電子辞書EX-WORDを使う

投稿者: | 2009-09-07

今まで興味がなかったわけでもないが、特に必要性を感じなかったので使ったことがなかったものの一つに電子辞書がある。

辞書と言っても参照するのは国語辞典、漢和字典、英和辞典くらいだろうし、だいたいそういうものは従来の電子でない辞書があるから、それを使えば良いわけで、特に必要性を感じなかったというのもある。
最近の電子辞書はタッチペンが付いていたり、イヤホンが付いていたりして、どういうことになっているのだろうとも気にはなっていたが、やはり使い始める機を逸していたのである。

だがこのたび、特に深い理由があるわけでもないのだけれど、CASIOの電子辞書、EX-WORDというものを使ってみることにした。
選んだのはXD-GF6500という機種で、CASIOの分類では特定の目的に特化せずに各種のコンテンツが含まれている総合モデルということになっている。
120コンテンツと100文学作品を収録し、広辞苑や歴史大事典など、文系コンテンツが充実しているのが特徴らしい。まもなく更にコンテンツを充実させたXD-GF6550という後継機種が発売されるようでもある。

電子辞書とは言え、収録されているのは辞書だけではなく、日常生活や雑学的な知識、外国語会話などの知識を得るのに便利なものが多数収録されている。これら全てを必要とするような事はまあ無いとしても、全て書籍で揃えるというような事に比較したら格段に安価であるし、スペースも文庫本1冊程度である。なお重量は320gで、軽いというほど軽いものではないようだ。

DSのようなタッチペンが付属しており、メインの液晶画面と、手前の入力パッドでそれぞれ手書き文字を書いたりマウスポインタのように特定箇所をタッチしたりして使う。
イヤホンも付属しており、英単語の発音や日本語のアクセントなどの音声データを聴くことができる。イヤホンを使わずとも、スピーカーも付いている。
ミニUSB端子もあり、これは追加のコンテンツをPCから転送するときに用いたりするようだ。また、同様に追加のコンテンツの為にmicroSDカードスロットも用意されている。

UMPCよりもまだ一回り小さいサイズ。見かけはまさにそういうミニPCとも言えるようなスタイル。開くと本体部のキーはQWERTY配列。かな表記は上段にあり、通常はローマ字入力であるが、特にかな入力の場合は「かなめくり」という方式で、つまりは携帯の文字入力のようなスタイルで各段の文字を入力出来るようだ。
その他、必要な操作は全て機能キーにより行えるようになっているため、手書き意外はタッチペンを使わずとも操作は可能である。爪の先で軽くタップしてもタッチしたのと同様に反応するのはDSなどと同じである。

画面部は本体部同様の厚みがあり、また本体部と同様の重さもあるのだが、机などにおいてもひっくり返らないように本体の脚部分が工夫されている。液晶は昔懐かしいワープロ専用機のようなモノクロで、バックライトが付いており、手元のキーでオンオフの操作ができるほか、一定時間経過後に自動的にオフになるなどの機能も備えている。これは電源も同じで、画面を閉じれば自動的にオフ(スタンバイ?)になるほか、一定時間経過で自動オフにもなる。

駆動電源は本体底面に挿入する単4乾電池による。アルカリ乾電池とエネループ(製品名指定)が使える。駆動時間は、最も消費電力が少ない方法によればアルカリ乾電池では130時間、エネループでは85時間とのことであり、基本的には連続して長時間つかうようなものでもないし、上記の自動節電機能もあるため、十分であると言える。

検索ができる辞書コンテンツについては、見出し語を入力してやると特にストレス無く該当項目をリストアップしてくれて、選択すると詳細内容が表示される仕組みだ。文字の大きさも三段階程度から選択出来るが、標準設定で小さすぎない十分な大きさになっていて、読みやすいと感じる。
検索によるものではないコンテンツについては、目次や大項目から順に辿れるようになっている。

100の文学作品は、要は青空文庫であって、それのテキストビューア機能で読むことができるようになっているというようなものだ。この場合、本体を縦位置にすると画面も縦になって文庫本のような感覚で縦書きの作品を読むことができるのは面白い。
また、青空文庫形式のテキストをmicroSDカードで追加したら、それも同様に読めるようである。

自分として、コンテンツは十分である。明鏡国語辞典に加え広辞苑や漢語林など基本的な辞書コンテンツが充実しており、ジーニアス英和辞典やオクスフォード英英辞典、プログレッシブ和英などもあり、たいてい、日常生活や仕事、PCを使っていて必要となる調べ物で、Webでは的を得ないものについて、これがあると重宝する。
Webの無料で使えるそういう辞書はたいてい出し惜しみであって、十分な情報が得られないので、もともと調べ物は紙の辞書を使用していたところだが、電子辞書なら充分にその役割を果たさせることができそうである。

辞書コンテンツというだけなら、調べ物をするときくらいにしか使えないが、読み物的な書籍なども多数収録されているため、電子辞書に加えて電子書籍としての役割もあり、これ一つで多数の書籍を共にしているという感じにもなるのは予想外のことでもあった。

本体の付加機能としては前述のmicroSDカードやUSB経由でのコンテンツ追加、PCとの通信に加え、プロジェクタに画面内容を投影したりするようなこともできるらしい。

ストラップやケースは付属していない。ストラップ用のホールはある。ケースは純正の蝉ハードケースであれば、イヤホンやタッチペンの収納ができて、粘着パッドで固定してケースに装着したまま使うようにできる。

自分としては、ケースは主に収納用であって、使うときは本体のみで使いたい。これは、ちょうど持ったときに両親指でメインキーを打鍵するスタイルが都合がよいからである。