小説や何か原稿を書く場合に最終提出の原稿形態をイメージしたり、PC導入以前に原稿用紙で書いていた環境をPCでも再現したいという場合、四百字詰め何枚という仕上がりの分量を把握するのに、原稿用紙を模した表示環境が役立つのだが、これが出来るワープロやエディタは本当に少ない。
ワープロでは、一太郎は縦書きと併せてそういう表示様式があったりするが、Wordなど他のワープロソフトでは難しい。
テキストエディタもそういうことができるものは限られている。WZ EDITORは、原稿用紙の罫線を模した表示環境で書くことが出来る。見開き設定を行えば中とじ部分もある程度表現できたりページめくりで一枚ずつ表示するような機能もあって、二十字二十行の四百字詰め原稿用紙のような感じにすることもできる。原稿用紙的な設定は、縦書きでも横書きでも出来る。
秀丸でも文字枠の罫線表示はできるが原稿用紙と同じようなイメージには出来ない。他に、文章書き用途に特化して縦書き表示もできるテキストエディタなら、魚尾の部分も表示するなどWZよりもさらに原稿用紙に似せた表示環境にできるものもある。
小学校などの作文は、今も昔と同じ原稿用紙を使うのか知らない。大学入試の小論文も原稿用紙が解答用紙として渡されるのか、或いは司法試験などもそうなのかわからないが、原稿用紙を使う場面は他にもそれなりにあるのではないか。原稿用紙というくらいだから、書籍や新聞の記事原稿でも使われているとは思う。
そういう字数の調整が必要な原稿、文章を書くのにはやはり似せた環境であるのが最適である。
実際そういう必要に迫られなくても、原稿用紙の書式で書くということで字数を意識したり、まるで締め切りに追われて原稿を書いているような、夏休みの宿題の読書感想文を書いているような懐かしい気持ちにもなるかも知れない。
縦書き、原稿用紙表示も書く環境の選択肢として必要なのである。