赤青/朱藍鉛筆についてのあれこれ

投稿者: | 2016-03-05

いわゆる赤青鉛筆は、実際には朱色(Vermillion)と藍色(Prussian Blue)であるので、朱藍鉛筆とも言われている。トンボの製品では「VP」の略号が用いられたりもしている。朱藍鉛筆と呼んだ方が文具好きとしてはそれっぽいのかと思い始めたところ。
朱藍鉛筆は赤5:青5の半々のタイプが主流かと思っていたが、青のほうが使われる量が圧倒的に少ないということで、赤7:青3という比率のタイプもそれなりに使われているようだ。面白い比率だと思うが、青もそれなりに使うことが考えられる場合は、この比率では青は少なすぎて不安になる。青は赤の半分以下の量なのである。実際青を使う量は少ないとしても、圧倒的とまで言えない場合、6:4くらいが妥当なのではないかと思う。7:3にまでしてしまっているのはずいぶん思い切った比率だと思う。
三菱やトンボの朱藍製品ラインでは他に朱通し藍通しの単色タイプや丸軸に加えて六角軸タイプ、塗装も最小限にしたリサイクルタイプなどがあるし、ほかにも消せる赤鉛筆や硬筆タイプなどもあるが、比較的大きな文具店でもこれらがすべて揃っているというところはあまりない。事務用品を扱う店のほうが各種のタイプがあるのかもしれない。
朱藍鉛筆は基本的に色鉛筆であるので、芯は普通の鉛筆より軟らかく折れやすい。用品庫に使いかけで放置されていたものを勿体ないと思って使っていたが、いざ削ってみたら削るたびに芯が折れてついに最後まで削りきってしまって使い物にならなかったことがある。誰にどのような扱いでどのくらい使われてきたものかわからないが、折れやすいには違いない。
電動や手回しの鉛筆削りでは鋭角になりすぎるので携帯できる一枚刃の小さな鉛筆削りを使うが、この場合は特に芯に負担がかかり折れやすくもなるらしい。古い刃の場合は交換したり新しい削り器にしたり、削るときは鉛筆の側だけをくるくると回すようにすると良いらしいが結構難しい。
朱藍鉛筆は、赤青が1本になっているのが特徴であるので、両端から削って使わなければ意味がない。この削り方は、あまり推奨されない、いわゆる貧乏削りという形になってしまう。両端が削れているとケースに収納する時など不便なこともあり、それが厭でなるべく単色の朱と藍を探しているが、朱はともかく、藍の単色はなかなか店頭にない。そういう場合は色鉛筆の単色藍色を選ばなければならない。
考えてみると、単色で用意すると2本になってしまうので、ここは思い切って貧乏削りで両端を使うことにしてみる。キャップを用いれば良いのだ。