Capless万年筆

投稿者: | 2022-12-02

好んで万年筆を使うようになったのはもう何年も前になるが、会社の仕事の場面、会議などでも遠慮無く使いたいという思いから、キャップの付け外しの手間がなく、ノック式で一見ボールペンを使っているような感じに見える万年筆ということで、マットブラックのPILOT Caplessで、Fを選択したのが、もう約10年ほど前である。以来ずっと、それをノート書きとか、手帳記入のために使っている。
御陰で、軸はもうだいぶ年季が入った状態になってきたが、筆記体と呼ばれる中身の本体軸部分、ペン先部分は自分に馴染んで年々良い状態になってきている。

そのマットブラックCaplessは自分にとっては初めてのPILOT万年筆というものでもあった。その頃に使っていたMOLESKINEが、PILOTの万年筆(のインク)とは相性が悪いというようなことがあって、PILOTを選ばずにいたのである。
ただ、それ以後は色彩雫のインクの御陰などもあって、寧ろ好んでPILOTの万年筆を選ぶようになり、今ではほぼPILOTの万年筆以外は一切使っていないと言えるくらいに、PILOT派になってしまっている。

2本目のCaplessはMのペン先、金色ボディのもので、最初のしばらくは書き心地が気に入らなかったが、使っているうちにあるときから書き心地が最高になってきた。
ただMなので、仕事で細かい文字書きなどには向かないこともあり、実際には自宅でばかり使っていた。
その頃から、74、742、ELABO、743、823、845、E95S、あるいはCocoonやその他、多くのPILOT万年筆を所有するようになり、インクも色彩雫や通常のPILOTインクを集めてそればかり使うようになって今に至っている。
インクも色々あるが、結局使うのはPILOTの普通のブルーブラックが主で、ほとんどこれを標準的に使っている。入手性も良く、価格も手頃で、かつ水性インクだが耐水性も良いので、万年筆と共に最も気に入っている。
その2013年に70mlボトルを購入したが、実際まだそれを使い切っていない。そんなに長期間使い続けるのは本当は良くないのかもしれないが、とりあえず問題なく使えている。

インク(PILOT的にはインキ)は、基本的には万年筆にコンバータを取り付けて使うことになる。コンバータは、大型万年必用のCON-70が一番好きである。廃盤になったCON-50とか、ゴムポンプ式のCON-20も良い。新しいCON-40は中の玉がチャラチャラしたりするのと、何だか脆そうで、どうにもあまり好きになれないでいる。

Capless万年筆は、当初はCON-20コンバータを付けて使っていたが、吸引したインクの残量が全くわからないので、きちんと吸い込んでいない状態である場合もあったりして、すぐにインクがなくなったりして、最初の頃は使うのに苦労した。
Con-40コンバータは透明ではあるが、Capless本体に取り付けるとその透明部分がほとんど見えなくなるので、やはりどうも使いづらい。
あるときから、Capless万年筆にはコンバータではなくカートリッジが一番と思い、それに変えてから、劇的に使いやすくなった。
カートリッジはボトルインクに比べて割高ではあるものの、一回一本の供給量が大きく、長く使い続けられるし、Capless本体に取り付けても残量がわかりやすい。

そんな状態で、最初のCaplessマットブラック軸も快適ではあるのだが、少し前から気になっていたCapless LSを導入してみた。
通常のCaplessより一回り太く、ノック式とツイスト式が合わさった独特の機構を持っていて、軸の出し入れも静音で、仕事で使ってもカチカチという音に惑わされることもない。
使い始めたばかりで、まだどうもインクのフローが乗り切らない感、そりゃ10年使ったCaplessとは違いもある訳だが、でもこれが、軸を交換して使ってみたりすると最強で、中々良いのである。
まだ昨日今日の使い始めの感覚では、ELABOのSFニブに似た感覚もあるが、これがもっとフローが改善されれば、とにかく丁度良い、良い物になりそうと思って期待しているのである。
ラグジュアリーなブルーも、自分の好きな軸色である。