百均の万年筆

投稿者: | 2017-05-07

少し前にダイソーで売られていた百円の万年筆を使ってみたことがある。プラチナ社のRiviereという、本来200円の製品で、プラスチック軸はいかにも安っぽく百均仕様とも思えるが、万年筆の専門メーカーの製品というだけあって書き心地は中々良いものであった。
このたび、同じくダイソーで二種類の百円万年筆を見つけたので試してみた。
一つは、万年筆11という型番がついている金属軸の万年筆だ。「ほど良い重さで力を抜いて書きやすい」とコピーがある。中字で、BBのインクカートリッジが付属している。欧州共通規格タイプか。嵌合式のキャップで、軸のデザイン、質感などは百円の品にしてほ高級感があり良さそうである。字幅は中字であって、書き心地は、まあスチールニブの万年筆としてはだいたいこのようなものだろうという想像通り。
個体差なのか知らないが、Riviereのものと同一思われるペン芯とニブの中心位置がずいぶんずれていて格好が悪い。そのうえ、ブルーブラックとうたってあるインクのカートリッジも、どう見てもブルーのインクで、その辺がまずどうなのかというところであった。もちろん中国製である。
もう一つは、万年筆H-1という型番がついた透明軸中字の万年筆である。パッケージを見るとこれも中国製で同じ企業の名がある。嵌合式キャップで軸だけを見るとこちらのほうが圧倒的に安っぽく、いかにも百均のものらしい雰囲気だ。カートリッジは黒インクが2本付属していて、これも欧州共通規格のものと思われるが、前出のものとははめ込み部分の長さが微妙に異なっているので違う規格なのかもしれない。ニブはCaplessのように小さく丸まったタイプで、面白い形をしている。中字だがやや細めで、こちらの書き心地は良好だった。Riviere同様に違和感無く使用できる。
これが百円で入手できるなら、手軽に使える万年筆として、入門用などに向いている。まずはこういう万年筆でどういうものなのかを知るとか、予備用とかには良いのではないか。