自宅では好きな筆記具を使えば良いと思うが、仕事の場合ではそうはいかない。少なくともちゃんとした書類に使うのは鉛筆系の筆記具やフリクションは使えない。
メモや議事録など自分でしか使うことがないようなものやすぐに廃棄することが前提のものについては、基本的にはどんな筆記具を使っても良い。
どういう場面でも、鉛筆や万年筆は少数である。どちらも使うのに手間がかかる。鉛筆は、すぐに使える万能な筆記具として位置づけられるが、そもそも削る手間がある。万年筆は、くるくると回すねじ込み式のキャップを付けたり外したり、あるいは丁寧に扱う必要もあり、そういう効率が悪いと見えてしまう。それは使用している人自体、仕事に対する取り組みが甘い認識の人間だと思われがちだからだ。
そういうのを排除して、手軽に使える筆記具を使い、道具にこだわらない人のほうが仕事ができるというイメージもあるのは確かであって、それが反映されているのかどんな場面でも極普通のボールペンやシャープペンシル辺りを使う人が一番多いと感じる。
筆記具の選択は、使用する場面を考えると適不適もわかってくる。
ちゃんとした書類ではほぼ黒のボールペンに限られる。公式文書としては青のインク色も認められているはずだが、一般的にはほとんど使われない。
その他の書類や署名などでは、万年筆での青インクもまだ認められるかもしれないが、これらの書類に使用する場面では鉛筆系の筆記具、フリクションなど消せる筆記具は認められないのが常識だ。
書類への付記などについては、後から消すこともあり得るため、鉛筆系の筆記具や本文とは違った色の筆記具も一般的である。この場合の色としては赤が主流で、青やその他の色は極端に少ない。
基本的に書いた本人しか使わないノートへの筆記や、伝言のメモなどすぐに廃棄されるものについては筆記具への制限はほとんどなく、万年筆でも鉛筆でも、あるいはどんな色のインクでも問題ない。
これら、どういう場面でも万能なのは黒のボールペンで、これがあれば全ての場面で問題なく使える。実際、自分もこだわりを持っていない頃はそれだけで済んでいた。これに、付記などをするための赤のボールペンと、あとはシャープペンシルと蛍光ペン辺りがあれば、仕事の全ての場面では間に合ってしまうので、赤黒シャープが一緒になった多機能ペンは正に便利な道具であると思う。
個人のノート書きは使い方も筆記具も自由度が高い。これに使用する筆記具を観察していると、黒のボールペンを使う人が最も多く、次いでシャープペンシルという状況である。つまり、他の場面と合わせてこれだけで済めば余計なことで悩む必要がないからである。
黒以外の色のペンを使う人の中では、たまに赤を本文色として使っている人をみかける。自分としては赤は注目部分への付記など補助として使うための色であって、赤字はマイナスのイメージや縁起が悪いなどの迷信もあるので、それを本文に使うことに対しては強い違和感がある。議事などのメモで人名まで赤字で書いているのをみると辟易とする。
青や緑を使う人はまた極端に少ない。本文色としてはこのような寒色系の色もありだと思っている。緑はまだ注目色や付記的な意味も強いが、青はインク色として本文用として使う色としても一般的な色であると感じる。
自分の場合は他人との差異を意識してあえて青系の色を主で使うようにしている。具体的にはブルーブラックのインク色の万年筆を使うが、前記のとおり、ねじ込み式のキャップでは効率が悪いので、PILOTのCaplessを使っている。これだと、ノックだけでペン先の収納と使用可能状態の切り替えが出来るので、一般的なボールペンと同様になり、余計なことをしていると思われることもない。
筆記具と合わせて、他人がどういうノート、用紙を使っているのかというのもよく観察する。だいたい、普通の一般的なB5サイズのノートか、A5程度の手帳が多い。自分で購入したと思われる、特徴的なノートを使っているなど文具へのこだわり・興味を持っているという人はかなり少数派であって、だいたいは支給品だったり他社からの記念配布品だったりする場合が多い。来客などは、A4やB6程度の大きさのシステム手帳という場合も多い。
それでもノートを使うという人もむしろ少数で、使用済み用紙の裏面を使う人や、会議資料に直接書き込むだけという人も少なくない。