Realforceのキーボードを最初に触ったのは10年も前になる。
メカニカルキーボードから入り、HHKBで静電容量無接点スイッチの打鍵感を知った。だがHHKBはキー数が少なく配列が特殊なものであったので、標準的なキーボードのほうが良くて求めたのがRealforceであった。
メカニカルの黒軸茶軸などの機械的な感触とは違った、どこか人間らしい柔らかさも感じるキーボードで、それ以降は今もずっと基本的にRealforceを使い続けている。テンキーを含めてその後幾つかRealforceも買い足しているが、最初に使い始めた10年前のRealforceも現役で、特に問題なく使えている。さほど大量に打鍵するわけではないが、それなりには文字入力をする機会はあるので、これだけ何年も使えるというのはやはり日本製で品質が良いということである。
そういう最初のRealforceは初期の頃のパソコンのキーボード、事務用機器としてのパソコン・キーボードとしても定着していたアイボリー配色のモデルである。当時のRealforceにはほとんど黒配色モデルがなかったこともあって、それを選んだ。
白系のものは褪色・変色するかと思っていたが、まだ10年で気になるような変化は見られない。使わないときは太陽光・紫外線を遮るために簡単な布カバーをかけるようにしていたことも影響しているかもしれない。
ただ、他のほとんどのキーボードが黒色系であるのに、それだけ旧来配色のアイボリー系というのが当初はどうにも気に入らず、同じ仕様で黒色系モデルの存在を知って2台目を購入した経過もある。
とはいえ、最近では逆にいかにもキーボードらしいアイボリー配色のものもまた良い物であると思っている。
英字などほとんどのキーはブラインドで打鍵できるが、数字など正確に入力が必要になるものやいつまでたっても配置を習得できない記号キーについては一応手元を確認したいのである。だが黒色系は刻印も黒であるので、部屋が明るくないと文字が見づらい。一見無刻印キーボードにも見え、デザインとしては全く問題ないのだが実用性の点でたまに不便を感じる。無論アイボリー配色ならその点は問題なく、Realforceはアイボリーの配色のほうを好む人も少なくないのである。