その昔、ワープロ専用機を使っていたときは、辞書に単語登録をする事がむしろ当たり前で、何語まで登録できるかとか、その単語をフロッピーディスクにバックアップして環境の移行ができるかとか、そういう事が大きな問題だった。ワープロ専用機の頃の日本語入力の仕組みと、メモリの容量の関係も有り、辞書が充分でなかったというところがあるからだろうと思う。
PCを使うようになってから15年かそれ以上、ずっとATOKを使っているが、ワープロ専用機とはもう比較にならないほどの日本語入力の能力がある。ユーザ登録の辞書に関しても、品詞別に登録できたり、無限に登録できたり、辞書を併用できたり、ATOKでは当たり前のことだが、ワープロ専用機を使っている限りは想像すらできない事なのである。
そういう部分もそうなのだが、肝心の標準辞書とその変換エンジンも相当に高度であるがために、このように普通に文章を入力しているかぎり、特にユーザ登録辞書をあれこれ工夫しなくても、正しい日本語入力ができるようになっていて、ユーザ登録辞書の重要性は低くなってきていると感じる。
専門用語等の特殊な語彙や、普通では使わないような変換等についてはどうしてもユーザ登録辞書に登録したり、別の辞書を使ったりしなければならないが、日常生活の範囲においての普通の文章であれば、標準の辞書と変換の仕組みで何とかなる場合がほどんとであると感じる。
従って、今の自分のユーザ登録辞書も、どうしてもこれは登録しておかなければならないというような語はほとんど無い。一部の記号を入力しやすくしているのと、固有名詞で変換できないものが少しあるくらいだ。尤も、ATOKの辞書は放っておくと自動登録単語であふれかえってしまうが。
ワープロ専用機の時のユーザ辞書では、限界ぎりぎりの1000語程度もあれこれ登録していたのだから、そう考えると変わったものだと思う。