昭和を感じるもの、昔からある筆記具とか、懐かしい文具を改めて使ってみたいという感覚にとらわれる。鉛筆で言うと、三菱9800番とかトンボの8900番とか、そういう昔からの定番製品である。
事務用の、何の機能もないベーシックなボールペンも、先日から気になり始めていた。これも昔から使われていて、よく見ると懐かしいものもあるだろう。ゼブラのニューハードというボールペンは、名前自体は知らなかったが、キャップに付いている銀色のシールになじみがあって、おそらく自分の子供の頃から家にあって触って使った記憶もあるのだから、もう相当なロングセラー商品である。
ところがこれ、今また買ってみたいと探してみると、意外にどこにも売ってない。文具店は多色のカラフルな新製品などはずらりと並んでいるのに、大きな店でも利益率が低いせいか、こういうキャップ式の事務用ボールペンは置いていない。スーパーやドラッグストアなどの文具コーナを巡って、結局100均のキャンドゥで2本入りのを見つけた。(なお、近くのダイソーには無かった)
ようやく入手して使ってみると、キャップのシール、透明な軸、ペン先の金属のチップも、新品なのに懐かしい。今の最新の製品に比べると、決して使いやすくも書いたときの滑らかさもないのだけれど、これこそがボールペンと呼べるボールペンなのだと言い聞かせると、その使い心地を楽しむことができるようになる。普段、万年筆やボールペンでは青系のインクを使っているので、油性の黒インクの具合もまた新鮮に感じるのである。