ポータブルHDDを購入するとして、当然のことながらまず考えられるのがパッケージ製品である。国内では、バッファロー、IOデータ、ロジテック辺りの周辺機器メーカから発売されている各種製品が最も一般的だろう。
こういう製品には、ディスクメンテナンスやデータバックアップ、暗号化などの各種のサポートソフトウエアが付属しているし、動作保証もある。これは3.5インチ外付けのHDD製品も同じだ。何も苦労せずに、とにかく外付けHDDを使いたいという場合の選択肢としては、おそらく最も正しい。
上記のようなベンダーは、自社でドライブは作っていないから、ドライブのベンダーの製品を購入して自社のケースに組み込み、各種のサポートソフトウエアと共にパッケージ製品化している。それが一つの製品であるために、サポートソフトウエアとして別のモノが必要だったり、既に所有していたり、あるいは不要だったりする場合の要求には完全に適合しない場合がある。また、たいていの場合中身のドライブベンダーは購入時にはわからない為、故障率の高いベンダー、好みでないベンダーのドライブを不本意ながらも使わなければならないかもしれない。
残念ながらHDDは可動部もあるために消耗品であって、故障に備えて複数台用意しておいたりする必要もあると思うし、定期的に新しいモノに乗り換える(データを移行する)のが得策ではないかと思っている。
そんなようなときに、好みのドライブ・容量で、多少割安に、しかもちょっと所有欲を満たすHDDをと考えてみると、HDDケースと内蔵型ドライブを組み合わせてポータブルHDDを自作してしまうというのも、多分選択肢としてあって良い。
パッケージ製品なら既にドライブがケースに組み込まれてフォーマットまでされているが、それらの作業をケース、ドライブ選びから組み込み、フォーマットまでほぼ全て自分で行う。作業としては多少面倒ではあるが、PCに平均的以上に興味がある人であれば、まずその時点で面白いと思うのだ。
無論、HDDやその規格、ディスクフォーマットなどに関する少しの知識がまず必要だが、たいていこの方法を選択する人は、そういう勉強は苦にならない人であるので、その点はあまり問題がない。