、レールを敷く、駅を作る、信号で路線を制御することに加えて、走行させる列車を選んで編成し、それを任意の区間で走らせるという、鉄道模型を凝縮したような楽しみもあって面白い。SimCityやA列車で行こうなどと基本的にそこは同じでありつつ、様々に制御できるというのも面白い。
ゲームにおいての明確なゴールというのはなく、ただ初期値で1950年から101年後の2051年を目指す。マルチプレイヤーにしない限りはライバルも出現せず、設定しない限りは災害が発生して都市が破壊されるというようなこともない。輸送機器の故障などが発生するようなイベントはある。
資金もある程度は借り入れができるので、最初から一定期間経過後(概ね10年)は、普通の事業拡大の範囲では困ることもないように思う。
そんな、緩さで100年間輸送事業を成長させていくのが、基本的に自分向きではある。
OpenTTDは、Transport Tycoon Deluxeというゲームが元で、それがオープンソースになったものとのことである。Tycoonとは、大物とか実力者という意味だそうでよくゲームの名称で使われる語らしいが、その由来は日本語の「大君」であるとのこと。
オープンソースのソフトウエアとして提供されているので、誰でも無料で使う、遊ぶことが出来る点、また、元のゲームは1994年頃のものらしく、グラフィックも当時のものをベースにしている2Dなので、今のPCスペックでは十分に軽く、低性能なノートPCでも問題なく動作するというのも遊びやすい点の一つである。
NewGRFと呼ばれるアドオンの種のものを追加することで、風景や構築物を日本風にしたり、日本の鉄道車両、実在する航空機のモデルを追加したりもできるので、より現実味を味わいながら遊ぶこともできる。もちろん、日本のそういうものだけではなく、世界各国の車両のアドオンなどが豊富にあるので、自由に組み合わせて拡張させることも可能である。
ゲームのメニュー操作の表示自体はほぼきちんと日本語化はされているので、そこで困ることはない。最初の起動時のフォント設定くらいで、普通にソフトウエアを使いこなすことができるスキルがあれば問題ない。
だが残念なのは、日本語での情報がさほど多くないことである。海外開発のものであるので、これはある程度仕方がない部分ではあって、何度か一通りやっているうちに体得していくしかない。
何度も遊んでいるうちに、このメニューは何なのだろうと調べて把握し、それを使いこなしていくような感じで、他と比べるようなことがないので正確ではないが、それなりに細かいオプションが多くあって、それもまた何度でも遊べる点でもある。
無論セーブは可能なので一気に100年間の事業をやり遂げなければならないわけではない。何時間かずつ、何日間か経ているうちに、数十年経ち、順調に開発を続ければ十分に事業が成長して、いつの間にか更に自由に事業を拡大していけるような状態になっているし、その頃には輸送事業による流通を糧にして都市が成長していくのが結局、面白いのである。
ゲーム開始時のマップは各種のパラメータに応じてランダムに生成されるので、おそらく同じベースのものはなく、すなわちゲーム毎に無限に異なった成長の過程が楽しめると言うことでもある。
OpenTTDは多くのプラットフォーム版もリリースされているし、オープンソースということで有志による開発は続けられているので、今後も様々な拡張が期待できるのではないかと思っている。