エディタになった理由

投稿者: | 2020-10-11

文章原稿はテキストエディタで書くのが当たり前になっているが、自分の場合どういう経過でそうなったのかを思い出してみる。
元々、デジタル文書との出会いはワープロ専用機の頃である。当時は、印刷イメージのまま編集することが難しく、入力は専用の画面が用意されていた。思えばこれは、テキストエディタでの入力作業とワープロでのイメージ編集、整形作業との違いによく似ていた。
実際、ワープロ専用機の文字入力画面は、40字20行ほどの大きさで、文字や改行コードなどの制御文字までしか表示できない。最下行にはステータスバーに相当する情報表示部分があった。今で言えばポメラのような画面にも近い。
そういう環境でキーボードの操作や打鍵、ブラインドタッチを覚え、文字入力も文書編集の基礎も全て習得したので、そこに原点があると言えるのである。
ワープロ専用機よりも高度なことを目指し、Windows 3.1の頃にPCに乗り換えたが、その時点で、ワープロソフトよりも文章書きに適したツールとしてテキストエディタという物があるということは聞かされたり書籍で読んだりして知っていた。とにかく文字の編集でワープロよりも快適で高度なことが出来る物だということらしい。
ただ、そのエディタという物がどんな物なのか実際にはほとんど目にすることが無かったので、Windowsを使い始めてからもメモ帳こそがエディタであるのだと思い、これなら何処が編集にワープロよりも良いのだろうかとずっと疑問に思っていた。
従って、ワープロ専用機で作成したような文書はそういうツールを使ってMS-DOSテキストを介して一太郎のファイルなどに変換してしまったし、PC環境でも当初は一太郎で文章書き作業をしていた。
それからしばらくして、雑誌付録のCD-ROMに収録されているテキストエディタに秀丸が合って、他の所でも随分秀丸という名を聞くのでどんなものなのかと試用してみたところ、メモ帳などとは比較にならないほど高機能で、テキストエディタとはこういう物なのかと知ることになる。
幾つかのオンラインソフトのエディタを、当時発売されていたVectorのオンラインソフト集の中から漁って使ってみて、更に市販ソフトでもっと良い物はないのかと見つかったのが当時Ver.1がリリースされたWZ EDITORであった。
確かにエディタは起動も動作も快適で、何より環境設定が非常に細かく、配色を始めとして自分が必要とする環境を作ることが出来る。印刷書式は設定できないが、原稿書き用途、そもそも印刷を前提としない文書についてはエディタで書くほうが都合が良いので、以来、文章書きは基本的にワープロ専用機の入力画面にも似たテキストエディタ、それもWZで行うようになったのである。
時を経て今になっても、やはり文章書きの基本はテキストエディタである。今はもうPCの環境も十分になってきて、ワープロソフトが重いということはないが、それでもエディタの方が快適であるのは変わりないし、Wordなどだとカスタマイズによる環境設定はほとんど出来ない。一太郎は、表示環境においてもエディタフェーズがあったりドラフト編集モードなどもあって、ワープロ専用機やエディタにも近い環境を提供してくれるので、その環境を使うこともあるが、基本はなお、やはりエディタなのである。