万年筆のインクは多種あるが、字幅により適した色合いとそうでないものとがあるように感じている。簡単に言えば、細字には濃い色合いが良く、中字より太いものには淡い色合い、濃淡がわかる色合いが良い。
例えばSAILORの極黒やPILOT色彩雫の朝顔など濃くはっきりとした色は、細い線では明確になるが、太字などになると印象が強すぎてしまうように感じる。淡い色合いのインクは逆に細字だと印象が薄すぎてしまう。
万年筆インクの定番色であるブルーブラックも細字向きだとは思うが、定番色であるのでどの字幅でも良いかも知れない。ただ、ブルーブラックでも各種あるので一概には言えない。PILOTのブルーブラックならばどの字幅でも良い感じではないか。
PILOTのブルーも、少し淡い色合いという感じもする標準的なブルーであって濃すぎないので、濃淡も表現できて中字や太字でも合う。
PILOTのインクは各色とも国内で最も入手しやすいインクであるので、これを標準的に使うようにしておけば供給で困ることはないし、個性ということでは印象が弱いかもしれないが、何よりこれが標準なのだと思えば安心感が大きいというものである。