文章書きのためのツールとして、Windowsのメモ帳を使う人も多い。
Windowsに最初から入っていて追加投資やインストール、設定の手間が要らない。機能も単純で動作も軽快である。
しかし改行コード、スペースが表示されない。色分けができない。配色も表示フォントも変更できない。禁則処理もない。高度な検索もできない。文字数カウントができない。カスタマイズは何一つできない。その他、できないことは多くあり、むしろできるのは右端で折り返すのと日付の挿入ができるということくらいである。
そうであるのに、これを使ってテキストの編集をする人は結構多いとは先に述べた理由なのだろうと思う。
もっとずっと高機能なものはあると知っているが、適当なものを探して選ぶのが面倒臭い。インストールして設定するのも、高機能な者になればなるほど難しいし、使いこなせない。ただ文字を入力する作業をするだけなので、特にメモ帳以上の機能は求めない。用紙に出力したりもっと高度な機能を求める場合はWordがある。
影響力が及ぶ場合は、そういう人には例えばサクラエディタなどフリーの高機能なエディタを使わせてみるのだが、数日経過後にまた画面を覗いてみるとやはりメモ帳を使っていたり、エディタでも初期設定から何一つ変更せずに使っている場合が多い。
最初から使えるもの、標準装備のものの影響力はとにかく大きい。メモ帳に限らず、Internet ExplorerもWordもExcelも、それ以外のものをあえて求めなくても、多くの人が使っている環境で作業ができて、基本的に何の問題もないのだから、余計なことはしない。余計なことをしてとにかく面倒に難しくなるのは避けたい、そういう思いはあってもおかしくない。