ローマ字入力、キーボード操作の基本と日本語変換の仕組みは、20年ほど前にワープロ専用機で覚えた。東芝Rupoである。
Rupo本体の変換辞書にどれだけ単語が収録されていたかはわからないが、誤変換は当たり前のようにあった。変換ができない単語は片っ端から単語登録をしたのを思い出した。Rupoでは、確か「新語登録」という機能名だった。
当時自分が使っていたRupoは、その新語登録の容量も上限があって、2000語程度だったと思う。その少し前のRupoでは、1000語だったようにも記憶している。
登録できる単語は12文字まで。読みは8文字の仮名。
RAM部分に記憶されるので、リセット操作をしたり長期間使わずに放置していると放電して全て登録がクリアされてしまう。
フロッピーディスクにバックアップを取る事はできたが、1ファイルに保存できるのは500語までだったはずで、最大限に登録してあると4回の保存操作をしなければならなかった。
今のパソコンのIMEのように、品詞別の登録なども無論不可能だ。登録した単語はすべてサ変名詞として扱われる。動詞など活用のある語を登録する時は、全ての活用形を登録しないと変換に支障があったので、1単語だけで5登録くらいの容量を消費せざるを得なかった。
人名・地名などの固有名詞、記号入力を楽に行うための登録、カタカナ語など、最大時には1000程度の単語を登録していた。
パソコンに移行して、もうその時すぐにATOKを使い始めたが、当時のATOK9でも品詞別の登録は当然にできたし、登録語数の上限もなかった。もうそれだけで大きな違いであったのだ。
移行してしばらくは、ワープロ時代から引き継いだ登録単語辞書を使ったが、ATOKのバージョンアップに伴い辞書も変換機能もグレードアップし、単語登録の重要性は段々と薄らいできていると感じる。
実際、単語登録が全くない状態でも、日常的な文章を書くのにはほぼ全く都合が悪くないとも言える。これはむしろ、ユーザが単語登録を工夫して変換する事を意識しなくても、本体の辞書や学習機能においてかなり精度良く変換をする事ができるという変化でもあるわけだ。
そうは言っても、やはり先の自主規制後が固有名詞、顔文字など登録しないと変換できないので、登録機能はこれからも不要ではない。